第18話 スマホゲーム②

この頃が一番楽しかった。

マイナーゲームとはいえ、コアなファンが支えて配信から2ヶ月目、ゲームとしてもピークだったのかもしれない。


何気に久しぶりに2チャンネルを覗いてみた。


「!!?がーーーん!!?!?」


私の名前(ユーザーネーム)で誹謗中傷だらけだったのである。炎上していた。


事の始まりは「フレンド機能」だ。


私は先にフレンド募集しておきながら、チャットを始めてからはチャット仲間をフレンドにしていた。

つまりはチャットをしない人に対し「フレンド切り」を行っていたのである。

とはいえ、切ったのは5人~10程度なのだが。


多分そのうちの誰かが怒りを覚え、投稿したと思われる。


「俺も切られた」、「やつはクソだ」、「今日も喋ってぜ」、「やつはニートだ」…etc


相当ショックだった…


しかも相手は完全に匿名である。

何人が書いたのかも分からない。

4Gの場合、書き込み毎にほぼIDが変わるからだ。


1対多、言われ無い事まで散々か書かれている


…卑怯だ、匿名で特定の1名を名指しで批判している


2チャンネルを相当恨んだ…


しかも私だけならともかく、チャットで私と仲良くしている人達まで名指しで変人扱いする輩もいた。


やたらと皆の名前に詳しい、ゲームにはハマってるがチャットは見るだけの人の様だ。


本当に悔しかった…暫くチャットは控えよう…


そうすると今度は、

「急に大人しくなりやがった、やつはここを見てるぜ」

「自業自得だな」


…火消しに反撃しようもんなら一斉攻撃を受けるのは明らかだった…


クソ…たかがゲーム…引退しよう…


一気にゲームに覚めた。


そんな日の夜中、2時位だったか、あるテロップが流れた、チャットを見てみるとフレンドの一人が私を呼び掛けてくる


フレンドAさん

「◯◯さん居ますか~」


私「居ますよ~」


フレンドAさん

「気にしないで」

フレンドBさん

「そうだよ」

フレンドCさん

「あんなやつら、馬鹿どもだよ」

フレンドDさん

「また喋ろうぜ」

フレンドAさん

「流すよ」

その会話がログから無くなるまで打ち続けてくれた。

3分間位の出来事だった…


2チャンネル民に見られない様にさっと会話を消してくれたのだ。


急にチャットをしなくなった私を心配してくれていたのだ、2チャンネルの件を皆知っていて…バレぬ様にこんな夜中に…


…泣いた…


次の日位には2チャンネルはもう別の話題になっていた。

「このボスの弱点はなんですか?」

「何~だよ~」

「◯◯武器は何処で手に入りますか?」

「◯◯のダンジョンだよ」


急に質問と回答の会話が増えていた。


今まであれだけ荒れてたのに…


今思うと、これはチャット仲間の自然連携行為だったのかと思う。

私への誹謗中傷を中断させるとともに、過去ログに追いやろうとしてくれたのではと…


「フレンド切り」という火種が無くなった事で私の誹謗中傷も止んだ。


というか、「フレンド切り」がそんなに悪ではない、30人位居るフレンドをいちいち覚えてないし、切られ所で違う人をフレンドにすればいいだけである。


いや、よく考えると、私の強さに原因があったと思われる。

1位、2位の強さのフレンドの場合、強敵の場面で連れていく、もし居なくなれば打撃になる、もしそうであれば、悪い事をした。


そんな事もあったが、ひたすらゲームをする日々。


チャットの回数は少し減った。


ゲーム開始3ヶ月近くなると、もうゲーム内最強だったかもしれない


運営も上手いものだ、その最強クラスの私でも苦戦するコンテンツ(主に強ボス)をいいタイミングで出してくる。


だかそんな強ボスもすぐにクリアし、レアドロップ武器や防具をかき集める。


面白い事に、私に憧れを抱く者も現れる。


ただでさえマイナーなゲーム、毎日20時間もやり続けるやつなんて滅多にいないだろう


結局、オンライン対戦やクラン、ランキング戦等色々楽しめる要素が追加になっていったが、私は8ヶ月位で引退した。

どんどん追加される強ボスが強すぎるのと、倒すのに時間がかかるのが一番の理由だ。


課金は計5万円程したが後悔していない。


今まで一番長時間したゲーム、今でも隠れた名作だと思っている。



おっと、すまない…話が脱線した……


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