第6話

 やがて遥か下のほうに小さく街が見えはじめてきました。それがどんどん大きくなってくるのがたまらなく楽しくものでした。


 みんなは街はずれでソリを降ります。人目があるので街の中までソリでゆくことは無理だったからです。


 修道院に近づくにつれ、だんだんマイクの元気がなくなっていきます。無理もありません。それはマイク自身がいちばんよく知っていることです。


 修道院の前まで来ると、マイクは顔を上げてサンタたちの顔を見ました。サンタは黙ったまま、顔だけで修道院の扉を開けて中に入るように伝えました。


 マイクはしぶしぶ扉を開け、礼拝堂の中に入りました。つづくように七人のサンタも中に入ります。祭壇には無数のキャンドルに灯がともり、身が引き締まるような荘厳な空気に包まれました。


 マイクがおそるおそる祭壇のほうを見ると、黒と白の衣装を身にまとったシスターの姿がありました。


 マイクは怒られることを覚悟しました。それでもマイクが足を進められなくてためらっていたとき、後ろにいたサンタが祭壇に近づくようにマイクの背中をそっと押しました。


 それをきっかけにマイクは一歩一歩、足を進めます。胸がドキドキして苦しくなってきました。


 やっと通路の中ほどまで来たとき、シスターが黒衣から手を出すと、マイクを呼び寄せるようにしたのです。

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