第6話 班編成変更、意義を唱える

A班に配属されて4ヶ月、入社して7ヶ月目の時に班の人員変更の話がきた。

私の後に入った中途採用社員を交代制のA班に組み込むとの事だった。


分かっていたが、A班は新人教育において適した班であった、上司もよく理解していた。

だから次の新人もA班なのである。


私はB班に配属する旨を伝えられた。

A班での新人教育も終了と言う訳だ。


だが驚いた。B班は全員若い、経験が浅い、リーダーは25歳である。

この25歳の彼とは何度も一緒に仕事をした事があるので分かるが、非常に出来る。人間としても素晴らしく、若くして期待されている逸材である。

しかしそれは努力の賜物である。人より頑張ってしまう人間である。

もちろんそれはいい事である。

だが、仮に私がB班に入った場合、私の多々ある出来ない事までしょい混む事は確実であった。

もちろん彼ならば日々頑張るだろう、私の解決出来ないトラブルも彼が引き受けてくれるだろう。無理をして。

鳴り止まないトラブル発生の連絡が鳴るPHSを片手に、引き継ぎ時に残件を毎日毎日先輩達に頭を下げてお願いして…


数秒で決断した。


「係長、私はC班かD班にして下さい」

「元々弱いB班に私が入った場合、現場が廻らなくなる可能性が高いです」


上司の班編成案に口出しする人はどれだけいるだろうか?

分かっていた、なぜ私をB班配属にしようとしたのか…


C班、D班のリーダー共30歳位で経験10年程、仕事は出来るが、曲者らしい


係長も頭を抱えて悩み込む


係長「本当にそれでいいのか?」


「私なら大丈夫です」


係長「じゃあD班で頑張ってくれ」


私ならD班とも上手く出来る、そう信じていた…


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