29.涙
止め処もなく溢れる何かは涙だった
この先の別れを察して溢れてきたものだった
(悲しいのは死んだときだけじゃない・・・)
一事一情の掟を破ってこれでもかと溢れた涙
その涙が出会ったあの頃へと流れることはない
想いなら今昔の狭間を何度でも行き来できるだろう
もう出会うことのない別れの先にすら行けるだろう
肩が震えたのは自然に
声が途切れるようになったのは段段と
すべてを涙の所為にするわけにはいかなかった
それでも何かの所為にしないではいられなかった
叶うなら別れることのない未来へと進もう・・・
いま流れる涙を拭いもせずにそんなことを思った
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