オトナの目、コドモの目

 大人から見てこっちがいいっていうのと、子供の好みって違いますよね。


 今も魔法少女ものは女の子達に人気ですが、わたしが子供の頃も「魔法使い○○」というアニメは流行ってました。


 同級生達も筆箱や下敷きなど、魔法使いもので揃えていて、子供心に羨ましかったものです。


 ウチではテレビやアニメを観るのは良かったのですが、身の回りのもの、文房具にせよ、例えばТシャツとか運動靴とかのキャラクターものは買って貰えませんでした。

 "趣味が悪い"と考えていたみたい。


 うーむ、それはその通りで、少なくともその頃、両親が買って身につけさせてくれた服や靴、文房具は大人になってからの目でみると、とてもオシャレなのです。


 高橋真琴の大きな瞳の美しい少女が描かれた下敷きなんて、今のわたしなら小躍りするほど喜びます。

 Тシャツにしても、美しい色や繊細な花柄などの方が絶対可愛い。

 大人のわたしなら迷うことなくこちらを選びます。


 でも子供のわたしはひたすら、みんなが持っているキャラクターものが羨ましかった。


 購入時にささやかに自己主張したりもするのですが、あからさまとまではいかなくても、"そんな趣味の悪い"っていう視線で見られると、それ以上言えなくなってしまって。


 現在は残っていないあの頃の下敷きなどの文房具、勿体ないことをしたなぁと思います。

(高橋真琴、中原淳一、内藤ルネなどの作家さんものは、今では好きで集めているくらいなので)


 でも、友達が持つ魔法使いものの文房具を羨ましそうにションボリと見ている、あの頃のわたしも何だか愛おしく、頭を撫でてやりたいような気がするのです。

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