退職願い②

まだ書いていませんでした。


私が何処でギブアップしたかを。


整理しますと


まず4トントラックですが、この運転は思ったより簡単でした、楽しかったです。


次はフォークリフトですが、これはひたすら練習すれば下手くそでも、いつかは上手になります。

皆超一流のフォークリフターの中、大変ですが、少しずつでも慣れてきたのは感じました。


最も大変だと思ったのは、何を優先で出荷しないといけないか、何の材料が今社内で必要としているか、後々は自分で判断し、会社とお客様の希望をコントロールしないといけない点です。これは、予想外でした。


そういう意味では、クロネコヤマトや佐川急便、自販機の補充の人なんかも、そこが大変なんだろうなぁと、今は分かります。


あと、人間関係ですが、かなり良好でした。

最高の係長でした。

社長も良い人でした。


……


しかし、これは、社内に限った話です。


お客様相手ではそうはいきません。


しかし、それも当然ですよね。


私も、よく利用するマックやコンビニ、携帯会社等にはクレームを入れてました。

バイトに完璧を求めても無理だし、新人かもしれませんよね。




…これは一昨日、1日の出来事です…


まず、朝から1人で品物の受け取りにある会社に行きました。K社です。

2パレットだけなので、軽トラでした。


このK社ですが、行く度に窓口のN氏に怒られてました。サイン忘れ、ヘルメット、ロット番号間違いetc…何か少しでもミスがあるともの凄く怒ります。

一度だけ、何もミスが無い時、世間話になり、あぁ、厳しいのは、私の為だと考えるようになりました。

しかし、この日は、ミスをしてしまいました。


何のミスかというと、受け取った品物を私が軽トラに積み込む際にパレットとフォークリフトの爪が当たり、大きな音が発生した為、彼はドアを開け、走って来て、私に激しい怒声を浴びせて来ました。


N氏

「おい!!お前!!!」

「品物に何かあったらどうするんだ!?」

「フォークリフトの爪が変形したら俺が怒られるんだぞ」

「毎回毎回いい加減にしてくれよ!!」


私はフォークリフトを降り、謝りましたが、止まらない罵声に、深い土下座をしました。


「本当にすみませんでした!!m(_ _)m」



N氏

「土下座までせんでもええけど、もういい加減にしてくれよ!!」

「何をそう急ぐのか知らんけど、焦らず、慎重にしてくれないと、俺も怒られるんだぞ!!」


「はい、次からは、ゆっくり、慎重に、絶対にこういった事が無いよう注意します!」


そう、謝罪し、その会社を後にしました。


帰りの道中、K社、次からはもう何もミスしない様にしないと、大変だなぁ…とほほ…

まあ仕方ない、私が悪いんだ。


この日、棚卸しの真っ只中です。

特に、運搬係は大変でした。

何処に何を置き、何処の在庫にするのかを決めないといけない日だったからです。


完成品は少しでも多く出し、材料は来週まで切れない様に仕入れないといけなく、なおかつ、会社の倉庫の在庫整理、把握、スペースの確保等、山ほどする事がありました。


私は入ってまだ2週間でしたので、可能な限り、係長は仕事を与えてきました。

出来る事、それは、運搬業務の「搬出」です。


係長は、私が出来る範囲で、それを指示してきましたが、焦っているのは目に見えていました。その為、私は、まだ他にも出来る事を自分で何か…


と考え、実行したのが、「引き取り」です。


しかし、何を受け取る必要があるのか分からないので、お客様のいつも応対してくれる事務員にお願いして、何を受け取れば良いかを聞いた所、必要分を倉庫から出してくれました。

多い…14パレットも…


私「ありがとうございます!!」


さぁ、ここから先は私の出番です。


フォークリフトのMT車を持ってきて、積み荷を開始しました。

真剣です!

