第26話 救急車!

急に眠れなくなった、昼間は少し体がだるい。


すぐに受診した。


違う種類の睡眠薬を試す。


全く効かない。


すく受診し、また違う薬を試す。


と、ここである事件が起こった。

私にとっては新たな薬だと思っていたある睡眠薬、名前は忘れてしまった、すまない。


初めて飲んだ日、10時過ぎには飲んだが、夜中の3時位に目が覚めた。

早朝覚醒だ。


!!、体が動かない。


あれ?

上半身は少しだけ力が入る。


思い当たるのは睡眠薬だ、あれだ…


そんな事を考えていると、オシッコをしたくなってきた。


子供がいるので、1階の和室を寝室変わりに使用していた為、幸いな事にトイレまで近かった。段差も無かった。


下半身がピクリともしない為、ほふく前身でのっそりトイレに向かった。


様式トイレなので立ち上がらなければならない。


…不可能だっだ。


妻を呼ぶ、補助してもらい、何とか便器に座った。

ふぅ、一人暮らしじゃなくて良かった。


そう思ったのもつかの間、オシッコをが出ない。


…なんか恥ずかしいw表現を尿にしようw


頑張っても全く出せない。


何故だかすぐ理解出来た。

下半身麻痺状態だから、膀胱の活動も麻痺しているんだろう。


ヤバい…耐えられない、痛い…


トイレに座り2時間位したが全く駄目だ、完全に痛みに耐えられなくなった。


妻に救急車を呼ぶよう伝えた。


しかし妻は渋った。


朝の6時前位だった、救急車が自宅に来たら周りの住民が驚くから嫌だと。


…とても分かる…


「分かった、じゃあ病院まで連れて行ってくれ。」


まだ子供が寝ているし、近くに住む父に電話して来て貰った。


ほふく前進で玄関まで行った。


玄関から車まで10メートルもない。


!!、牙を向いたのは玄関の段差だった。


どこの家庭にもある、靴を脱ぎ履く段差

高さにして10センチ位か


全く降りられなかった。


私の体重は60kgない位だ、人として重くは無い。

妻と父が居る為、補助をしてもらい、降りようとするが、私自身、上半身もろくに力も入らない。結局無理だった。


下半身不随ってこんな感じなのか?

たった10センチの段差も下りられない。


しかもその後も階段が数段ある…絶対無理だ。


…痛さの限界だった。

私は尿路結石になった事があるが、痛みはそれ並かそれ以上だった。


※尿路結石になった時の逸話も別の小説に書こうと思う。

D班に居た時だったが、長くなる為省いた。


結局、救急車を私が自ら呼んだ。


会話を少し

「早朝だし、サイレンを鳴らさないで来てほしい」


救急オペレーター

「それは出来ません、規則なんです」


「分かりました…」


救急車はすぐに来てくてた。朝の7時前位か。


!!サイレンを鳴らさないで来てくれた。


その感動とレスキューの安心感か押し寄せる。


すぐ事情を説明し、病院に向かう為の抱え込み作業がはじまった。


担架は玄関外までしか来れない為、私は布のシートを下に敷かれ、レスキュー隊員5人掛かりで持ち上げられた。

TVで目にする、漁船から魚が網に大量に持ち上げるみたいな光景だっただろう。


救急車に乗せられ、住宅地を抜けるとサイレンが鳴り始めた。それにまた感動した。


痛い…痛すぎる…


…病院についたら何とかなるだろう…


15分位で病院に着いた。大病院だ。


救急処置室で色々聞かれる。


足を触られ、「感覚はあるか?」

「足の指は動くか?」


ちゃんと答えた。

私は間違いなく、この睡眠薬のせいだと伝えた。


検診が終わり、先生達はホッとした顔をした気がした。

※今思えば、下半身付随の原因がまず心配で、脊椎損傷や脳の関係で動かない訳じゃない、睡眠薬のせいなら大丈夫だ、と思ったのだろう。


処置室から出て、少し移動された、看護ルーム?常に看護師が見える、何かあればすぐ来てくれる感じだ。


痛くて膀胱が破裂しそうだ!

麻酔とかないのか!


様子見状態になった私、とっくに限界を越えている。


尿を催して5時間近く、普通我慢出来るか?


看護師に訴える

「痛すぎて限界です、何とかして下さい!」


看護師、冷たい目線で

「ならカテーテルを入れましょうか?」


私(心の叫び)

「カ、カテーテルだと…う…く…うっ…」


悩んだ…今すぐにでも…いや…


病院に着いて1時間位した頃、何だか少し尿が出る気がしてきた。看護師を呼ぶ


看護師は慣れた手つきで私に尿瓶をササッとセットする。


力を抜くと、少しずつ出てきた…


最終的に朝の9時位には全部出た。


暫くそのまま横になっていたが、気がつくと足も動くようになっていた。


要は薬の効果が切れたのだ…


はい、診断書を書いたから、これを持ってあなたの主治医の所に行きなさい。


先生「では、お大事に…」


病院のベットを降りると、何も無かったかの様に歩ける。


スタスタと、帰りは普通の人…


「……………」


その日、そのまま診断書を持って主治医の所に行った。













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