選び抜いた言葉を幾ら慎重に発しても後悔することがあるのなら
選び抜いた言葉を幾ら慎重に発しても後悔することがあるのなら
抱いた想いをそのまま言葉にして伝えることは容易ではないだろう
しかしだからこそ伝える価値のある言葉があるのではないかと思えてならない
容易ではない上にもっと言えば至難の業で現にいま困難は極まっており
抱いた想いをなんとか言葉にしようとしても中中上手く行かず
想いを噛み砕き破片となったそれらを並べてみたが言葉にはならなかった
そうして言葉の構成に躍起になっていたある時ふと我に返った
「どうしてその言葉を言えよう・・・」
いま仮に抱いた想いを言葉にできたとして果たしてそれを言えるのか
結局それは伝えることを前提としたものではないのではないか
言葉となった想いをそのまま飲み込むつもりなのではなかろうか
結局想いを言葉にしたところで心の奥底にでも仕舞う気なのではないのか・・・
そう思えてきた
そうとしか考えられなくなってきた
選び抜いた言葉を幾ら慎重に発しても後悔することがあるのなら
抱いた想いをそのまま言葉にして伝えることなど――
どうして言葉の構成に躍起になっていた時点で気付かなかったのだろう
「そのまま言葉に」など端からしようとしていない
そもそもからして容易ではないことと諦め
それは至難の業だと挑むことさえせず
現にいま困難を極めているからと
噛み砕き破片となった想いを無意識に飲み込んでいたのは何処のどいつだ
いまなら判然とわかる
言葉とは伝えてこそ価値のあるものだと
そんなわかり切ったことにすら気付けなくなっていたのか・・・
ならば言わねば
抱いた想いをそのまま言葉にして
いま伝えねば――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます