テストテストテスト48
「それじゃ放課後は綾人のお屋敷に集合。皆もそれでいい?」
ハテナマークを付けたけれど、ほぼほぼ決定に近しい物言い。
ニパっと明るく笑う《ショタ》の可愛さが光るね。
ウチのクラスではその表情を前に敵う奴は誰もいない。むしろ皆、どこか期待に満ちた笑みを見せていた。
「ま、まさか三年にもなって、《
「フン、気に食わなければ来なくても構わんぞ《
「べ、別に行きたくないと言ったわけじゃない! 邪推はやめ給え!」
「ん、前に《
「仲良くするなどあり得ん/あり得ないっ!」
いや、いつものコミュ障トリオは除いとく。
ツンデレ《王子》様の正直になれないセリフに噛みついた《政治家》。コレに《猫》が冷めた目でチャチャ入れるから。
『《
「アハハ。お屋敷を毎回占拠しているようで気がひけますね」
「前回の勉強会も楽しかったなぁ。僕、住み込みで働いてる《
(お約束ってもなぁ、別に、前回が初めてで、今回は2回目でしかないんだが)
本当は皆、勉強会なんて必要ない。
俺が編入する前の過去2年、勉強会無しでここまでやって来て、ちゃんとそれぞれ好成績を毎度叩き出してきたらしい。
「これも、定期試験で毎度不安を残す山本のおかげだねっ♪」
「それ褒めてない《ショタ》」
正味なところ、そこだ。
来月は12月。定期テストが実施される。
無力無能なポクが異能力関連のカリキュラムでFランどころか
だから、その穴をカバーするために、その他の教科で超高得点を俺に
「山本っ」
「どーなされた《ヒロイン》」
「今回の定期試験は期待していいわ。前回の勉強会で、
(そして、皆が俺に課したノルマがそれら教科全て96点以上……だと? 無理じゃね)
「それに風音も乗り気。望めばいつでも家庭教師するって」
「はぁ? いや、嬉しいけどそこまでして貰うのは悪いぜ?」
「良いんじゃない? 気合は入ってる。とんがり眼鏡かけて、ワイシャツなんて第二ボタンどころか第三ボタンまで開けてブラジャーまで見えてるし、スッゴイ不安だけど……」
話を耳に、ゴクリと唾を飲んでしまう。
「ピンヒール履いて『こういうのは形から入るのが大事ザマス』って言ってたわね。手に鞭を持ってたからきっとスパルタ式で教えてくれる」
「ブラジャー」と言う単語がお味噌だ。
鞭かぁ。撃たれてみたいかも。ヒールかぁ踏まれてもいい。「ザマスザマス」言われながら俺はきっと「女王様もっと……」とか……
「……『女王様もっと』……なんて思ってやしないね?」
「そんなわけないじゃないのよルーリィ」
《ヒロイン》のまばゆい笑顔を前に、お下劣な妄想が逞しくなりかけたところ、ルーリィにけん制されてしまった。
(でも、すっげぇ申し訳ないな)
俺の中で《ヒロイン》のイメージは2タイプ存在する。
超絶美人で頭もよくて明るく、性格が良い。誰からも絶賛人気で、特に男であれば皆好きになっちゃう本格派のヒロイン。
「異能力を発揮出来ない貴方じゃそのあたりは落第かもしれない。でも戦術講義、戦略シミュレーションについては高得点狙っていきなさい」
(こういうときの《ヒロイン》にゃ敵わないねどうも)
憎めないんだ。普段は、本当に俺にも気を使ってくれるいい奴だ。
結論、俺が面倒くさいとも思う勉強会がお約束になったのは、三組皆が俺を助けようとしてくれるから。
(また、助けられちまうか。ただね……)
「一徹、今日は……」
「わぁってるよルーリィ」
だから本格的に申し訳ない。
「悪いねおまいら。ちょっと予定あるのよ。ルーリィとその……買い物にね?」
実はこの勉強会、今日の今日で突然言われた寝耳に水の話。
残念ながらこの場合、すでに入ってる予定を優先するべきだろう。
いきなり言ってきた方が失礼だ……とも言えるが、俺を想って皆が見せてくれた提案に、強くは言うまいよ。
「……どーした《ヒロイン》?」
意を決して皆に話してみた。
残念そうな顔してたけど、「いきなりの話だったし」とか、「なら今日は山本抜きで。明日明後日こそ集まればいい」なんて、すぐに笑って許してくれた。
『か、買い物? る、ルーリィと?』
が、《ヒロイン》だけは別だった。
体をワナワナ震わせ、呆然とした顔。口なんてパクパクさせて俺の顔を覗きこんでいた。
『そんなの私聞いていないわよっ!』
「トーゼンでしょうよ。俺だっていま初めて口にしたんだから」
しかも、いきなし大声張り上げて来やがる。
(あれ? 皆にモテモテ《ヒロイン》の顔が、少しずつ修羅なる《ヒロイン》。略して《修羅イン》に変貌してきたようなぁ。なんか……様子がおかしい)
《修羅イン》の奴、俺とルーリィを交互に見やったと思ったら、
「わ、
そんなこと言うじゃないの。つーか、え? 何ですかそれ。
「……どうして、灯里が反応するんだ。『山本と……行きたい』って……」
爆弾発言ですか?
「い、いいかしらルーリィ?」
「ああ、
ルーリィなら「二人で行くのが筋」とも言うかと思ったが。
「私と灯里と一徹と、三人でショッピングデートを楽しもうか?」
いやまさか、ルーリィがOKするなら俺への確認は必要ない。
(で、デート言わねぇよルーリィそれ。《ヒロイン》もいるんだぞ?)
ただビックリしちゃって……
「なんでだよ山本。どうして俺から……灯里を……」
クラスメイトらのざわめきなんかも、あんま聞こえなかった。
◇
新たな命が生まれいずる。素晴らしい家族に、素晴らしいニューカマーが現れる。
トモカさんだけじゃない。旦那さんからも先日改めて「家族だ」と言って貰えた。メッチャ嬉しい不可避なのだよ。
(せっかくなら家族の一員としてお二人の娘ちゃんからいつか「お兄ちゃん♡」と可愛く言ってもらえるよう、盛大に出迎えしたいじゃない。なぁんて、そう思っていたんだが……)
「どうしたのヤマト。浮かない顔して。体調でも悪いの?」
「あ、いや……」
「悪いなら無理して付いてこなくてもいいの。寧ろ迷惑だわ?」
「迷……惑?」
「私たち三人のデートに、暗い顔は
「あ……ご、ゴメン……」
(こ、この無性にお家帰りたくなる状況ぁぁぁぁっ!?)
「な、なぁルーリィ?」
「うん? 顔を近づける。キスでもしたいのかい?」
「ちょ、真面目に聞いてるのぉっ」
「わ、私も真面目に言ったのだけれど」
とんでも展開に追いついていけないというか。たまらずコショコショヴォイスでルーリィに問いかける。
耳打ちしたいところだが、ルーリィと手を繋いでる関係で、周囲に聞かれないためには顔を近づけるしかない。
「状況が呑み込めない。さっきから《ヒロイン》が口にする『三人のデート』って一体どういうことなのよ? それに……」
「それに?」
「なんでルーリィとは反対側を並んで歩く《ヒロイン》が……俺と手ぇ繋ぐことになってんのよっ!?」
そうなのよ。
しかも、まさかの恋人繋ぎ。
「ん? 嬉しいだろう一徹。自信をもって言おう。灯里は、ちょっとそんじょそこらじゃお目に掛けられない正真正銘の美少女。その手を握っていられる」
左手にルーリィを感じ、右手に《ヒロイン》の柔らかで繊細な手指を感じる。
当たり前だが《ヒロイン》の手を握るなんざ数えるほどもないから、デケェ図体、自分で言うのもなんだがゴン太な指が、握り砕かないか不安になる。
(ソイツぁ……嬉しい……
「って、嬉しく……なさそうだね?」
「……女々しいこと言っていい?」
「言ってごらん」
「なんか、ちょっとショック」
「その心は?」
「シャリエールが相手だったら、絶対にルーリィは俺に触らせようとしないでしょう? 確かに《ヒロイン》は超絶美少女。だけんども、俺に触れさせること許したのかよ」
「フム、もしかして、私が灯里に一徹の事を一部でも明け渡したと思ってるのかい? 何人たりとも君に触れさせることさせなかった私の、一徹への独占欲が薄れた。私が軽視し始めたと?」
「……ズルいってのは判ってる」
(まだ告白すらできてない俺が、そんなこと言うべきじゃない。筋が通らない)
「君は……可愛いね」
「えっ?」
「ま、安心してほしい。幾ら灯里が相手でも、私が君を明け渡すことは絶対にあり得ない。でも、図らずも効果はありそうだ?」
「わ、わけわかめ」
「ヒント。今君が、私に対して感じてる不安」
「やっぱ、わけわかめ……」
「私にとって刀坂ヤマトなどどうでもいいが、君にとって親友なように、私にとっては灯里が親友だから。
「だ・か・ら……わけわかめぇ」
両手に華じゃないか……とは思わない。
「それで、トモカさんの出産は近いんでしょ? ルーリィと山本が出産祝いをトモカさんに送るつもりなら、私にも贈らせてよ」
「オネーサン、わざわざご自身で出張ってくる必要ないでしょうよ。お嬢様と言う立場を活かしてだな、適当に《石楠グループ》従業員に探させて、宅急便かなんかで送っちゃえばいいじゃない?」
「そんなの駄目よ。贈り物はちゃんと自分の脚でお店を回って、自分で見て、定めて見つけなきゃ。血の通わない贈り物は贈り物じゃないのよ? そんなやり方では、想いもこもらない」
って言うか全く嬉しくない。
野郎どもとすれ違う度、「死ねやクソ野郎」と隠しもせずにぶつけられる。
針のムシロの許容もとっくに超えていた。
「ヤマトも付いてきたんだったらちゃんと選びなさいよ?」
「あ……うん……」
(って言うか、《主人公》は一体何考えてやがんのっ)
「『まさかまともな贈り物が見つかりませんでした』なんて言わないでよね? 三人で遊びに、わざわざ志津岡くんだり。電車に揺られて1時間。そこに、なぜか貴女まで付いてきたんだから」
「わ、分かってる。ゴメン」
(『ゴメン』じゃねぇだろ。『ゴ・メ・ン』じゃっ! お前いま、せーだいに間違ってやがる!?)
まったくもって分からんぞ。
《主人公》ラブな《ヒロイン》が、俺にベタベタする理由。
それを前に、同じ男として俺が憧れた《主人公》が、ウジウジしてやがることにイライラが止まらない。
そして自分以外の女の子を、これまで全力排他してきたルーリィが、《ヒロイン》と俺が手を繋ぐことを容認していること。
(なんかおかしい。絶対にオカシイ)
となると急に不安になる。
もしや間違えたのは《主人公》ではなく、俺の方なんじゃないかと。
「一徹、邪念は捨てよう」
「いや、個人的には今の状況をルーリィに捨ててほしくないんだけど」
「気を散じてはいけない。トモカ殿とご主人の第一令嬢。目に入れても痛くないほど可愛いがる。断言する。なら私たちも恥ずかしくない贈り物を準備しなくては」
(いやこれは……気、散じまくる)
「気合を入れよう。これは私たち二人にとって、久しく訪れた共同作業なのだから。見てろよシャリエール、ナルナイ? ここで最高の品を選び抜く。私と一徹の選んだ品が一番だと見せつける」
(アカン、もう今日のところは、流れに身を任せるしかないのかな?)
「そのとき、一徹の隣に立つのに私が一番ふさわしいと思い知ることになる」
(なんでルーリィ、目の中に闘志の炎が宿ってるのよ?)
「一徹」
「はい?」
「買い物で選んだ贈り物が完璧なら、君も手間が省けるよ。他の娘たちと改めて買い物に出なくて構わない」
……この矛盾、おわかりいただけただろうか?
《ヒロイン》に俺の事を明け渡しているルーリィは、しかしてやはり、シャリエール達に俺との接点を持たせたくないらしい。
(俺を、シェアしたいのか? したくないのか? どっちなんだ? あぁ、不安になるんだけど……)
赤ちゃん用品を買いに行く。
ルーリィだけじゃない。シャリエール。ナルナイ・アルシオーネコンビ。リィン・エメロードコンビ。
昨日のうちに、なぜか4度に分け、小隊メンバーと買い物に出る流れになってしまっていった。
「皆で行った方が効率的でよくない?」と、下宿内、食事中に提案してみたのだが、そういうことではないらしい。
ちなみに、俺と紗千香の二人で買い物に行くのは、言語道断だそうです。
◇
「一応、赤ちゃんグッズを目的にきたはずだけれども……こうしていざ、ズラリ並んだ商品棚を前にすると……」
「何を選んだものか悩んじゃうねどうも」
ハイハーイ。役立たず二人が、赤ちゃんグッズ大手スーパー店内を通りますよっと。
「赤ちゃん用で必要なものって思った以上にあるのね? で、何か月から何か月までが必要。それ以降は不要になるものもあるみたいだし」
「なぁ、俺らに必要なのって、一にも二にも、適当に育成本見繕って、その辺のカフェで研究するのが一番なんじゃね?」
はぁい! 役立たず二人。赤ちゃんグッズ大手スーパー。縦横無尽ですよ?
「フフ。灯里も勉強しておくといいんじゃないかな?」
「わ、私は別に……そ、それよりルーリィはどうなわけ?」
「さて……聞きたいかい?」
と、そんなこんなでオロオロしているなか、珍しく、からかいを見せたルーリィ。
反応する《ヒロイン》の耳元に、楽しそうに歪めた口元を近づけて……
「えぇぇぇ! ルーリィの方から襲いた……!」
何を耳打ちされたか定かじゃない。が、衝撃な発言を食らったのか、驚き、のけぞり、《ヒロイン》は顔を真っ赤にさせた。
「教官殿とナルナイ、不安要素は多い。それに私もヒトだ。いよいよ限界が近くなったとして、なおかつ、一徹の初めてが誰かに奪われるくらいなら……ね?」
「山本の……初めて。ねぇルーリィ……その話は……私が、貴女から奪って……」
「大丈夫さ。君は、
「る、ルーリィってクールで落ち付いた大人びた感があるのに、時々凄いものブッコんで来るわよね(汗)」
ルーリィはウインク交じりの人をくった笑顔を《ヒロイン》に見せ、人差し指を口元に当てた。
「何だい一徹。気になるかい? 結構いまのは際どいガールズトークだよ?」
「んがぁっ!? キワドイって!?」
「か、勝手に聞いてんじゃねーわよ。山本の癖にっ!」
その状態で俺に視線を向けるものだから、俺も黙らされてしまって。
ひそひそ話は、そこで終わる。
「さて、正直決めかねる。必需品という面でみればオムツだ。あればあるほど、どれだけあっても新米両親が困ることはない。ただ……」
(お……やぁ?)
赤ちゃんスーパー役立たずな俺と《ヒロイン》を置いて、胸を張ってハキハキするルーリィさんじゃないっすか。
「「それが最高の贈り物かどうかと自問すると微妙で……」
(知識が……ある。なんでぇ?)
