テストテストテスト36

「や……やま……いる?」

「……おう、《ヒロイン》。俺はここにいるよ?」

「よかっ……もう……ね……目……見エ……いの」

「そっ……かぁ?」

「ア……タ、大……丈」

「大丈夫さ。《ヒロイン》が、俺を守ってくれた」


 消えかけた瞳の光。もはや視力すら奪ったってのか。

 あの、元気ハツラツな《ヒロイン》が虫の息。それが俺と蓮静院王子を守るためだったからって思うと、やるせない。


「何……あった……n?」


(声も……絞り出せなくなったかよ)


 ゴクリと唾を飲み込んでしまう。

 無我夢中で抵抗したおかげで、周りは黙って様子を見てる。少しだけ状況として考える間が与えられたということだ。

 だが時間はない。いたずらに過ごせば、《ヒロイン》が死んじまう。

 

「なぁ……《ヒロイン》? 選択肢は二つに一つ。いい、喋るな」


 一つだけワンちゃんが目の前にある。

 今この時だけ、先ほどのカフェとは違う。俺が捉えられていない状態なら取れる手があった。


「お前が、『そんなこと出来るわけないわよ』って言うだろうことはわかってる」


 寒さ防止用の、体にピッタリ張り付くタイプの黒いアンダーシャツの右手首裾を手首から肘までめくりあげる。


「このまま形勢逆転の目もなく、俺たち三人ここで死ぬか。俺の血をお前が飲むかだ・・・・・・・・・・・

「駄……メ……」

「お前、こんな時まで俺を毛嫌いしないで頂戴よ。流石に萎える」


 四肢をもがれ、うつぶせになった《ヒロイン》を、細い首に腕回し抱き起こす。


「バ……か……ルー……」

「それがルーリィを裏切ること・・・・・・・・・・だってわかってる。お前が裏切るんじゃない。俺が許可した。俺がルーリィを裏切るんだ・・・・・・・・・・・・


 仰向けにさせるために、切断部位と床がこすれてどれだけ痛いだろうとか、首だけを支えたことで折ってしまわないかとかいろいろ不安になった。


「いつもアイツの心の強さに助けられてばかりさ。いくら強いからって無限に甘えちゃならないって言うのはわかってる。でも……俺だけが傷つけることが許されている・・・・・・・・・・・・・・・・・

「で……も……」

「しかしも案山子もねぇ。ホラ、かぶり付け。思いっきりいけ」

「止め……口に……入……ハモ……」


(噛む力すら失ったか)


 血が喉に通るどころか、口を湿らせてやれるかどうかも怪しい。

 手の甲を自分の口に近づける。先ほど幾本か前歯も折れてしまっていたが、残った物を重ね合わせる。

 

「……ツゥッ!」


 自らの歯で皮膚と肉を浅く嚙み切る。

 認めた。《ヒロイン》の筋の通った鼻が、ピクリと反応したのを。


『ちょっと待て! まさかっ!?』


ー吸血行為は吸精行為と同等。つまりー


 不意に思い出されたのは一昨日、ネービスから聞いた言葉。


(つまり吸血行為は……だから、これから俺はっ……)


『血を飲ませる気かっ!? あのガキを止めろ! なんとしてでも吸血させ……』


「……悪ぃな。刀坂」


 プツっと雫が手の甲に。

 一滴しか出なかったが、俺のすることに気づいた奴らが飛び掛かってくる以上待つことはできなかった。

 手の甲を《ヒロイン》口元に。ハァという熱い吐息。そして……


(ヒロインと……血行為クスする……)


 唇に押し当てた手の甲を……舐め挙げられるヌルッとした感覚。


「グゥッ!?」


 実際に血を吸われる感覚がいかほどのものか。押して知るべしか。


(こ、コイツぁっ……)


