第7話

 シスターの前まで行って見上げたとき、これまでのシスターとは様子の違うのに気がつきました。さらに近づいてよく見ると、それはシスターではなく、これまで会いたくてしかたなかったお母さんだったのです。


 マイクは自分の目を疑いました。間違いありません。


 するとそのとき、

「マイク、ごめんね。約束したのに、これまでマイクを迎えに来れなくて……」


 懐かしいお母さんの声でした。


「母さん! 会いたかったよ、ぼく」


 マイクも涙で声になりませんでした。


 久しぶりに対面した親子はしっかりと抱き合いました。マイクの目からは大粒の涙が止めどなく流れ落ちています。うれし涙でした。


 しばらくこれまでの悲しみを忘れるかのように母親の胸の中にいたマイクは、思い出したように母親から離れてそっと後ろを振り返りました。


 しかしこれまで入口のところで見守ってくれていた七人のサンタの姿はすでにありませんでした。


「サンタさん、ありがとう。きっと約束は守るからね」


 と、小さくつぶやくようにいいました。


 窓の外には、きれいな白い雪が踊っていました。 

 

            (完)

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7人のサンタクロース zizi @4787167

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