第11話 2係

いきなり異動になり、少し噂になったみたいだが、退職まで考えた身分、気にしない。


2係は一言で言えば、プログラマーの世界である。

製造装置のソフトウェアを主に担っていた。

年齢層としては40代が多い、20年戦士達といった所か。


A社内製装置のソフトも当然担当している。


どれが合うか分からないのか、数種類扱っているプログラムソフトを全部インストール。


教材はあるし、インターネットでも情報は手に入るから色々試してみなさい。


最初はやる気満々だった。

もしかしたら居場所が見つかるかもしれない。

プログラマーに賭けてみた。


しかし…やはり甘くは無かった…


全くのど素人、何をしても意味が分からない。

1週間、2週間経ってもいろはの「い」の字も分からない。

図書館から本を借りたり、2係の人に聞いたりしても全くと言っていい程分からない。


2係に異動して3週間位経つ頃には課長も安心してきたんだろう。


「どうだ、進展は?」


私「はい、ありがとうございます「…………………………………」

進展も何もないんだか…まずいなぁ


4週間目に入ると

「君にはこれを担当して貰いたい」

と、あるプログラムを見せられた。


中には数千行に及ぶ文字の羅列が…

…完全にギブアップした。


2係に配属になって1ヶ月弱、再度課長を捕まえて進言した。


「来月末を持って退職します、今までありがとうございました」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る