第2話 : パパラッチ ( 3 )




 彼は、少女のを警戒して、いつでも四方に飛び退く構えを続けている。


「そこで、吉永家の様子を知りたくて、隣家に住む浪人生、ええっ…と後藤マサキといいやしたかねぇ…?そいつに化けて、回覧板を届ける振りして乗り込んでみたんでやんす。


 あっ!!そうそう!! 余談でやんすがね。


 この後藤マサキて言う奴は、過去にアッシが吉永家で張り込んでいた時、リコさんの下着を自宅二階から竿サオを伸ばして盗んでいる処を偶然見ちまったんでさぁ…。


 いい歳して全く… ケッタイな男でやんすよ。


 まぁ、チョイと話がソれやしたがね」



 鼻先を吉永アヤに向け、クンクンと嗅ぐ。



「これでさぁ!! これ!! アヤさんから漂う香り。 癒やし系の、のいい香りでやんす!!」


 アヤは、それとなく自分の長い黒髪を鼻に当て、確かめてみる。 あぁ… これは、私が就寝前に使用するカモミールオイルの香りだ …。


「回覧板を届けた際には、玄関で妹のリコさんに対応して頂いたでやんすが、どうも、いつもの、の甘い香りがしねぇでやんす」


 今度は、車椅子のが、アヤに向かいスンッと一度、鼻を鳴らし確かめる。


「アッシも、どうにも納得がいかねぇもんですから、後日、宅配業者に再び化けて…


 あぁ… 確かぁ… 箱の中身はの腕時計の様子でしたがね。


 その時は、対応の娘が姉?妹?どちらか判断つかねぇでやんしたが、


!! 』

 

 と驚いていたのを考慮いたしやすと、やはり姉のさんだったと、お察ししやす。


 加えて、やはりの香りがしたんでやんすよ …」

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