第48話 本当の災い。その2

「ねえねえ、ペリー。」

「何? ちい。」

「神の使徒って、なんだろう?」

「神の使徒か、イケメン? 美人じゃない?」

「イケメンや美人が人を食べるの? それもいいわね。」

「いいんかい!?」

「美少年の口から滴り落ちる血。噛むと飛び散る肉片。想像するだけでもモヤモヤするわ。」

「ゾクゾクの間違えだろう。」

「顔を作ってしまうと、主人公を食べた後に、主人公アップルの顔にならないから、チェスの駒のような、騎士の鎧。フルヘイスの兜。」

「フルヘイスの仮面の下は、黒い顔で、大きく口を開けて、人を食う。アップルを食らう。」

「すると、神の使徒は、顔を手に入れる。アップルの顔を。「かお? 顔だ! 顔だわ!? 私の顔だ! これが私の顔なんだ!? 私は手に入れた! 私だけの顔よ! キャッハッハ!」」

「神の使徒には、意志があるのね。」

「神の使徒は、自分に顔ができたことが嬉しかった。」

「深く掘ると、神のおもちゃ? 神に命令されているだけの人生に嫌気がさしていた。」

「ということは、12人の神の使徒には意志がある。」

「12の使徒に、使徒の中でのポジション、性格がある。」

「最強の神の使徒。」

「最弱の神の使徒。」

「教えてやろう! 最弱は、最強になるってことを!」

「モノは言いようね。」


「ウラララ-!」

「あれ!? 約1000字が消えている!?」

「これはどういうこと!?」

「桜先生の登場を忘れるほど集中して書いていたのに!?」

「テレビを見ながら作業していた罰かしら?」

「桜先生の呪いね。」

「気晴らしに、お出かけしよう。書いてた原稿が消えると、すごく疲れるわ!」

「そうね。楓、ウラララ-! よろしく。」

「ウラララ-!」


「神の使徒の人間関係と、最強について考えよう!」

「何事もなかった様にシレっと始めるのね。」

「ウラララ-!」

「簡単な最強にしよう。」

「神や神の使徒は、それぞれ強敵である。しかし、最強は、音痴。ゴムゴムの実見たいな愉快スキルと同じね。」

「どんなに敵が神であろうが、剣の物理攻撃よりも、炎の自然系攻撃よりも、主人公のアップルの音痴の歌声の方が強いというオチ。」

「困ったら歌わせといたらいいのね。」

「ウラララ-!」

「これも雄叫びをあげている楓のおかげね。」

「人を食べるのも楓のおかげ。」

「ウラララ-!」

「楓はアイデアと発想転換の女神ね。さすが我が妹。」

「桜先生!?」

 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。

「楓、よくやった。」

「うん。だって桜お姉ちゃんの妹だもん。」

「ウラララ-!」

「ウラララ-!」

「やかましい!? もうバカ姉妹は帰ってくれ!?」

「それでは、みんな、さようなら。」

「桜先生、さようなら。」

 子供たちは寺子屋から帰って行った。


「次に神の使徒の人間関係ね。」

「やっぱりジュライを最弱にするの?」

「最弱にはしたいようで、したくない。」

「最弱にライバルを作ろうか?」

「それいいわね。最強にいじめられるジュライ。そんなジュライにも神の使徒に友達がいた。6月神無月のジュン。」

「似た様な名前だし、丁度いいわね。」

「ウラララ-!」


「神の命令で世界各地で人間を食べる神の使徒たち。」

「世界の名前、どの神の使徒がどの都市を襲ったか、全て非公開!」

「徹底した情報管理だな。」

「ここで、12の使徒を広げてしまうより、アップルとジュライを中心に描いた方がいいだろう。」

「そうね。ここまでだけど、かなり残酷なストーリーのはずだわ。」

「点が線になりかけている。もうそろそろ、軽く書いた方が問題点や抜けている点があぶりだせていいんじゃない?」

「そうね。冒頭シーン! いってみよう!」

「8時だよ! 全員集合!」

「ウラララ-!」


「いやー!? やめて!? 助けて!? 来るな!? 来るな!? 来ないで!?」

 少女は何者かに襲われそうになっていた。それはセクハラでもレイプでもない。

「私なんか食べても美味しくないわよ!? お腹を壊しても知らないからね!?」

 パクッ。少女は何者かの大きく開いた口に丸飲みにされた。

「真っ暗。あ、そっか。私は食べられたんだ。アッハハハハ。」

 少女は暗い何者かの口の中にいた。

「って、こんな始まり方でいいのか!?」

 いいんです。


「あああああー!?」

「どうしたの?」

「負けない! ウラララ-!」

「うるさい! 黙れ!」

「肝心の作品のタイトルを考えてなかった!?」

「なんですと!?」

「こんなのはどう? ウラララ-! 一族の野望。」

「却下。困ったな。どうしよう?」

「音痴、世界を救う。」

「音痴、神の使徒に食べられる。」

「ウラララ-! は音痴の如く。」

「どれもパッとしないわね。いいアイデアはないの?」

「あなた食べてもいいですか?」

「それだ! 分かりやすい! キラーフレーズだ!」

「略して、あな食べ。ユニ〇ロみたいなものです。アナタベか。」

「アナタベで、特許を出願しよう。」

「無事にタイトルが決まりました。ウラララ-!」


「おまえたち! 僕の出番を忘れるなよ!」

「あ、忘れてた。」

「家々、創作が忙しい時に現れる雑魚キャラ程、災いはないな。」

「次回に続く! ウラララ-!」

「こら! 逃げるな!」

 家々が現れたが、相手にされなかった。 

 つづく。

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