第2話 : [ エピローグ ] ─ ( 2 )




「 金銭取引の同意、及び、今後リコピンへの身体的傷害を加えなければはしないとの約束でした。

 しかし、500万円の取引後、 直ぐに吉永リコより警察に伝えられてしまったのです。 ダマされたんですよ!!

 つまり私は、詐欺サギ

 一人なのです。 信じて下さい!!」


 と、日向﨑氏は、苦しいを供述調書に残している。


 捜査官は、後日この供述の裏付けを取る為に、スターライトエキスプレスでの聞き込みを行うが、当日秘密裏に、妹のリコピンと姉の吉永アヤが入れ代わっていた事以外は不審な点は無く、金銭の受け渡しも、客とメイド達の目の前で行われており、日向崎氏が、を使用したイタズラだった事を皆、口々に証言した。


 証拠と成る玩具の、お札も月末に、まとめて回収される店舗用の燃えるゴミとして、ビルの地下で保管されており、捜査資料として押収オオシュウされた。


 程なくして、が吉永リコの殺人容疑者として逮捕された為、日向﨑氏への殺人の嫌疑は解けたが、金銭的脅迫を受け、あたかもの様な供述をし、捜査をさせる意図イトが彼にはあったと見なされ、検察側からの求刑は、よりものとなってしまう。




「 いや本当なんです!! 信じて下さい!!本当に、500 万円を!! 玩具なんて、何かの間違いだ!!」


 日向﨑氏は、必死に検察官に食い下がる。


「吉永リコこと、リコピンのバースデーイベントの当日朝、彼女から金銭要求の手紙が届きました。

 続けて、愕然ガクゼンとしている私に、追い打ちを掛けるの被害報告が、生徒のからあったのです。

 正気を失いかけながらも、何とか踏み止まりましたが、怒りが頂点に達し、指示通りに準備をしておいたを忘れ、出かけようとした為に、危うく、サユリが私をのです。


 ああ … やはり、私に一番従順で献身ケンシン的なサユリ。

 

 可愛い、可愛いサユリ …


 大切なサユリ…


 

 サユ … サ … ……… !?

 

 お前 …


 私に封筒を渡した時…


 

 小指に怪我を …

 

 硝子の破片で切った様な怪我を …


 

 

 サユ … リ…


 



 あの時の犯人は … 」

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