魔物

 この異世界に於いて魔物とは知らずの内にどこかで発生している存在だ。

 これを抑える効果を持つアーティファクトを過去のプレイヤーが手に入れたのだが、同じ効果を持つアーティファクトは、その後サピエ王国内で発見されることは無かった。


魔物と生物の違い。

 魔物は体のどこかに必ず魔石を持っている。

 この魔石はほとんどの場合思考中枢の何処かにある。というよりかは思考中枢、つまりは脳はこの魔石を中心に形成される。

 スライムのような不定形で思考中枢が無いような存在は、身体の中心近くに魔石が存在していることが多い。

 また大型のモンスターになると魔石ではなく魔核と呼ばれるようになる。

 この魔石だが赤紫色である為に、サピエ教に於いては魔物は内なる神が具現がしたものであると考えられている。

 なので魔物の行動はその神が与える試練であると考えられおり、モンスターハンターと呼ばれる、魔物を退治する存在はメニウ教が管理している。

 つまりサピエ王国に於いて、魔物狩りは神職となっており、サピエ王国に於いては教会騎士団が自らの鍛錬に使用している、神聖な行事の一つとなっている。

 この為にサピエ王国内の魔物の被害はメニウ教の教会騎士団によって抑制されているのだ。


 それと魔物の特徴として挙げられるのは、討伐された個体は魔石や魔核とドロップアイテムを残して霧散するという事だ。

 霧散するときは赤紫色の霧のようなものになる。

 大型の魔物になるとこの霧散するときに風が巻き起こる。

 この魔石やドロップアイテムは試練を乗り越えた証と考えられている。

 その為神殿騎士たちはこのドロップアイテムを使用して装備を作成するのがステータスとなっているようで。

 メニウ教の教会騎士団の装いは非常に多岐に渡っている。

 というか、見た目「お前は神職かよ」と、突っ込みたくなるような装備の者もいる。


 ただ魔素(セキヒ)が極端に薄い場所では、システムの影響を受けないために、魔物の身体は霧となって霧散しない。

 勿論ドロップアイテムも落ちないが、死骸を解体すればその素材を入手することは可能。


スライム

 半透明の青色の身体の中心に魔石がある魔物。

 魔素(セキヒ)濃度の低い状態でも発生する為、プレイヤーの森の中にある洞窟内の入り口付近でも見られる魔物。

 だが、プレイヤーの森の中で見られるのは極稀だ。

 その他の地域においては、比較的何処にでも見られる存在で。魔物の中では最も数が多いとされている。


フォレストタイガーファング

 主に森に生息する凶暴な魔物。

 身体的特徴は簡単に説明するとサーベルタイガー。

 体高二m前後の大型の虎型魔獣。

 黄色い体毛と黒い斑模様。

 上あごから延びるキバは三十㎝にもなる。

 四肢に備えられている爪は攻撃よりも木を上り下りする為に進化している。普段爪は格納されている。


「樹齢が高い木の近くを通るときはより一層気を付けないといけない。

 上からフォレストタイガーファングが飛び掛かってくるかもしれないぞ。」

※とあるモンスターハンターが遺した言葉

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