第3話 ありがとう
「私のお友達だから、特別に用意したんだよ」
「感謝してます」
他にもお客さんは、ちらほらいるようだが・・・
それなりに稼ぎがあるのか?
何人か雇われている人がいる。
バイトかな?
「あの人たちは、気にしないでね」
「うん」
「ねえ、友達できた?」
「いない」
「相変わらずだね」
めぐみちゃんは、笑う。
「でも、どうしてみんなは、君の良さがわからないのかな」
「めぐみちゃん一家が、特殊なんだよ」
「化け物みたいにいわないで」
今度は怒る。
でもすぐに、笑顔を見せた。
「お風呂は、大浴場があるけど、他の人と顔を会わせたくないでしょ?」
「うん、でけいれば・・・」
「だから、うちのお風呂を使ってね」
「でも・・・」
「平気だよ。先にお湯をあげるから、希望の時間を言ってね」
「じゃあ、8時ごろ」
「了解、沸かしておくね」
いいのか?
「君に用意したこの部屋は、他の人とは顔を合わせない所にあるから」
「隔離されてるみたいだね」
「いや?」
「いえ、ありがと」
「どういたしまして」
めぐみちゃんは、腰をあげた。
「じゃあ、晩御飯用意するね」
「えっ・・・でも・・・」
「私が作るから、期待してね」
「えっ、でも・・・」
「旅館にいる間、君の世話は、私がするから」
「ただじゃないよね?」
めぐみちゃんは、いたずらっぽく笑う。
「もちろん。君は、その分働いてもらうわ」
やはりね・・・
「あっそうそう」
「どうしたの?めぐみちゃん」
「会えて嬉しかったよ。ありがとう」
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