「……って、何か勘違いをしているね一徹」
「へ?」
「私が子を産んだような女に見えると?」
「あ、ゴメン。ちょっと現実的だったっつーか。本当を知っているというか……」
みんなが知らない話を知っていたからなのか。はたまた……いやいや、変なことを考えていたつもりはない。
しかし、クツクツ笑われてしまったから、苦笑いしかなかった。
「
「へぇ?」
「とはいえ、私がその知人に出会ったときには赤子は生後二か月。生まれたては知らないが、それでもオムツには悩まされていたよ。そう考えると凄いね?」
「……凄い?」
トリスクトさんは少し関心がちに、手近なオムツ何セット入りかのビニール包装を片手で持ち上げた。
「伸縮性ある紙やビニル材で、すでにオムツの形が出来上がってる。軽くてかさばらない。画期的、そう思うよ?」
「そうか。いまいちわかんねぇ。オムツの宣伝はテレビCMでよくみるもんだが」
「
「それはまた面倒なこって」
「……
「は?」
「いや、
なんかちょっとおかしかった。
一瞬悲し気な目をして、首を振って払しょくしたか。気を取り直したようにクスリと笑って……
(にしてもオムツ一つで、まさか思い出話が出てくるとは思わなかった)
「そういえば刀坂。君には確か、妹御がいたんだったね? 先日の文化祭、物産展で挨拶をさせてもらったけど」
「はっ? 何だそれ。俺知らないんだけど」
「確か4つ違いだと聞いた。それなら妹御が出生時、どのようにいたわられたか覚えてるだろう?」
不意にトリスクトさんは思い出す。
妹がいる兄として、女の子が生まれてくるときの参考にしたいのかもしんない。
「残念だが役立てそうにない。俺には確かに妹がいるけれど、俺が14。アイツが10歳になるまで、会うのも年一回だったんだ」
「なんだ。使えないわねぇ」
「あっ……うぅ……」
「あ……アハハ。ちょっ~っと《ヒロイン》、当たり強くない?」
「そう? こんなものよ」
(絶対に違う!)
明らかに《ヒロイン》が言ったことって嘘だ。
ジト目で《主人公》を睨みつけ、吐き捨てる。
アカンです。
思わざるを得ない。
二人の間に何かがあったのだと。
「それはそうと、これはどう? オムツ定期便」
「契約期間中に赤ちゃんに必要と思われる数のオムツを一定期間で宅配してくれるようだね。買いに行く面倒もない、良いんじゃないかい?」
「お、俺もいいと思う。でもそれは贈り物としてあまりに面白みがないんじゃないか? 華というか、記憶というか……」
「良い。貴方には聞いてないから水を差さないでヤマト」
「……ゴメン……」
(ヤバい。バイやぁ……やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ)
ちょ、ガチでヤバい展開かもしれない。
これ恐らく、俺のポリシーが崩壊しちゃう奴。年初三縞総合病院で目を覚ました俺は「今度こそ、第二の人生を精一杯生きてやる」と心に誓ったのだよ。
幸か不幸か俺は、刀坂ヤマトが主人公であり中心人物として織りなす、ラブコメありな
物語には主人公とヒロインが中核を成すってのが当たり前の話で、そのヒロインが石楠灯里。
(主人公とヒロインの関係が破綻っ!? カレシカノジョとして付き合うこともなくっ!? それってそれってぇ……)
どちらか一方がいない物語。それは……物語足りうるのだろうか。
(俺の第二の人生、終っちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?)
別に俺が死ぬわけではない……が、生きる場所、居場所と言うのも重要に違いないっしょ?
「何かしようと思っているのかい一徹?」
「え?」
「これは……灯里と刀坂
(出・来・ま・し・ぇ・ん!)
だから大問題なのですよルーリィさん。
これがね、何処かの不届き門が危害加える……とか、それで主人公かヒロインどちらかの生命が失われ、残された物に消えない心の傷が出来てしまうとか。
それでのちにまともに生活できるわけがない……と言う話なら、俺が、全力全霊で、どんな手を使ってでも何とかしたいと出張ろうものだ。
(ホレた腫れたの話に、外野が出張るって、それはもう……)
「無粋……だよ?」
「ハイ、スミマセン」
こんなしょげちゃうゴメンナサイをルーリィにしたのも、初めてや。
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