 吸血の入り口は立った一滴だったはずなのに。とんでもない。体中の力が右手の甲に集まる感覚。そしてそれは……体外に放出されるような。


「んっ♡ んふぅっ♡ フハぁッツ♡」


 口に押し当て3秒もない。

 絶え絶えだった息が、急に荒くなったかのような。


「邪魔を……するなっ!」

「ハハ……スッゲ……視覚が戻ったか!?」


 飛び掛かってきた人数は十名以上……首だけ回し一睨み。

 蛇に睨まれた蛙とはきっとこう言うことを言う。たった一言で、それ以上近寄ることを気当たりだけで防いだのだから。


「ンぁ……ガジュッ!」

「んぎぃっ!」


 渇き切った大地に水が一気に染み込むかのように。そして久しく口にしてこなかった血は、《ヒロイン》の食欲を大きく刺激した。

 押し当てた俺の手の甲から口を離すと、思いっきり口を開ける。右手に……かぶりついた……


「ゴクッ……ん♡ ング……ハァ……もっと♡」


 喉を大きく鳴らすたびに、体の力が小さい単位だがまとめて持ってかれる感覚。


(いい……)


 だが……


(これで……いい……)


 吸われてなお、2種類の快楽が俺を突き抜けた

 まずは一つ。単純に、肉体的快楽がこれまで感じたことないほどに強いこと。俺を知り尽くす右手相棒でもここまで導いたことはない。


(これか……)


 二つ目……


(これが妖魔にとっての吸血効果か!)


 一つ喉が鳴るたびに、切断され、肉も骨も現れていた部分が、まずは筋繊維から再生した。

 人間ではあり得ないことだが、これが妖魔の生命力なのだろうか。


「もっと♡……もっと飲ませて……♡」


 いつの間にか生え切った両腕。筋繊維が集結しただけじゃない。白磁のような白く透き通る肌も戻っていた。

 そして……


「頂戴♡ 貴方の血……」

「ま、まだまだ……」


 セリフを口にするためかぶり着いた手の甲から離れた《ヒロイン》は、俺の首に腕を回す。


(これが……妖魔の膂力っ)


「ん、気持ちっ!♡ 気持ちイっ……ヤマモ……♡」


 何となく……「来る」と直感した。

 両足が無い状態で首に腕を回される。俺の首によって宙ぶらりんになった状態で、《ヒロイン》は俺の首筋を下からソロ~と舐め挙げ……。


「ガハッ!?」


 ジュルリとすする音と、首筋を舌が蠢く快楽と、恐らく《ヒロイン》が牙を突き抜けたところから血液体液が無理やり引っこ抜かれる感覚。


よろこんじゃ駄目……なんだよな)


 血を呑まれている?

 違う。ネービスのあの時の言葉に沿うなら……


刀坂ヤマト親友から石楠灯里をNTR寝取り、俺はルーリィの手から・・・・・・・・NTR寝取られているってこった)


「もっとだ。もっと……寄越せ・・・


 もう、虫の息、目が見えないという心配もないらしい。

 ここからは多分、命を繋ぐ為じゃない。単純に、楽しみから吸われる。


(脚が……戻った……)


 獲物を逃すことの無いよう。脚も元に戻り、俺の胴体に巻き付いていた。

 首に巻き付く力も強くなる。飲みやすいようにと、力を加え、俺の頭を少し横向きにして固定する。


「い……嫌だ……飲ませろ! イヤ……全てを明け渡せっ!」

「……忙しい奴だねどうも」

「山……本……殺……して?」

「おいおい。ここまで来てそれはないんじゃない?」


 本当に忙しい奴だと思う。


「ヒグッ……ヒッ!」


 吸血食事を楽しみ、生気を奪うことセックスを楽しんでいる《ヒロイン》は何度俺の首に口吸いキスしながら、嗚咽を上げていた。


「こんな醜い私……見せたくない」

「別にブサイクブチャなんて言ってないじゃない」

「お願い殺して。逃げて……このままじゃ私……貴方を……殺しちゃ……」


 吸精鬼本能と、石楠灯里女の子としての理性がせめぎ合っている。

 

