わたしの中のオトメとオッサン

 「俺は心に野獣を飼っている( -ω- `)フッ」とか言いますよね?(え?言わない?古い?)


 わたしは紛うことなきオバサンなわけですが、実は心の中にオトメとオッサンが住んでいるのです。


 オトメの方は硝子ペンにインクで日記や手紙を書いてみたり、小さな可愛らしい硝子細工や妖精にときめいたり。好きな色は菫色。ちょっぴり内気なはにかみ屋で時に小動物の様に臆病だったりします。垢抜けなくて目立たない地味な子ですけど、一度決めたら結構、ドカンと大胆なところもあったり。

 意外に気が強いのかも???



 そして、問題はもう一人の、オッサン。

 彼は結構なヘタレで気弱なのですが、時に"おとこ"になるのです。

 貧乏くじ引いちゃう癖に見過ごせなかったり、自分も怖かったり凹んでる癖に側で泣いてる子や落ち込んでる人がいると、

「大丈夫!絶対何とかなる!おっちゃんがついとる!諦めんで一緒に考えて一緒に乗り越えていこう!」

 とか言っちゃうのです。


 そんな事言っても本人に超人的実力とかがある訳じゃないので、ひたすら愚直。コツコツ積み重ねと諦めの悪さと粘りで勝負です。

 まぁ、贔屓目ひいきめに見ても、うだつが上がらないタイプ。

 オトメとの共通点は器の小ささと小心者であること。


 馬鹿だねぇってヤツなのです。

 世渡り下手でそんな器でもないのに、変なとこで漢気おとこぎ出しちゃって、報われないだけじやなくて時には反対にボロボロにされたりするのに…おっちゃん、あんたホントに馬鹿だよ…。


 それでもこのオッサン、不死鳥ならぬ、ゴキさん並に息絶えだえになりつつ、今まで生き残ってきました。

 カッコ悪くて冴えないけど、へへへっ!と頭なんぞ掻きつつ。



 わたしの中にはオトメとオッサンがいて、どっちも不器用で要領も悪いのですけど、わたしが落ち込んで立ち上がれずにいると、いつの間にかやって来て、頭を撫でてくれてたりします。


 だから、わたしは泣きべそ顔を上げて、もう少しだけ…と立ち上がることができるのです。

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