応援コメント

エピローグ ウイルス堂へいらっしゃいませ」への応援コメント

  •  そうですねぇ。

     ウィルスが特定の病気のワクチンを作ってくれれば、コロナとかも防ぐことができますかねぇ。ウィルス対ウィルスかぁ。何か面白そうですね。

    作者からの返信

     @Teturo様、コメントありがとうございます。
     ウイルスvsウイルスという言い方をすると何だか「ゴジラvsキングギドラ」みたいなイメージになりますが、20話のあたりでウイルスベクターの話を少し出したように、ウイルスは使い方次第では平和利用できるのですよね。
     例えば昔から危険なウイルスとして映画や小説でも題材にされてきたエボラウイルス。現在使用されているエボラワクチンの中には「水疱性口内炎ウイルスにエボラウイルスの一部を組み込んだ組換えウイルスワクチン」もあるそうです。水疱性口内炎ウイルスでエボラウイルスをやっつける、という話ですから一種のウイルスvsウイルスですね。

     それこそコロナウイルスでも、新型コロナウイルスになる前の旧型コロナの頃の論文を読むと、「コロナは肺炎を引き起こす」「エイズ患者の最終的な死因に肺炎が多い」ということから、HIV(エイズのウイルス)とコロナの感染部位が重なるのを利用して「HIVの一部を組み込んだコロナウイルスを作って、HIVのワクチンとして使えないだろうか?」みたいな発想もあったようです。これなどもコロナでエイズをやっつける、つまりウイルスvsウイルスの一例なのでしょうが……。
     コロナ自体が危険なウイルスの代名詞の一つみたいになった今では、とても考えられないアイデアでしょうね。


  • 編集済

    烏川 ハル様。
     おはようございます!2020年9月22日開催の自主企画:「いろんな世界への訪問会」主催者の椎葉 透です。この度は企画に参加して頂き、誠にありがとうございました。この世界へ訪問した感想を以下に述べさせて頂きます。

    以下,感想・考察。
     ウイルスとは何か?
    と,考えさせられる作品でした。私は,これまでウイルス関係の学問に触れたことはなく何も知らない状態で読ませていただきました。異世界物の作品にウイルスを題材として組み込む発想は大変面白いと思いました。また,若干ではありますが資格教本のようにも感じられました。

     私はこの作品を読むまで,「ウイルスも生きている生物」と考えておりました。しかし,作中において「ウイルスは生物じゃない」というマドック先生の言葉を読み脳内が大混乱状態になってしまいました。また,生きているということの定義を口論しているシーンではまるで自分がウイルス堂にいて,二人の話を脇で聴いているかのような臨場感に襲われました。気が付くと,作中のお嬢ちゃんだけでなく,私自身も「へー,ほー,うーん……」と唸っていましたねw。

     私が一番理解できたシーンは設計図・遺伝子カプセルというワードが出て来たシーンです。機械の設計図が生き物で言うところの遺伝子となり,その遺伝子情報を積み込んだカプセルのことをウイルスと言うのですね!?(あっていますか💦)

     次にワクチンと免疫についてです。この作品は異世界物のポーションを上手く活用し,目的の効果に関する遺伝子を組み込んだ組換えウイルスを主成分としておりました。このくだりで免疫活動のお話も出てきましたが,このシーンを通じて免疫について少し理解できたような気がします。ワクチンを数回打たなければいけないもの,再度打つのに期間を空けないといけないのもこの免疫が関係してくるということですね!訳あって「自己免疫性疾患」という言葉をよく耳にするのですが,これは自分の細胞を自分で攻撃しているということでしょうか……。いろいろ考えたくなるテーマです。

     最後に……冒険者(フリーター)は大変面白い発想だと思いました。色々な意味で納得できます。

     以上です。長文失礼いたしました。この度は面白い世界を提供して頂き,誠にありがとうございました!後日,「いろんな世界への訪問会Ⅱ」の開催を予定しております。今後も,烏川 ハル様の創った世界に訪問できることを楽しみにしております。

    作者からの返信

     椎葉 透様、ありがとうございます。
     ウイルス学を異世界転生に組み込んだ作品としては、これが2作品目なのですが(1作品目は『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』)、そちらは物語が進むうちに普通の冒険ファンタジー要素が強くなったため、こちらは「ウイルスの話に終始しよう」という決意で書いた作品でした。その意味では『資格教本のよう』と感じていただけるのは、まさに作者の狙い通りということになります。

     ウイルスが生物か無生物か、というのは、ウイルス学の教科書の最初の方に書かれている問題であり、私自身が学生の頃に強く感銘を受けたポイントでした。だからついつい小説の中でも扱いたくなります。
     私は常々「専門用語でしか解説できない専門家は偽物。表面だけでなく深く理解していれば、素人用語でも説明できるはず」と考えているので、『私が一番理解できたシーンは設計図・遺伝子カプセルというワードが出て来たシーン』と言っていただけるのは、本当に嬉しいです!

