第53話 本当の災い。その7

「決めた! 明日にせず、簡易に2000字を書いて、この戦いを終わらせる。そうすれば脳みその思考回路を半分に分けなくていい。そうすれば、アナタベの処理速度も上がるというもの。」


「ねえねえ、ペリー。」

「何? ちいちゃん。」

「この物語のストーリーって、なんだったっけ?」

「そうね。私たちの悪戯の性で、眠りについていた徳川15将軍の怨霊が生き返り、私たちが責任を持って、封印するという物語よ。」

「それを末裔の友達、徳川第16代将軍の家々が活躍するという物語よ。」

「その家々を脅していたのが、桜先生と。」

「オチまで完璧だった。惜しい。」

「ウラララ-!」

「10万字で敵を15体も出して倒せというのが無理があったんだ。」

「ピッコロ大魔王を1巻で倒せるか!? ベジータを1巻で倒せるか!? フリーザを1巻で倒せるか!? 結論は、無理だ。今だに全員生きているという、オチ。」

「1巻1話、敵は1体。それぐらいが打倒だということか!?」

「でも、1話1万字くらいで進めないと物語が成立しない。」

「1巻で10話10万字か?」

「10話を細分化? 1話2000字とすると1話の1つの物語を5話で終える。すると1話2000字を5本で10000字と。」

「だが、それで1つの物語は終えても、1人の敵は倒してはいけない、のか?」

「その方が長い話に出来る。延命政策だ。ピッコロ、ベジータ、フリーザの様に何度でも現れて活用できる。」

「だが、それでは編集版が出た時に、全てカットされるぞ。」

「そう言われてみれば、確かに面白くなければ、カットだ。」

「それなら12宮の様に、ゴールド聖闘士ばかりと戦わせた方が、展開としては面白い。」

「まあ、その中でも人気のあるものとないもので序列は付くがセット売りができる。」

「おニャン子クラブ、モーニング娘、AKBといった、一人では何の力も無いが集団なら高く売れるというグループ商法か。」

「その場合は、その人数分の個性を創作する手間がかかる。兵士が疲弊してしまうぞ。どうする?」

「それでも、朝、陽が昇って、口を開けて海を眺めて、夜、陽が沈んだら口を磨いて寝るというような単調な物語に誰が感動するというのか?」

「感動しないな。」

「なぜ感動しないのか、それは普通の人間の生活と同じであり、現実逃避できないからだ。自分が大冒険に出ることができないから、人は冒険物語を好み、人は人を殺すことができないから、人殺しに憧れる。」

「おいおい!? その例えでいいのかよ!?」

「いいんじゃない? 国会議員がロシアと戦争して北方領土を取り戻せっていう時代だし。」

「そんな奴は、コンクリートに固めてロシアに差し出せよ。」

「本当に戦ったら、日本なんて、一瞬で滅ぶぞ。それも分からない奴が国会議員やってるんだから、日本もおしまいだな。」

「ウラララ-!」

「なんか話がそれたら、楓のウラララ-! で場面の変換ができるって、お得だな。」

「そうそう、話が変わっても許される感がある。」

「もう最後だ。登場人物紹介でもしておきましょう。」

「ちいです。竜の使いを召喚できます。きっと名前は変わっても、また登場するでしょう。へっへっへ。」

「竜の使いを召喚できるとか、ほぼ主役のスキルよね。」

「でもどうして機能しなかったのかしら?」

「完成された竜の使いと戦えるだけの悪役が育たなかったのが原因よね。」

「強すぎる主人公と戦える敵役の成長も必要ということね。」

「エクスカリパーとか、剣騎士物語は、ちゃんと敵も描いたわよ。」

「それに比べると徳川15将軍が膨らまなかった。いや、コンテスト3つも重なったのが悪い。全然、思考創作時間が足らない。そうなると既存のヒット作品のパクリに近い構成の作品しかできない。」

「完成しても、読み返したり、修正編集している時間はないものね。」

「で、こうやって言っている間に1500字。」

「2か月か3カ月に1作品の割合で完成させるか?」

「4作と6作。2作20万字の差は大きいな。」

「そのプライドで勉強すれば、医学部にも合格できるぞ。」

「本当にコネなしの創作は、自己満足だ。いつまで続けるのやら。」

「株やビットコインで金持ちになってて良かった。」

「1つは作品を書いて、もう一つは創作ベースにしよう。」

「虚しくなるから、話を切り替えよう。楓よろしく。」

「ウラララ-!」

「ペリーどす。これでも銃を扱う殺し屋です。」

「嘘つき。ただの外国からの留学生だったクセに。」

「話を膨らませないで、もう1800字なんだから。」

「ごめんなさい。」

「楓だよ。完全に卑弥呼になっちゃった。エヘッ。エクスキューズ・ミー。」

「源実朝だ。いったい何話ぶりの登場よ?」

「僕は徳川第16代将軍である! 僕は主役のはずだぞ! どうして、このような雑な扱いを受けなければいけない!」

「はい! 桜先生です! 人の好みや、人の書きたいもの、人の読みたいもの、その時の流行は、今の時代、直ぐに変わってしまうので、スピードは大切です。人は世の中に出たものの中からしか選べない生き物なので、奴隷制度的な選択の余地しかない。結局、最後に登場した、私の勝ちである! キャッハッハ!」

 エンド。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

少年少女剣客隊 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