真夏の帰り道の幻想
幼い頃から暑いのは苦手でした。
小学生になっても、持っていった水筒のお茶はちびちび飲んでいてもすぐに無くなってしまい、帰り道は(学校から遠かったのもあり)砂漠を行く旅人のような気分でいました。
わたしが住んでいたのは、ちょっとした山の上?でして、家まであと10分くらいの所からは舗装もされてなく。
でもまぁ、そこまで帰り着けばウチはもうすぐなのですが、その前までのアスファルトの道がキツかった。
自動販売機もその辺にはあまりないし、何しろお金も持ってない(涙)
照り返しがね、なんというかフライパンの上でジリジリ焼かれてるお肉気分・・・
そんな中をよろよろと歩いてると(とにかく暑さへの耐性がないので)蜃気楼ならぬ、妄想が始まります。
ああ、あそこに見えるガードレールが全部アイスキャンデーだったら・・・
見上げる空の雲さえバニラのアイスクリームの連なりに見えます。
夢は広がり、
蛇口をひねるとオレンジジュース、とか
プールいっぱいのソーダ水の中に飛び込む、だの
もうちょっとで頭に輪っかを浮かべた白い羽根の人達が見えかかる頃、家に帰り着くのでした。
そして、手を洗うのももどかしく飲む、氷入りのお茶の美味しさ!
ゴクゴクと喉をならしながら飲んで、ぷはぁー!(注:お茶です)
幼いわたしは幸せを噛み締めるのでした。
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