第2話 : 届いた脅迫状 ( 1 )




 場面は少しサカノボり本日、只今タダイマより3程前の秋葉児童養護学園の事務室である。


「 くぅぅぅぅ … あの不良娘めぇ …


 を出して来やがった!!


 目的はやはり金かぁぁ … 」


 日向﨑氏は、綺麗にパソコンで打たれた手紙を、両肩を震わせながら、今にも破かん勢いで何度も読み返している。


 朝一番に届いた手紙に切手や宛名アテナも無い事を不信に思ったが、忙しい午前中の指導の影響で昼食の間に開封する事となる。


 すると手紙内容の要約は以下の通りだ。




 まず、一つ目は児童に対する虐待ギャクタイの件。二つ目は、協賛金または、寄付金と称した税金逃れの違法蓄財の件。三つ目は、この二つの案件を警察へと約束する為の金銭的取り引きである。 差出人は、本人であった。


 金額は500万円、事務室にある通常、学園案内と協賛基金の振込用紙を入れる為のA4に、お金を入れ、にし、グルグルと巻き留める事。


 普段は、御主人様からのプレゼントは禁止なのだが、バースデーイベント当日に限り許されている。 その為、本日午後よりスターライト・エクスプレスで開催されるリコピン主催の、そのイベントに、必ず日向﨑氏、自身が持参して、届ける事が指示されている。


 やたらへの指示が細かいが、この際そんな事は言ってられない。あの娘にとって外から見て直ぐ、取り引きの金だと分かる様に、学園の詳細が表記印刷された封筒が都合良かったのだろう。 さすがに、ボランティアの折、雑務を買って出ていて、学園の諸事情に詳しいだけの事はある。


 補足として今後、リコピン側に何かしら、身体的な被害がオヨべば、直ぐに警察へと手紙の内容の件が告発される手はずになっている事と、直接、人々の眼前で日向﨑氏が、バースデーのプレゼントとして手渡しすれば、御主人様からのくまでも″″としてのプレゼントとして、証言者を周りに作る事が出来、彼自身にも現金を渡す際に滅多な事をさせない為であるとするムネを明記されている。


 いちいちカンに障るほどな計画だ …。ただの不良娘じゃない …。 それに、取り引きの際にも、彼女は何も知らないテイで現金を受け取るとの、の押しようだ。


「いい気になるなよぅぅぅ !! 今後、必ず!必ずっ!!痛い目に会わしてやるからなぁぁぁ … 絶対に!!」




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