やっちゃった話(若かりし日々編)

 これはもう成人後のお話。


 その日は友人と予約していたレストランで夕食を一緒にする予定でした。

 そのレストランは美味しいと評判でなかなか予約も取れなかったのを何とか運良く取れて。


 食いしん坊のわたしは楽しみで楽しみで、それはワクワクして待ち合わせの場所に行く為に列車に乗り込もうとしていました。


 今はかなり改善されたと思うのですが、その頃は列車とホームの間が空いていることがかなり多くて。


 いつもは気をつけていたのです。いつもは。


 でもその日はすっかり食い意地に支配されていました。

 そして、珍しくも、おめかししてスカートなぞ穿いていたのです。


 好事魔多し。


 一歩踏み出した時に、あれれと思う間もなく、ズボッとハマりました。

 列車とホームの間に片足が。


 花も恥じらうお年頃?だったわたしは、ひたすら恥ずかしくて焦りました。

 今、思えば、まったく冷や汗ものですが、恥ずかしさの余り、火事場の馬鹿力でエイヤー!と足を引き抜きました。


 周りにいた方々は唖然。

『大丈夫ですか?』と親切に声掛けして下さる方に、

「ありがとうございます。大丈夫、大丈夫です!」と引きつった笑顔で答えつつ列車に乗り込み。


 そーっと足を確認してみると、向こうずねが凹んでいます。

 うう・・・でもとりあえず骨とかは折れてないみたいで動きます。


 さて、ここで賢明な方ならば、友人に連絡を入れ、レストランに行くのは諦めますよね。


 でも、、、

 そう、わたしは全然、賢明じゃなかったのです。


 列車から降りて歩いてみると、ちゃんと歩ける。ズキンズキンとしていた痛みも治まってきている。


 幸い長めのスカートで足の凹みも隠れている。

 滅多に食べれない料理のあれこれ・・・。


 行きましたとも!レストランへ!!

 友人には心配もされ、呆れられもしました。


 でもその時、食べた料理の数々は、やっぱり美味しかった!


 ウチに帰ってから、当たり前ですが、こってりと叱られ・・・翌日、病院へ。


 お陰様で骨折もなく、残ったのは青アザと凹んだ足。


 この凹んだ痕は今でも残っています。


 しかーし!あの一食に悔い無し!なのです。

(反省しなさい!・・・ハイ(汗))

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