少女の思い

「初めまして。ミーニャちゃん。」


「は、はいっ!はじめまして!伯爵夫人!」


ミーニャちゃんは、黒茶のふわふわした短髪に緑の目をした綺麗な女の子でした。


ミオンくんの好きな子は、とても可愛いわね!これは、お姉さん、応援したくなるわ!


「将来的に何になりたいか決まってますか?」


「も、もし目指せるのなら、男爵夫人のような孤児院の先生になりたいです!」


男爵夫人は、ミーニャちゃんの亡き母と幼馴染同士で、恩人なんだそうです。


それは、男爵夫人に恩返ししたいということ?なんて健気で、可愛いんでしょうっ!


「まあ!先生に?応援してるわ!頑張って!」


「は、はいっ!ありがとうございますっ!」


はにかんで微笑む嬉しそうなミーニャちゃん、可愛いすぎるわ!と思った奥様は、ニコニコと優しい微笑みを返しました。


すると、今度は、ミーニャちゃん照れ始めて…


どうやら、癒し系美人な奥様の笑顔にびっくりしてしまったようですね。


奥様本人は、ミーニャちゃんの様子に気付いていらっしゃらないようですが。





「…………ということは、この孤児院に、ずっと住むということ、なのかしら?」


「い、いいえっ!家政婦さんになって、世間を知ってから、目指すつもりでいます!わたし、実は、貴族の生まれなんです。なので、あまり世間を知らないんです。」


なんと、ミーニャちゃん、文官をつとめていた男爵のひとり娘なんだそうです。


奥様は閃きました。ミーニャちゃんを我が家の養子に迎えて、旦那様の義妹として………


しかし………いや、そうなりますと、ミオンくんと結婚しにくくなりますね。と諦めました。


「あら、そうなの!?ねえ、ミーニャちゃん!貴女、我が家の侍女見習いにならない?」


「えっ?で、ですが………良いのでしょうか?」


「ええ、もちろん、大丈夫よー?」


特に、貴女のような真面目系しっかり者なら、尚更!侍女になりそうなタイプだわ!


侍女見習いとして仕えて、落ち着いた頃合いに男爵家の侍女になったら、院長先生である男爵夫人を手伝うことが出来るでしょう?


「実は、ミオンくんも来るのよ!庭師見習いになりたいそうよ。貴女も、我が家に来ない?」


「ミオンくんが、伯爵家の庭師見習いに………!わ、わたし、受けますっ!受けさせて下さい!よろしくお願いします!」


あらあら、もしかして、ミーニャちゃん………!


ふふふ。これまた、ますます面白い関係になりそうな予感がしますね。


もし、二人が結ばれたら、我が家に来て下さるお礼も含めて、祝福致しましょう

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