第2話 : パパラッチ ( 2 )

 彼のアユミみが、少女の間合い1.3mに入った。


 彼女が少しウツムく。


「おっと!! いけねぇ!! いけねぇ!!


 ふぅぃぃ…。


 姉さんのに立っちゃぁ、命が幾つあっても足りやしねぇやぁ 」


 彼は、と左後方へと飛び退くと、直ぐさま、勢いで落としてしまったハンチング帽を拾い直し、一度それで首元の冷や汗をヌグい、渦巻く天然パーマの頭上へと再びえる。


「あなた、離れていても、獣臭ケモノクサさは隠せないわね。

 現に、先日、スターライト・エクスプレス、ビルF1での、リコピン囲み取材時、レポーターに化けて、何食わぬ顔をして居たわ」


「姉さんも、お人が悪い!!バレてやんしたかぁ…。


 いえね。 双子で姿、形が同じでも流石にだけは違う。


 そこら辺の能力は姉さんよりか上だと自負しておりやす。


 そこで必要以上に近づいて、確認の為にぐわして頂いたんでさぁ…」


 少女が、たたみ込む。


「で!! いつからなの?

 姉妹の匂いが変わったのに気が付いたのは?」


 問いに答えなければ、首と胴は離ればなれになるぞと、今度は無言のままと車輪が近づく。


「わっ!!分かりやした!!もそっと、もうそっと…離れて頂けやぁしねぇでやんすか? どうにも、がスウスウ冷たくていけねぇや」


 少女が構えを解いたのを確認した処で、彼はフゥと胸をで下ろす。


「アッシも長生きはしてぇんで、正直に、お話しさせて頂きやす。


 あれは、都民の日に、リコさんが、ユウスケのマンションに訪れていやした処を、こっちはスクープ写真に収める算段で、玄関先で待ち構えていやしたが、どうもそれっきりで、いくら待っても、リコさんは出て来やしねぇんでぇ…。


 2 、3日張り込みやしたが、こりゃぁ上手く巻かれちまったのかと観念して、急遽キュウキョで、改めて待ち伏せる作戦に変えたんでさぁ…」

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