「お願いっ! 逃げっ……!」


 そしてこの場ではきっと、何とか俺を解放し、強く突き飛ばしたのが俺の知る《ヒロイン》としての最後だったのだろう。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! アヒャハハハイヒホヒヒホホイホヒホホ!」


 本能に……支配された。《ヒロイン》の意識が残っていれば、こんな恥ずかしさ極まる常軌逸した笑い声など。


「コッ……テリドロドロォッ! いい! いいぞ貴様っ♡!? なんて生命力に満ち満ちたっ!?」

「……あぁ、安心しろよ。《ヒロイン?》」


 俺も男だ。そしてこの状況に絶句し、固まった者たちを置いていき、狂笑に頭を手で抱える魅力的すぎる妖魔に、心が奪われる一歩手前だ。


「もっと飲ませろぉっ!? 上の口からではまだ足りないっ!? 血だけではっ!」


 ああ、石楠朱里だったモノ墜ちたヒロインはもう、本当に《ヒロイン》ではない。


「桃源郷を見せてやるっ! 好きだろう? オスゥ」


 完全に戻った両手足。1、2メートル俺から距離をとった状態で腰をくねらせる。

 プチ……プチと、制服のジャケットついで中のワイシャツのボタンを一つずつ外してく。


「おう、そういうの……嫌いじゃないぜ?」


 あらわになった上半身。残っていたブラジャーについても、恥じらいなく、しかし嫌らしく外していった。

 人間の姿でも絶賛大美少女。淫魔サキュバス時の容姿の良さなど言わずもがな。


「お前の精液体液。命ぃっ!?」


 スカートも留め金が外れてズレ落ち、最後下の下着まで。


「しゃぶらせろ! 飲ませろ! 吸わせろ! ねぶらせろっ!」


 錯乱極まる状態で、すべてが……露わになる。まさしく垂涎すいぜんものだよ此畜生。


「今度はっ……下のク……」

「でも……ね?」


 どちらの脚も、まだパンティから足抜け出来ていない状態。

 一瞬のうちに間合いを詰めたことに、機動力面で反応が出来ていない。

 それが、好機だった。


「今のお前じゃ揺れないよ・・・・・・

「あれ?」

「ワリィな。淫魔サキュバス


 《ヒロイン》の意識が消えたばかりだったから間に合ったのか。もし完全に妖魔体に戻って時間が経ったなら、通用しなかったか。

 首筋に手刀を一つ。倒れてくれたなら、重畳。


「……さ……てぇ?」


 意識を奪った《ヒロイン》が変な倒れ方をしないように、彼女の身を抱き、ゆっくりと床に寝かせる。

 まだ、終わりじゃない。

 と言うか、俺の戦いはこれからだ。


「……言ったよなぁ。一人残らず……殺してやると」


 なんか不思議な感覚だ。

 物凄い量の血を吸われていたってのに、《ヒロイン》寝かして立ちあがった時には体内の血が元の量に戻っているような変な自信がある。

 ……でも血を吸われたのは良かったかもしれない。血を吸われるとともに、黒い感情まで抜き取られたような心地。

 今ならそう、平静フラットな状態で、クラスメイト二人を除いた全員……れる。 



「おっとぉ?」

「何? 貴女も感じたの?」

「たわけ、あ奴の所有権はまず妾にありじゃ」


 桐京はとある繁華街。ホストクラブのVIP席に二人の人影。テーブルには高級酒ボトルが何本も立っていた。


「所有アクセス権を妾に対して挑戦するとはの?」

「あー嫌な予感しかしない」

「わざとらしい。実は主も楽しんどるじゃろカラビエリ?」

「でも、面倒くさいの事実ですからね? ヴァラシスィ様?」


 折角VIP席にいるのに、ホストは一人もいない。

 店の黒服をとっかえひっかえしながら、高級酒をバンバン「黒服たちの成績にしてやれ」と言いながら注文していく。

 黒服の従業員が「ホストキャストに面目が立たない」と宣って頭を抱えているが、それを見るのが二人のこの店での楽しみ方だった。


