第13話 悪者
前回のあらすじ。
ユウヒとわかれて六位の屋敷に潜入すると屋内はボロボロに荒れ果てていた。
いるはずの純血たちはひとりも見つからず警戒しながら探索を進めると、ある部屋から声が聞こえる。
覗くとそこには、仲間の血を吸う純血の姿があった。
飛び込んで食事をする純血を倒したナシロは、吸われていた純血を見る。
まだ息のあるその少女に見覚えがあった、ギュンターと共にいた純血だ。
だが前は見たときの面影は薄く、少女はミイラのように様変わりしていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「君は……」
「誰かわかりませんけど、助けてくれたんですか」
灰が幾層にも重なった部屋で横たわっていたのは、アンネと呼ばれていた純血だった。ナシロが近寄っても少女は警戒した様子を見せない。先ほどナシロが切り伏せた純血の灰が顔にかかり、彼女の眼を塞いでいるようだった。
道具屋の拠点に訪れたときに戦ったマルセルとディアーナという純血を殺した日に、彼女と一度だけ顔を合わせている。あのときは六位も一緒にいたが。
純血たちを殺したナシロとユウヒを、視線で殺せそうなほど憎悪をこめて睨みつけてきた。あの眼は印象的で忘れようもない。
しかし、今のアンネにあのときの面影はない。頬はこけ、骨が浮き立って血の気がない。青白い全身が灰で彩られて死に化粧のようになっていた。
「動けないのか」
「はい。でも無事な人がいてよかった。ほかのみなさん……は、どうなりましたか?」
顔にかかった灰を拭えないほどアンネは憔悴しているのだろう。ナシロを仲間だと勘違いしているアンネは、気遣うように舌を動かして言葉を選ぶ。
自分に顔にかかった灰が何だったのか、きっと彼女は気付いている。それは先ほどまで彼女の血を啜ろうとしていた、彼女の先輩だった純血の遺灰。
自分を助けるためにナシロがなにをしたのか勘付いたアンネは、わざと指摘しないよう言葉を飲み込んで、違う話題を持ち出したのだ。
礼を言うでもなく、かといって否定をすることもない。どんな言葉を飲み込んだのか察するのは簡単だった。
「見てないな。それよりもどうなってる」
「お止めしようとしました……でも、私じゃ無理だった。ギュンター様は今も生き残りがいないか屋敷の中を探しています」
「これを、ギュンター・ゼクストがやったのか……?」
見渡せないほど巨大な屋敷のなかに何人の純血がいたのかは知らない。だが誰もがギュンター、つまりは位階第六位の忠実な部下だったはずだ。
ナシロが屋敷に忍び込んだときから誰の気配はない。数分は歩き回っていたのに見つけたのはアンネと、アンネの血を吸おうとしていた純血の二人だけ。
彼女らの主は屋敷に暮らしている純血のすべてを殺したというのか。
「みんな無事ならいいんですけど……」
「さっき殺されかけておいてそれ言う? ほかにも無事なやつがいても危ないかもしれないよ。それに僕が君を助けたのも、君を横取りしようとしているだけかも」
「はは……、でもみんなが無事なら、やっぱりうれしいじゃないですか」
「――――」
一振りで終わる。先ほど純血を殺した凶器はまだ手に持っている。抵抗のできない純血ひとり、手間ですらない。呼び出したままの白蜘蛛がどうするかと問いかけるようにしてナシロを見上げる。
敵地で場違いにぼんやりと、ナシロは彼女を見つめて思う。
なんでこんなに似てるんだろう、と。
「仲間が大事?」
思えばディアーナたちを殺した日に向けられたあの視線はユウヒの眼によく似ていた。
大事な人を想う姿も、身を削りながら復讐を誓うその姿勢も。
苦境の中でも気丈に振舞う姿も、苦しみを飲み込もうとする姿も。
アンネの足先は、すでに灰なっていた。
吸血鬼の根幹である血がほとんど抜かれてしまったことで、肉体の維持が難しくなっているのだ。これは吸血鬼がもつ異常な再生能力の副作用。それが現れている。
「君の身体はもう限界だ。再生能力が暴走してる」
吸血鬼の肉体は常に進化しようとする性質がある。進化とは肉体の改変だ。
