27.自殺未遂

十分な殺意を持って自分を殺すことだけを考える


その為に向けた自分への殺意はひた隠しにし

けれど自然と浮き彫りになってきた殺気に背筋を凍らせる


後ろ手に隠している鋭利な何かをまだ見せる訳にはいかず

かと言って見せまいとして見せずにいられるものでもなく・・・


自分を殺すからこれは自殺

割には合わずとも自分を殺す価値はあるのだ


殺しても殺し足りない程の憎悪の塊が自分

なり果てた姿は掌で顔を覆うことでやっと息ができる存在――


不十分な殺意が仇となり自らを生かすことになってしまった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る