第1話 : 最上階の罠 ( 2 )




「待つと言っても、中途半端じゃいけねぇ!


 徹底すんだよ!徹底さっ!徹底する事を、


 しなきゃいけねぇ!!」


 だが、同時に多くの気配が、この最上階を支配している。


「でも、待つだけならガキにでも出来る!間


 違っちゃぁいけねぇぜ!


 勝者はナァ、積極的かつ、


 に勝機を造り出すんだ!


 つまり、待ちながら


 


 


 


 を準備するんだよ!!


 そして、何より大切なのは…


 分かるかい?


 お嬢さん… ?」



 ギュッと彼女を見つめる。




「勝利への 希望 を


 創造する事だっ!!!!!!」






 ここで、初めて少女が周りの殺気を把握ハアクする。




「オイオイッ! が長く成ると言うのは、ジジイに成った証拠だ!!」




 クレーン運転席から2人。タンクのカゲより3人。事務所であろうプレハブ小屋の中から5人。 計10人が、さも待ちかねた様子で、一斉イッセイに出て来た。


 これも皆、綺麗な顔立ちの青年である。


「歳をくっちまったこったぁちげいねぇ!!」


 自嘲ジチョウぎみに笑い彼等に答えた。


「あまりにも、お前が遅いからは、もう始めてしまったよ!!」


 と言う彼らは、皆手先に土産ミヤゲをチョコンと引っ掛け運ぶかの様に、ウツムいた作業員の腰ベルトに長い爪を通し来て、ホラヨと投げて寄こした。


「好みによるが、人間の男は、これはいけない

 よ! 肉は固いし、スジっぽい!食えたもんじゃないな!!」


 内臓を、えぐられた亡骸ナキガラの山が出来る。



 そりゃ悪かったとばかりに、担いでいる娘のスカートをヒラリとめくり、柔らかな肉感を確かめながら、獲物を見せつけた。


 豪雨ゴウウの中にあった彼女のスカートはもとより、ピンク色のショーツ奥まで満々と水をタタえたサマは、



 双丘ソウキュウれしミノりの 桃果肉モモカニク


 やわらかに 伝い広がる 若露ワカツユ


 龍角リュウカクシノぐ 不老妙薬。


 山肌の セメ渓谷ケイコク口寄せて


 カグワし泉 独りススれば ……








甘露カンロ甘露カンロ…… 。」








 思わず恍惚コウコツの笑みをもらし、


「この獲物は俺が連れて行く!タップリと可


 愛がった後は、ウマそうな内臓を、


 たらふく頂く了見リョウケンさ!!」







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