頭の良くなる薬
これも小学生くらいの時のエピソードです。
その頃、健康食品ブームみたいなのがありまして。
それに影響されたのもあってか、街で良く見かけたのが"無料の商品でお客さんを集めて、有料の商品を売る"という(今でもありますよね)商法。
これに、その頃の母が見事に引っかかったのでした。
母はしっかりしているのですが、人をすぐに信じてしまうような、幼子のようなところのある人で・・・。
その日もニコニコしながら、家族に見せたのは、その頃話題だったロイヤルゼリーとそれからプラスチックの筒型の白い入れ物。
白い入れ物の蓋を開けてみると、中にはくすんだ草色の錠剤がビッチリ入っています。
「何コレ?」
聞いたわたしに母が笑顔で言うには
「頭が良くなる薬よ」
曰く、これはカルシウムを主成分として他にも頭が良くなる為の成分でできているらしい。
一日三粒を毎日飲むと効果がでてくる。
多分、本ばかりに夢中になり、その割には成績が良いわけでも無い、夢見がちでぼーっとした愛娘を心配しての事だったのでしょう。
ロイヤルゼリーの方は冷蔵庫の奥に仕舞われ、その頭が良くなる薬?は毎日一回わたしが飲むことを義務付けられました。
ただねぇ、この錠剤、色もだけど匂いが鳥の餌みたいなのです。
水で流し込むわけですが、なんとも飲みにくい。
それでも、ひと月くらいは飲んだのですが・・・(量だけは沢山あったので、この時点でもまだ半分は残っていた)
さすがに耐え難くなってきたので、もう飲みたくないんだけど・・・と言いました。
その頃は家族もみんな(もしかして騙されたのかも?)という空気を醸し出していたので、その"頭の良くなる薬"はいつの間にか姿を消しておりました。
そして、勿論、わたしの成績が爆発的に上がることなどもなかったのでした(ションボリ)
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