第7話 悪夢の始まり

D班での仕事初日、引き継ぎで会った事はあるが、話した事はないリーダーのAさん、その2つ年下のBさん、さらに2つ下のCさん。

計4人で製造ラインを止めない様にトラブル対処やメンテナンスを行う。


仕事前にリーダーAさんに話しかける。

「今日から宜しくお願いします」


Aさん

「…」


…無視…


Bさん、Cさんにも挨拶する。

返事が帰ってくる、良かった。


仕事が始まった、全員詰所に居るがリーダーは電話に出て何処かに行ってしまった。


続いてBさん、Cさんも居なくなる。


??

もしかして…


自分のPCで現在のトラブルの情報が書かれたシステムにアクセスする。

装置トラブルや部品交代の対応開始から原因、対応内容、終了日時までインプットするのだが、これが更新されていく。


そうか…ここの班はリーダーの指示は無く、自分で優先度を考えてトラブル対処していくんだな。


よし、私も出来る限り頑張ろう。


次々に上がってくるトラブル情報、私も対応する。


1週間…2週間…対処が分からない時はBさんかCさんに聞く、快くではないが一緒に対応してくれたり、アドバイスをくれたりする。


ありがたい。


リーダーのAさんとはまだほとんど話した事が無い、正直、怖かった。

電話も鳴らない…


食事や休憩時間、

Aさん、Bさん、Cさんは仲良く喋っている。

パチスロやスマホゲームの話題で盛り上がっている。

私はAさんと10歳近く離れている新人で、扱い難いのは分かる。

同じスマホゲームの課金アカウントを購入し、話題に入ろうかとした事もあった。

…お金の無駄だった…


3週間、4週間、相変わらずリーダーは私を無視している。

いや、煙たがっている…


パソコンからトラブル情報を見て対応に行くが分からない事が多い。


ギブアンドテイクが成り立たないからかBさん、Cさんも私を煙たがって来たのか…

避けられる気がしている…


日に日に孤立していく…


D班に配属になって2ヶ月目には3人と溝が出来てしまっているのが分かるが、どうしていいのか分からない…


一例だが、

たまに時間がある時、Bさんのトラブル対処をノート片手に後ろで見させて貰う。

そうすると急に居なくなってしまう。

少し待つが帰って来ない。

何処に行ったんだろう、他のトラブルかなぁ?

探しに行く、フロアが広く、うろうろ、うろうろ…居ない

元居た装置に戻るともうトラブル対処が終わっている…

毎度の事になった、私が居ると作業を止めるのだ、そして煙に巻いてまた再開している。

く…見て学べすらさせてくれないのか…


Aさんなんかはもっと酷い

近くにいるだけで荒々しく物を投げたり、舌打ちしたりする。


平日昼間は少しマシだ、色んな種類の装置があるが、各装置に精通した専門の人が現場にいる場合があるからだ。


夜勤や休日は4人しか居ない…辛い…












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