第21話 復職支援プログラム

休職して6ヶ月、2回目の産業医面談だ。


この日から面談は産業医ではなく、その部下の人になった。

40代位の女性だ、Eさんとしよう。

まあまあベテランさんみたいだ。


話をしていると、このEさん、私の味方みたいだ、まあ復職させるのが仕事なんだろう、手慣れている。


Eさん

「休職して半年位ね、復職支援プログラムというのがあるけど、どうかしら」


初めて聞いた、かかりつけの病院で行っているらしい。


Eさん

「平均3ヶ月位かな、大体の人はそれを経て復職してるのよ。まあ、気が向いたら検討して下さいね」


「はい…」


例のゲームも飽きていて、だんだん暇になっていた。


復職支援プログラムかぁ…

興味ないけど、一応復職に向けて努力してる所を見せないと、部署移動も何も言えないしなぁ


休職して8ヶ月、3回目の産業医面談。


「復職支援プログラム、受けてみようとおもいます」


Eさん

「本当ですか、そう考えれる位だから、ちょっとは元気になってきたのかな?」


「はい、そうですね…」


その週には病院で説明を受け、見学、そしてプログラムを受講する事になった。


平日、毎日5人位か、同じく復職を目指す人と一緒にプログラムを受講する。


プログラムとはいえ朝8時過ぎに専用の部屋に来て、軽い診察を受ける。

運動の日、病気のメカニズムの講義を受けたりする日、議題に関し皆で議論する日等。


週1回はミーティングだ。

自分の1週間を振り返り、参加者の前で発表する。

毎日の半日は自習で、15時半には終わる。


様はそこを会社と見立て、毎日通勤する練習する、みたいな感じだ。


休職し、復職しようとしてる人が対象だが、正直、ヌルい。

…まあ暇潰しにはいいか。


キツい日は無理して来なくていいらしい。


毎日顔ぶれが違う、10数人は通ってるみたいだ。

しかしこんなのにも毎日来れない人達なんて、

なんて呑気な…

君達、復職どころではないぞ…


いや、私が間違っていた。


本当に来れない人も居るのだ、うつ病だ…










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