     ワクチンと免疫に関しても、私は何度か作品にしているテーマです(この作品よりも『俺はウイルスである』『深夜の動物実験 ――ある若手研究者の恐怖体験――』あたりの方が、もっと詳しく書いているかもしれません)。
     しかし今思えば、これらの作品で扱った「ワクチン」の話は、少し古いのですよね。私が研究者だった頃は、ワクチンといえばもっぱら不活化ワクチンや生ワクチン(ウイルスベクターも含む)などでした。他にもあったにせよ、遺伝子そのままの形で投与するRNAワクチンは、実験室レベルにとどまり、人体への投与は認可されていなかったはず。まさかそれが実用化される時代が来ようとは……。
     ただし「一般的な他のウイルスでもRNAワクチンの技術が用いられている」ではなく「特定の一種類のウイルスでのみ緊急措置としてRNAワクチンの技術が用いられている」という段階のうちは、まだ『実用化』ではなく大規模な臨床試験に過ぎないのではないか、とも心配になります。個人的な見解ですけど。

  • 「評価が欲しい方、全部読みます。」イベント主催の高田です。

    お待たせしました。
    評価を投稿しましたので、報告させていただきます。

    改めて見返してみると何だか偉そうな文章に見えるのですが……作品の為になればと一生懸命書きましたので、宜しくお願い致します。

    作者からの返信

     高田丑歩様、ありがとうございます。
     早速、拝見させていただきます。

  • 異世界物でウイルスを題材としている点、大変面白いと感じました。
    他の作品も読みたいですが時間と相談しながらゆっくり読ませていただきます。

    ウイルスについては前になぜか興味を持って調べたことがありましたが、ウイルスにも色々あって自己のRNAから宿主の細胞のDNAへ逆転写するウイルスなんかもあったような覚えがあります。
    そういうの使えたらポーション自体の効果が持続し続けるかもしれない・・・いや、倫理的問題が大きすぎるか。

    ともかく、色々考えられて楽しかったです(小並感)。

    作者からの返信

     めんどうゆっくり様、コメントありがとうございます。

     魔法ファンタジーの世界へ科学技術を組み込むとなると、本当はこの作品よりも、同じくウイルスをテーマにした『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』の方が企画内容に合致するかとか思ったのですが(そちらは作中に「ウイルス学の知識と異世界の魔法を組み合わせることで問題を解決する」というイベントがあり、しかも主人公がそのイベントをクリアしたことが、終盤の魔王との最終決戦にまで影響してくる、という展開なので)、残念ながら他の自主企画に参加中でした。そこで「これも一応は企画テーマに沿うはずだから……。でも『条件に合わないもの』としてキックされるかな?」と、少し心配しながらも、この作品で参加させていただきました。
     それが、早くも読んでいただけるとは! しかも一気に最後まで! とても感謝しております。

     なお上述の『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』。一月になったら枠が空くので、それから参加させていただきたいと考えております(企画内容に「一人一作品」とは書かれていませんが、大丈夫ですよね? もしも「書いてないけど暗黙の了解として、一人一作品まで」ということであれば、そちらの参加は諦めます)

    >自己のRNAから宿主の細胞のDNAへ逆転写するウイルスなんかも

     レトロウイルスの話ですね。それに属するウイルスとして、代表的なのが(誰でも名前を知っていそうなのが)エイズで有名なHIVです。
     今回の作品では一般的なウイルスの方をベクターとして使うだけであり、レトロウイルスは用いませんでしたから、ポーションの効果も一時的となりました。でも確かにレトロウイルスを使ったら、効果は半永久的なものとなるでしょう。
     レトロウイルスについて考えると、私も倫理的な問題は気になるのですが、私たちの現実世界でも既に、レトロウイルスベクターは広く利用されています。それこそ『倫理的問題』を考慮して、確か昔は「せっかくレトロウイルスを使っても、宿主遺伝子への組み込みはさせない」というタイプがあったはずですが、今では「宿主遺伝子への組み込み機能を利用」という方が多いようです(この辺りは私の専門分野ではなかった上に、文献で確認したわけでもないので、申し訳ありませんが、少し曖昧です)。
     また、現実ではなくフィクションに限れば、漫画やアニメで「ウイルスを用いて生体改造」みたいな設定では、レトロウイルスは頻出です。この「宿主遺伝子への組み込み」という概念が便利なので。
     ですから異世界ファンタジーに活かす場合も、大雑把な説明で済ませるならば、レトロウイルスを持ち出した方が、話に説得力が出てくるかもしれません。

  • はじめまして。ウイルスの話興味深く読ませていただきました。
    バクテリア、細菌と同じようなくくりで私も考えていましたが、
    生物とは言い切れない不思議な存在だったのですね。

    あとこれを読んで、罹患したくないから早くインフルの注射にいかなきゃ…と考えていたのですが、今打ったら肝心な年末年始にワクチン抜けちゃってる可能性があるんじゃ?と、少し思い止まっています。

    作者からの返信

     時岡ハナオ様、コメントありがとうございます。
     ウイルスに関して少しでも理解が深まったのであれば、私も作品を書いた甲斐があるというものです。

     第二十三話で記した、それぞれのウイルスの免疫効果の持続期間。
     これは、私自身が研究に携わったわけでもなく、研究論文を読んでデータを確認したわけでもなく、今回の作品を書くにあたり調べた『教科書的な知識』に基づいたもの。それこそ作中の「これは教科書に書いてあった受け売りだが」というセリフは、私の代弁のようなものでした。
     ウイルスによって免疫の効く期間がこれほど違うのには、私自身、驚きました。インフルエンザは、短い方の部類なのですね。それでも『持続期間は数ヶ月』ですから、今接種すれば年末年始も大丈夫なはず。また、大雑把に考えて、半年に一回ずつ予防接種しておけばずっと続く、ということにもなりそうです。そもそもインフルエンザの流行、半年くらいしたら「どのインフルエンザが流行するのか」も変わりそうですしね。
    (インフルエンザの種類が豊富なことに関しては、残念ながら今回の作品では説明できませんでしたが、以前の『俺はウイルスである』の中で、少し仕組みを解説しておきました)