第4話  目的

めぐみちゃんの、家である老舗の旅館。

俺は寝る意外は、めぐみちゃん一家の誰かと、

行動を共にしている。


めぐみちゃんが、多いが・・・


武雄は、夜になると、部屋に来ることが多い。

中学生になると、女子に異性として、意識をする。

その事で、訊きたい事があるようだ。


俺に訊いても、参考にならんんが・・・

でも、それもいいだろう。


三食の食事も、お茶の時間も同じ。

その食事は、全てめぐみちゃんの手料理。

腕前は、「努力は認められる」レベルだ。

お風呂も、めぐみちゃんの家のお風呂を使わせてもらってる。


お風呂はさすがに、一緒はまずいが、気を使ってもらっているのが、

逆に申し訳ない。


「なあ、めぐみちゃん」

「何?」

「俺にたのみたい仕事って、何だ?」

「君が、ここに来た本来の目的だよ」

「本来の?」

めぐみちゃんは、笑う。


「君は絵を描きに来たんでしょ?海の絵を」

「なぜわかる?」

「友達だもん」

「そっか・・・」

さすがに、お見通しだ。


「で、どうやって仕事するんだ?」

「家庭教師」

「何の?」

「絵に決まってるじゃない」

「誰を教えるんだ?」

「私」

その言葉に、俺は固まった。


「絵なら、俺よりめぐみちゃんのほうが、上手いだろう?」

「でも、ジャンルが違うからね」

「ジャンル?」

「私は、人物画だけど、君は風景画だから、教えて欲しいんだ」

「でも、それなら俺でなくても・・・」

「君にしか頼めないの?」

「嫌だと言ったら?」

「追い出す」

観念するしかない。


「やらせていただきます」

「素直でよろしい」

めぐみちゃんは、僕の頭を撫でる。


照れくさい・・・


「で、いつから?」

「今から」


こうして、海へと向かった。

お弁当を持って・・・

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