肉体が刻々と変化していくのに何もしなければ無事ではすまない。そのため吸血鬼は高い再生能力を備えている。
再生能力は血液から摂取する栄養で賄われるが、アンネの肉体に血液はほとんど残されていない。
それでも肉体は進化を止めない。進化が止まらなければ、再生も自動で行われる。
残り少ない血液は消費され続け、やがて枯渇して自壊がはじまる。
アンネの足のつま先はすでに灰に置き変わっていた。
「もう君の肉体は自壊をはじめている。血液が決定的に足りてない」
彼女の体内には肉体を維持するだけの血液が残されていない。そうなった純血の終わりは悲惨でしかない。灰化は末端から進行し、やがて全身に巡る。
身体が徐々に崩壊していく感覚に苛(さいな)まれながら終わりを待つことしかできない。
にもかかわらずアンネは血を寄こせというどころか、仲間の――大事なひとの心配をする。
だから気付けば問いかけていた。あの日、雨の夜にそうしたように。
「ねえ、悔しくない?」
「きっと、ギュンター様にもなにか事情があったに違いありません。そうでなければこんな酷いこと、するはずがない。あのお方は優しくて、誰にでも平等に接してくれて、失敗を受け止めてくれる。――あの混血と人間さえいなければ、マルセル様とディアーナ様がいてくだされば、真意を伺うこともできた」
ギュンターを想うアンネは熱を言葉にこめていた。
自分に言い聞かせているように聞こえた。
「ほんとうにそうなのかな?」
「え?」
「どれだけの理由があれば、自分を慕ってくれる仲間を殺す大義名分ができるんだろう。君はいいの?」
「いいに、決まってます! だって、しょうがないです。私じゃどうしようもないことでした」
「マルセルとディアーナという純血を殺したやつらを、どう思う?」
「憎いに決まってます! ご恩があって、私は助けられなかった。見ていることしかできなかった」
「だよね。あのときの君はすれ違いざま、殺意をこめて僕らを睨んだ」
「……貴方、先輩の、誰かですよね? なんであのときのことを知ってるんですか? あの場所には私とギュンター様しかいなかったはずで」
「憎いでしょう? 君の主は、君の大好きな仲間をみんな殺してしまったよ。マルセルとディアーナという純血が死んだとき、仲間が殺された恨みを抱いていたんだよね」
「お前、誰だ……ギュンター様のはずがない。なんであのときのことを知ってる? でもあのとき私とギュンター様しかいなかった。ほかにいたのは…………」
「僕が手を貸すよ、ねえ、どうしたい、純血?」
「お前、あのときのッ」
起き上がろうとしても、アンネにその気力は残されていなかった。
武器を捨て、ナシロはさらに近寄った。
ユウヒとは血を代価にして約束を交わした。だがアンネに血液は残されていない。
それでもナシロは求めた。聖水も聖呪器も用意した道具屋が唯一用意できないといったもの。それを彼女はもっている。
砂漠に落ちる雨水のように甘美な声で、ナシロは彼女に持ちかける。
「
「ありえない、ギュンター様はやりたくて私たちを殺そうとしたわけじゃない。憎いはずがない。仕方なかった」
「なら、ギュンターの顔はどうだった? 君の血を吸うときあいつは悲しそうな顔をしていたのかな?」
「それは……」
「笑ってたんじゃないのかな」
「お、お前たちさえいなければ、マルセル様とディアーナ様が生きておられたらギュンター様がこんなこと、起こす前に止められた! 全部お前たちのせいだ。お前たちが奪っていった」
「違うよ。ギュンターがそういう吸血鬼だっていま、自分自身で認めたじゃないか。止めなければ実行するのだと、僕よりもあいつのことを知っている君が白状してしまった。なにをそんなに否定するの? 殺されそうになってまで仲間の無事を願った君が、なんでギュンターの肩を持つ必要があるのか僕には全然わからない」
一瞬呆けたアンネは、過呼吸気味に息を吸う。
続く言葉が出てこない。気付いてしまったのかもしれない。塞ごうとしていた感情に。
「飴玉、それは切り離したパペットのこと。吸血鬼が命じたときにパペットは持ち主から離れて、所有権が移せるように変化する」