「面倒くさい時はガンガン飲むに限る! ミツグ君F! 次はこの200万ボトルぢゃっ♡」

「……ハイ」


 お会計はもちろん、洗脳された金持ち男である。


「そんなに頼んで。酔わないくせに」

「語弊がある。酒に潰れることがないだけで酔える。幾ら飲んでも酔わないとか、そりゃ酒の楽しみ方を知らん下戸の憧れじゃ」


 一徹の状況を知りもしないで、全てを知ってる二人は、新たに到着してきた酒を注ぎ、グラスを鳴らし合った。



「そうか。確かそうだったな。久我舘隆蓮の時も、こんな風にったような……」


 「殺す」と宣言した。ゆっくり命を奪うとはいえ、いつまでも無手でやるわけには行かない。

 こんなこと言いたかないが、おあつらえ向きに拷問用の道具がそろっていた。

 片手斧。そして……レンチ(ネジを締めたり引き抜いたりする工具)。大ぶりのナイフなんかにも惹かれたが、ソレではいけない。


『何やっとるん!? さっさと殺し!』 

『無力無能にいつまで時間を……』

『あぎぃっ!?』


 簡単に殺してしまえるから・・・・・・・・・・・


「確かにいいね。あえて殺さないって言うのも」


 まずは斧頭を人体急所以外の適当な箇所に突き埋める。するとどうだ?

 痛みに、敵さんは動きを止める。その凍結した一瞬に、ドタマをレンチで思いっきり殴りつけると……


「おっ? アンタカッコいい穴が頬っぺたにできたじゃないか。口明けなくてもソコから料理は言っちゃうパティ~ン?」

『ヒィィィィッ!?』


 一撃で死なない武器っていいよね。思いっきりってもまだ死なないから。


「おイ、如何したの兄さん、姉さん? さっきから顔色が真っ青だが?」


 拷問に快楽を見い出だした女や、先ほど俺をテーブルに叩きつけた、女の上役っぽい男がいい表情を醸していた。

 俺を殺そうと仲間をけしかける。俺は奴らの目の前で、けしかけたはずの仲間が目も当てられない状態にされているのを見せつける。

 始め良かった威勢は……少しずつ静まっていく。

 

(もっとだ……もっと……)


 怒りに染まっていた顔からも血の気が失せたような。


(まだ……足りない……)


 ギャインッ!? 片手斧とレンチを強くこすり合わせる。


『『ッツゥ!?』』


 見開かれた瞳の中、眼球は小刻みに揺れている。それがまた面白い。


『なんでや……なんでっ……術式開放が見抜かれとる』


(にしても、都合のいいこともあるもんだねどうも。なんか知らない名を口ずさんじまったかと思ったが、途端に拘束具が消失したとか・・・・・・。それに……)


『逝ねやっ! 小僧っ!』

「お前、俺の盾になれ」

『あがぁぁぁぁあぁっ!?』


(異能力の弾道が……見える。射出場面も。と言うか……遠距離異能力弾そのものが見える)


 こんなこと初めてだった。

 

『射線に入るな! 味方に当ててどないする!』

『違うっ! あのゴミが仲間を盾代わりに使って!?』

『あり得へん! この下等種が! 遠距離術式をなんで見切れとる!』


 学院にいて対人訓練をするとき、俺にはどうあがいても手も足も出ないものがあった。

 異能力者は《アンインバイテッド》の外殻を貫くために得物に力を通す物とは違う。異能力をエネルギー弾に変えて、敵に射出する。

 残念ながら異能力がない物にはこれまで視覚的に認めることはできなかった。なのに、放たれたエネルギー弾からのダメージだけはしっかり受けるという。

 結果、距離をとられてフルボッコなんて、三縞校生からしちゃ俺をイジメるための常とう手段といって良い。


『あ……アホな……なんでたった一人が殺れんの? こっちは6,70人掛かりで……』

「……足りねぇよ」

『冗談キツイえっ!?』

 

