第2話 : 秋葉温梨湯にて ( 4 )




 しかし、彼の執拗な隠ぺい努力にも拘わらず、その後、リコの妊娠の事実を雑誌社にスッパ抜かれると、 そこに加え、テレビので、殺害したはずの彼女が取材を受ける姿を確認するにイタる。


 状況理解が全く彼であったが、同時に強い的衝動が本能を呼び覚ます。それは肝を潰し、驚愕キョウガクしながらも言葉巧みに、リコに連絡を試み、再び犯行へと計画を移す。


 何ですって!? 大胆にも、自分のコンサートに呼び寄せておいて、同じ方法で犯行を …

 でっ? 今度は第三埠頭ダイサンフトウの海に沈めるつもり…!?

 そいつ!!とんでもない悪党ね!!


 怒りの余り、彼女は、お金をに投げ入れる。


「その後の事情聴取から、リコさんは、神社の古井戸から発見されたの?」


 髪を乾かすメイっ子は、硝子ケースに備えられた売り物の、に手を伸ばす。


「ええっ!!それはヒドい… まるで猟奇殺人リョウキサツジンじゃない!!」


 その声の大きさに、脱衣場の女性客が皆、驚いて此方コチラを見る!! そのエリーの絶叫も無理は無い…。




 ユウスケの供述通り古井戸の底から、吉永リコの遺体は発見された。 以下、調査書の内容である。


 捜査官が現場の古井戸の奥へと入り確認すると、底無しと言うのは、あくまでも噂で、実際は迷路の様に入り組んだ、大きな下水道へとツナがっていた。リコは古井戸の底より、約150m程流された場所で発見される。


 だが、その遺体損傷の激しさが問題となる。リコの四肢関節シシカンセツには、強い圧力が掛かった事により、引き裂かれ、胴体に至っては、まるで喰われた様に内臓が全てえぐり取られていた。その異常な凄惨セイサン現場に捜査官、皆が嘔吐オウトを強いられる。


 ユウスケは、この遺体に加えられた執拗な損傷に対し、自身の関与を全面的に否定したが、弁護士側のは、この調査事実を逆手に取り、彼の精神喪失による刑事責任能力の適否を裁判所に請求。それにより、検察側は専門医師の精神鑑定を待つ為、起訴はと成る。


「 ちょっと!!何なの?まさか、このアトの精神鑑定結果次第で、責任による不起訴フキソなんて事態に成ったら、亡くなったリコさんは、いったい誰に殺害された事に成るのよ!!」


 更に憤慨フンガイした彼女は大声で、メイっ子に喰って掛かる。


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