切り離したパペットはちいさな飴玉に似た形状になるらしい。それを飲み込んだものが次の所有者になる。
「見たことのあるやつなんてほとんどいない。当然だ。パペットは僕らにとって誇りそのもの、自分の半身で、切り離すということは身体と魂を断ち切るようなものだから」
パペットを差し出すなんて、誇りも尊厳もなにもかも渡すに等しい行為だ。
命を投げ打つよりも価値がある。
ゆえに数百年を生きる吸血鬼であっても飴玉状のパペットを見たものは多くない。
「わかってて、お前に渡せっていうの」
「君に任せる。強制はしないよ、いつだって強制はしない。君はいったいどうしたい?」
「お前、何なの……ッ」
ほんとに似てると、おかしく思った。
純血にこれほどまで感情を抱いたのは後輩であるウリハをおいて他にない。
だからなるべく誠実に、あの夜のように繰り返す。
「僕はただの――だよ」
# #
「グーテンアーベント!」
曲がってすぐ――六位がそこで待っていた。
反射的に飛びすさるユウヒの腕を、ギュンターは難なく掴み取る。
「い!?」
強制的に止められた全力のバックスッテップが肩に激痛を連れてくる。呻き声に反応した訳ではないだろうが、ギュンターはあっさりとユウヒの腕を手放した。
「失礼、痛めたかな?」
違った、本当に反応したのだ。
何の警戒もなくギュンター身を寄せてくる。
肩にそっと手を乗せて、親が子供にするおまじないに似た仕草で数回撫でると、腕をあげた。
「痛いの痛いの飛んでいけ、だったかな? これで作法はあってるかい?」
「ッッ!」
ユウヒの掌底が容赦なくギュンターの顎に迫った。腕はあげられギュンターの半身は無防備となっている。そこを突き一撃が飛び込んだ。
考えは浅いとしか言いようがない。しかし構わない。
――倒せるなんて思ってない、距離を取れればそれでいい!!
ナシロとは別行動なのが痛かった。ナシロが邪魔者を排除してから二人がかりでギュンターに挑む計画がこれでは成り立たない。
それどころか、人気のない道を進んできたといってもユウヒは一度も気配を感じることはなかった。あったのは誰かの遺灰と空っぽの服が何着か。
まずは逃げなければ。捕まったらナシロが合流する前にすべてが終わってしまう。
彼らは、位階保有者は、万を越える超常の頂点に君臨する存在だ。たった十五人の、さらにギュンターは、その上位に身を置く化物だ。
隙をつけたと思った。完全に男の腕は上げられていた。防ぐ暇など微塵もない。
確かに挙げきっていたはずの男の腕が、ユウヒの掌底を掴んで止める。
上に伸ばされていたはずの腕が、曲がる動作すら見えなかった。
万力のようでいて、しかし捕まれた手には一切の痛みがない。
「いい判断力だね。恐れも無い」
痛みがないのに逃げられない。過不足なく力量を測られてる。
「このッ!」
「お願いだ暴れないでほしい。話がしたいだけなんだ」
捕まれた腕を起点に飛び上がり膝蹴りで胸を狙う。
防がれる。弾かれた。――しかし拘束も解かれた。
ユウヒのポケットに、それは入っていた。
道具屋に渡されたままの、無造作に小さな鞘に収められた短剣。ディアーナという純血を刺し殺した聖呪器を引き抜いた。
「死ね!」
「ん……?」
トスッと。
「―――――」
ギュンターの背後から出てきた誰かがユウヒの腕を掴んだことで、逸れた短剣は壁に突き立った。
ユウヒは自分を影で死角を作り、聖呪器を抜き放った。一息で突き出した。一拍遅れたとは思えないほど完全なる不意打ちだった。
「「おっと危ない」」
声が重なる。
カツコツと、硬質な足音を立てて背後から、新たな男が現れた。
並び立った二人を見てまず思ったのは、自分の目がおかしくなったのではという疑問。
ギュンターの横に、もう一人のギュンター。
同じ姿で同じ声。位階第六位ギュンター・ゼクストがふたり、そこには立っていた。
こぼれんばかりにユウヒの双眸が見開かれる。
なにもいうことができないユウヒを置き去りに、ふたりのギュンターは会話をはじめた。
「聖呪器。あまり高位でもないけれどまさか、ここまで用意してくるとは」
「この執念、さすがと言わざるを得ない。――やはり、あの二人の娘だ」
「あぁっ!
