エントリーNo.02
渓流沿いの道の駅は、今日も家族連れで賑わっている。
穏やかな初夏の空は、はっきりとした輪郭のない、雲とも呼べない、わずかな薄雲が日差しを和らげ、暑すぎず、寒すぎず、とても心地が良い。
眼前に流れる渓流は波一つなく、画面中央奥から左手前へと、穏やかな水の流れを運んでいる。
川の手前には、水面からつながるように薄い緑に覆われた河原が広がる。太陽の降り注ぐ河原で、ただ一本の木が木陰を作り、一人の若者に座る場所を提供する。
それと対するように、川向こうは狭い河原のすぐ先が若木に覆われた丘となり、更に奥には山々が覗いている。
画面右手には、赤い壁に覆われた道の駅がある。凸型の建物は横に広くゆったりとした作りで、中央は2階建て両脇は平屋となっている。2階は全面のガラス張りだが、スモークが入った半透明のガラスは、天井の照明以外は、室内の様子をはっきりと見ることはできない。建物中央の1階にはカフェが入っているが、入口横に設置された自動販売機で飲み物を買うことも出来る。
道の駅の前の広場には、パラソルが並んだテーブルがゆったりと並び、家族連れや若者たちが、幸せそうな笑顔を浮かべている。
道の駅の前の広場からは、横幅の広い、レンガ敷きの踊り場とレンガ敷きの階段で、河原に出ることができる。遮るものはなにもない。
今、その階段を一人の幼女が降りている。階段の上からはカメラを手にした母親がシャッターチャンスを狙っている。
踊り場に続く奥の道から、家族連れが歩いてくる。道の奥右手にはビニールハウスがある。
ビニールハウスと道の駅の前の広場とに間には公園があり、まばらに植えられた木と、遊具がおいてある。ベンチもいくつかあるが、座っている人は誰もいない。
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