(そしてこれは、冗談でも何でもねぇ)


『全員、同じタイミングで一気に攻めぇ!?』

『『『『『おぉォォォォォォッ!?』』』』』


 同じタイミングで俺を中心として多面的に一挙に攻める。


(悪くない策だ。一方向に気を取られ、別方向からくる攻撃に備えることはできない。同じタイミングで360度から差し込まれた攻撃を防ぐことだって不可能……

 

「あぁ、悪いがそちらさんの策に乗るつもりは……ないっ」


(同じ場所に立ち尽くしていたならの話だ)


 ならば自分から何処か一方向に向かい突っ走ってしまえばいい。


『ギィィィィィィ! ズネェェェェ! 骨ぇぇぇ! 見えてぇぇぇぇ!?』


 四方から見て同じ距離にターゲットがいるから、同じタイミングで攻撃が集まる。

 例えば北方向から迫る的に向かい走るとする。その時点で、他の東西南から迫る者たちと俺との距離は必然的に離れる。

 となるとあとからやってくる連中が俺と切り結ぶタイミングがずれる。


(なら戦いは多対一じゃない。単純に、一対一が連続するってだけ)


 多方面から迫る敵一人にあたりを付ける。正面衝突宜しく突っ走る。

 ゼロ距離一歩手前で身を沈めてスライディング。床を滑りながら敵とすれ違うさなかに、レンチを脛に思いっきり叩きつける。


(……謹慎ツトメに入る前まで、俺が毎日、何日舎弟全員との対人戦百人組み手をやって来たと思っていやがる)


「ククッ! 随分とまぁ……痛そうじゃないかぁ!」


 立ち上がる。ギャインッと再び両手の得物をこすり合わせる。


「さぁ、次死にてぇ奴ぁ……どいつだ?」


一度じゃない。何度も……何度も……


『なんやアレ! あんなのがおるなんて聞いてへん!』


 ギャインッ! ギャインッ! と、回数を重ねるほどに……


『一対一じゃ歯が立たん!』

『せやかて混戦じゃ仲間を盾にされる! 友軍の攻撃でさっきから何人盾にされた!』

『一斉襲撃もさせてもらえん! ズルズルと一対一タイイチに誘導される!?』

『オイ、何たじろいどるんや! 早よいき!』

『姉さんが! 一番動いてませんやん!』

『に、兄さんっ!?』

『ち、力も使わんと……こんな……こんなことが……たかが下等種……』


 わかる。敵の恐怖が高まっていくのを。

 耐えられず、感情が言葉に乗って口から漏れ出てしまうのを。


「なぁ……誰も来ないのかあ・・・・・・・・?」


血塗れのレンチと斧痛そうな形で……痛そうな音で……)


 ギャインッ! ギャインッ! ギャインッ!


 心なしか、向かってきた敵さんたちも躊躇するようになって、距離をとろうとするやつが増えたような……


「誰も来ないというならぁ……そろそろ……俺から行こうかぁ?」 


 ギャインッ! ギャインッ! ギャインッ! ギャインッ! 


「ひはははははっひゃはhhyはhyっひゃあ;hrをえひfはいせるtふぁお;drhくぃぺqbひえfは;えwfhk。dヴぃえwfんかdんfり、lhくぇlぐいppg@お:d!!」

『『『『『『ウツッゥ』』』』』』


 少し、オーバーに張っちゃけて見るのはどうだろうか?

 聞くだけで身の毛のよだつような狂笑とか。

 さすればもっと、俺を怖がってくれるだろうか? 俺に向かって恐怖する顔を向けてくれるだろうか?


(あぁ、俺に……お前たちの怯えた顔を見せてくれ)


 ……アレ?


(もっと恐れろ。もっと見たい。もっとだ。もっと……もっと……)


 コレ、自分でも演技である気がしてこない・・・・・・・・・・・・・・・・

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