思い出話に花を咲かせるように、ギュンター二人はにこやかに過去を語る。
ユウヒの両親の、味の感想を語っていった。
「父親の血は意外に甘みが強かった。葡萄に似た味だったかな」
「母親は酸味があったね。サクランボに似た味だったかな」
「カネシロ・ユウヒ、君も少し似た香りを持っているね。近しい血縁者は、似た香りを内包している。美味しそうな匂いを辿っていたら、ここに君がいたように」
「「そうそう忘れてはいけない。君の妹の味は――」」
「殺してやる!! 今すぐその腕を放せ!!」
「いいよ」
あっさりとユウヒは拘束から解放される。
トスっと、今度こそ軽やかで間の抜けた音を立てて、聖呪器の黒い刀身がギュンターの胸に沈み込んだ。
ユウヒは止めない。動揺が押し寄せても訓練の成果は発揮された。身体は反射的に動いていた。
体当たりするように体重を短剣に乗せて押し込んだ。
「死にな、さいよ……!」
ふたりのギュンターは変わらずに、笑っていた。
「腕が震えているよ。どうやら君は、良識のある人みたいだね」
そう、練習を重ねても、刺す忌避感を消しきることはできなかった。聖呪器を掴むユウヒの腕は震えていた。胸を刺されたギュンターは手を添える。
なんでもないように動いている。聖呪器から毒が回っているはず。
あのディアーナという純血を刺したとき、すぐに傷口は灰になったのに。
「なんで……っ?」
「聴いたことはないかい? 純血は不死に近く、位階保有者は不死不滅に近い――このくらいの一撃じゃあ、死なないよ」
「せめて教会が保管しているような、オリジナルの聖遺物でも用意しないと」
ユウヒの腕を取り払い、ギュンターは胸に突き立つ聖呪器の柄をその手で握った。
「っ」
息を吐きながらゆっくりと短剣は抜かれていく。傷口からは血と灰がドッとあふれる。刀身に付着した血液が一拍遅れて灰になった。
たったそれだけ。
切れた服の隙間から覗く傷口は塞がり、灰が落ちて刀身が晒される。
何事もなかったかのように見えた。服に付着した少量の灰が――効果などほとんどなかったのだと、現実を突きつけてくる。
「話を聞いてくれる気になったかな? 私も話し相手が欲しいんだ」
「話、相手……?」
唐突な提案に言葉か勝手にこぼれ出た。
頭に浮かぶのはあの憎悪を瞳に宿した、マルセルとディアーナという純血を殺したあとに現れた、少女の姿だった。
「君は育ちがいいね。それもさすがだ。こんな状況でも聞き返してくれるんだから」
「そうだね。しかし、しょうがない。話し相手は誰もいない。配下は食べてしまった」
「――ぇ?」
「君たちの、君のせいでもあるんだよ? 君があまりにも美味しそうだったから。なまじご家族の味を知ってしまっているから、期待が普段よりも大きくなる」
「それに普段だったら止まっていたよ? でも、いつも止めてくれていたマルセルとディアーナはもういない。いないのだからしょうがない」
「お腹がすくのだから、しょうがない」
笑うギュンター二人をみて、ぞっと、怖気が走る。
気持ち悪いと。意味のわからないモノを前にして、なまじ人間の姿と似ているために、ここまで理解が及ばないのだと突きつけられる。
「知っているかな、明確な血の質、というものがあることを」
