第10話 寝る子は育つ

「ねえねえ、桜先生って何者なのかしら?」

「幽霊って、自分で言っていたけど?」

「桜お姉ちゃんは幽霊だよ。楓を野党から守って死んだんだもの。」

「どこまでが本当の話なのか分からないでござるな。」

「蛍さんも、いきなり現れるし、全身光るし何者かしら?」

「蛍の集合体って、自分で言っていたけど?」

「蛍ちゃんは妖怪だよ。楓が蛍ちゃんの仕えていた、おみつ姫の生まれ変わりなんだって。」

「なんとも禍々しい話でござるな。幽霊だとか、妖怪だとか、桜先生は桜先生であって、蛍さんも蛍さんで、どちらも楓の大切な家族だ。」

「家々にしては、いいことを言うじゃない。」

「ミラクル。奇跡だわ。」

「ありがとう。家々。」

「いや。妖怪や幽霊、邪霊などはいない。なぜなら僕のご先祖様たちが、この江戸を守ってくれているからだ! ワッハッハー!」

 いいえ、この邪霊や妖怪の活発な行動は、家々、あなたのご先祖様が原因です。そして、その原因を作り出したのは、家々たち少年少女剣客隊の徳川の亡き先祖を祀る石碑キックのいたずらが原因である。

「静かに! 席につきなさい!」

 教室に桜先生がやって来た。

「そして、さようなら。」

「先生。」

「なに? ちいさん。」

「本当に勉強シーンは要らないんですか?」

「だって、黒子さんたちが大変になるのよ。」

 勉強シーンがあると黒子達は必死で家々の成績を確保するためにフル活躍することになり、とても黒子達は疲れるのであった。

「桜先生、さようなら。」

 こうして寺子屋の授業は終わった。


「少年少女剣客隊の活動を頑張るぞ!」

「あ、ペットショップがある! 行ってみましょう!」

「カワイイ! ワンちゃん!」

「お主たちは、まだまだ子供でござるな。」

 家々たちは突然現れたペットショップに行くことにした。

「カワイイ!」

「犬たちを見ていくかい?」

「いいんですか? やったー!」

「ワンワン!」

家々たちは犬たちと戯れて遊んでいる。

「私は文屋好立。実は、この犬たちは捨て犬なんだよ。」

「捨て犬?」

「そう、無責任な飼い主が犬を捨てていってしまったのだろう。」

「可哀そう。」

「ワン。」

「ハチ!? あなた、いつの間に!?」

「ワンワン!」

 存在感の無い、ちいのペットのハチ。ハチはライの父親が殺された時に一緒に殺されたので霊体である。よく忘れられる存在である。

「私のご先祖様にも犬将軍と言われる方がいて、我が徳川家が犬に恨まれることなどあり得ないのだ。ワッハッハー!」

 その時、捨て犬のカワイイ一匹の犬が、ペリーの手を噛もうとした。

「ギャア!? なんで!?」

 ズドーン! っと、文屋好立の胸に銃弾が撃ち込まれた。

「キャアアア!? おじさん!?」

「ワンちゃんたちが消えていく!?」

「もしかして、ワンちゃんたちも霊体!?」

「何ということだ!? いったい誰が!?」

 ワンちゃんとペットショップのおじさんは成仏して消えてしまった。


「またつまらぬものを撃ってしまった。」

 教会の鐘台の上で鉄砲を撃ち終えた一人の男がいた。ペリーの父親のザビエル出会った。教会の鐘台は江戸の街が一望できる高台に当たる。

「何があっても娘を傷つける者は許さない。」

そしてザビエルは首からかけているペンダントを開けて、中の写真を見る。ザビエルと赤ん坊のペリー、それと赤ん坊のペリーを笑顔で抱いているペリーの母親が写真に写っている。

「おまえとの約束だ。娘だけは必ず守る。」

 ザビエルにとって、愛娘のペリーを傷つける者は許せないのであった。


「家々。起きろ。家々。」

 その夜。家々の枕元に徳川第二代将軍の徳川秀忠の邪霊が現れた。

「zzz。」

 しかし家々は深い眠りについているので目覚めることはなかった。

「まったく誰に似たんだか? 先祖の顔が見てみたい者だ! あ!? 先祖って私のことか。アハハハハ。」

 これでも邪霊の徳川家の先祖の魂である。

 つづく。

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