安全に、素早く、隙間なく積まないと載りきりません。

6パレット(後列)はなんとか早く出来ましたが、前列が…私にはまだ実力不足です。

長くなるので書きませんが、残り8パレット、道を塞いでる状態です。


「焦るな、絶対にひっくり返すな、しかし、素早く、冷静に…」(汗)(汗)


と、ここで、来てくれました。

この会社のベテランフォークリフターの方


「おい、手伝おうか?」


私「いいんですか?ありがとうございます!」


普段は無口の、私の事をペーペー扱いの(たぶん)接点無しの…でも、助けてくれました。


そのタイミングで、係長から電話が来ました。


「今何してる所?」 と。


私「今、棚卸し分全部載せている所です」

 「満タン積んで帰ります!」


係長

「本当か!宜しく!」


少し嬉しそうでした、私もその位頑張った。


そして会社に帰ってきたのが、16時半です。


「やった…今日は本当に頑張った…」

「役にたった…疲れた…」

「ふ~~~~~」


肩の荷がおりました。


「あ~ほっとしたなぁ…」

「大変だったけど、達成感あるなぁ」


「はぁ~、あ!そういえば、昨日入社した仲良しのCさんはどんな感じかな?」


倉庫の隣が工場なので、少しだけ話しかけてみました。


「お疲れ様です、どんな感じです?」


Cさん

「うん、なかなか大変そうだけど、まだまだこれからだね、かなり集中力いるね」


「そうですか!お互い頑張りましょう」


と、そのタイミングでS部長が横を通り、Cさんに質問しました。


S部長

「これは完成品?こっちは?」


Cさん

「そちらはまだ前です。今日は終わりません」


S部長

「そう、分かったわ、ありがとう」


と、立ち去りました。


私はその後

「Cさん、今のバッチリです。S部長にははっきり回答しないと怒られますからね」


私「それでは(o^-')b 」



と、倉庫に戻る最中、係長が紙とペンを私に渡しに来ました。


そして2人で倉庫入り、こう言われました。


係長「おい~お前がお喋りしとるからS部長から怒られたぞ~勘弁してくれ~」



「えっ??」

「係長が怒られた?あのCさんとの会話で?」


「えっ?あれ、駄目だったんだ?えっ?」



…その瞬間、いきなり心が折れました…


「ギブアップ…」


この部長のお怒りで「もう…無理だ」と…


180度、やる気が反転してしまいました…



この2週間、新入社員として、知り合いも居らず、工場で誰かと話した事は一度すらもありませんでした。


話すのは休憩時間か、話しかけられた時だけです。仕事上、よく話しかけられます。

新入社員だし、色々聞かれます。

段積み降ろしはフォークリフターの仕事だし。


この2週間で圧倒的に頑張った日、今日、土下座までしたこの日、「ほっ…」と、ほんの数分、肩の荷が降り、仲良しCさんの事を気にかけた「あの会話」で、係長が怒られた?


「あれが駄目な会社だったのか??」


今日…俺は…俺は…あれだけの事を…


やっと帰ってきて、ほんの数分の…

社内で怒られた内容が「あれ」なのか…


社内でも誰とも、係長以外何も話せない。


「孤独」があの瞬間決定しました…


チャイムが鳴り、手洗い場で絶望して下を向き、固まりました…


それを横で見ていたある方が、心配して


「大丈夫ですか!?何かあったんでしょ?」


私「…………はい…ちょっと……もう…」

「今日は………今日はさすがに……」


横でタバコを吸っていた◯◯さん(お偉いさん)

に、「何かあったみたいですので、聞いてやってくれませんか?」とその方は誰かに話すきっかけを与えてくれました。


◯◯さん「ん?どうした?」


私「実は…今日…朝から…」


と、今日あった事を全て打ち明けました。


「なにぃ!土下座しただと!?」


その後、タバコを吸いに来たI部長も加わり、2時間弱位色々な事を話しました。


お2人は察したんだと思う。


こいつは長くない…と


そして、私の経歴を聞かれました。


結論

「君はトラックじゃあないな!!」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る