「明確というには少し語弊があるかもしれないけれどね。個々人によって違うのだから。いわば食の好みのようなもの」
「「私たちにとっての最高質とは、困難を乗り越えた者の血液なんだ」」
「今までたくさんの者たちを啜ってきた」
「あるいは、母親が死に、蘇らせることが出来ると信じた幼い少女の血」
「あるいは、愛した伴侶に先立たれ、再び会えると信じた老人の血」
「あるいは、……そう、あるいは!」
「病弱な娘を助けたい。ただその一心で、表社会で生きていたにも関わらず、一般には知られていない吸血鬼の存在を突き止め、繋がりを生み出し、ついには位階六位、私の元まで辿り着き交渉の席まで用意した者たちの血!」
「そう、君のご家族だ。特にご両親は大変に素晴らしかった!!」
「病弱、余命があろうとも、位階保有者の眷属に転化すれば、末娘の重荷は帳消しになる」
「その願いを胸に、やって来た。いくつもの困難を乗り越えて――まさに、私にとっての、最高質!!」
立て続けに。そして重なって聞こえる仇敵の声。
あまりにも激しく移り変わる状況に圧され眩暈を覚えながら、ユウヒは聞くことしかできなかった。
「誰かを救いたいと願う者。そして困難に直面し、乗り越えようとした者」
「復讐を成さんとし、そして困難に直面し、乗り越えようとした者」
「「さながら! 物語の主人公や、正義のヒーローの血こそが私にとって最も美味で、身を昇華させる糧となる」」
「あぁ、あぁっ。美味しいんだ彼らの、彼女らの血は」
「追い求めていたら、いつの間にか、こんな位階まで得ているほど。死に掛けても、例え死地を潜っても飲み干してしまいたんだ」
恍惚に溺れる表情をして、彼らはうっとりと、どことも知れぬ宙をみつめる。
震えそうになる唇を、必死に噛み締めて堪えた。
この男を前にして、怯えなど一片たりとも見せてなるものか。
ギュンターは小動物に向けるような瞳を、ユウヒに向けた。
ユウヒの頬を掴み、その白手袋に包まれた手を添える。
「唇なんて噛むものじゃない。食べる前に死なれてしまっては困るんだ」
開かれた口に、ハンカチが押し込まれた。
道を失った激情が爆発し、絶叫する
「ッッッッ!!」
「ははっ!」
「何を言っているのか、わからないよ?」
くすくすと、男達は笑う。愛らしい小動物でもみるように。
「そろそろ君のヒーローが、やって来る頃合かな?」
「ヒーローになってくれると、美味しくなって助かるだけれど……あまり期待はできそうにない」
「――――」
暴れていたユウヒはその一瞬、ぽかんと動きを止めた。
馬鹿にしたような怪訝な表情を浮かべたユウヒはペっと、ハンカチを無理やり吐き出しと頬を吊り上げる。
余裕こいて笑っている男たちが言っている事が、あまりにも滑稽で。
「馬鹿言ってんじゃないわよ」
笑いをこらえる。
「何がだい?」
「あいつが、ヒーロー?」
ぼとっと、白い何かが落ちてくる。それはユウヒの頭に、落ちてくる。
「じゃあ何だというんだい?」
「決まってるでしょ、あいつはただの悪者よ」
一番目の子蜘蛛がユウヒの頭に落ちてくる。
瞬間、床が破裂した。
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