――「好き」というその一言をどうして言えよう

――「好き」というその一言をどうして言えよう

包み隠さず想いを伝えたところで

何が好転する訳でもない

現実は余りに現実現実し過ぎていて

疾うに諦めもついたというのに

まだ膝をついていないという理由だけで

まだ前を向こうとしている


前を向いた先には

誰かに焦がれる貴女がいて

そんな貴女の影は

それまで歩んできた道を包むように伸びている

未来という未来が輝きを放って

貴女という人を照らしているかのように・・・


それでも膝をつかずにいるから

肩はおとしても膝をつかずにいるなら

また前を向こう

貴女の未来に幸せを見たのだから

それでいい


現実は何も変わらない

「疾うに諦めもついた」というのも本当

だから前を向く

前進あるのみ後方は振り返らない

もう諦めたりしないから

私の未来にも幸せを将来してみせる


未来ある貴女にこの想いを伝えることはない

でも私は貴女と出会って間もない頃一つの夢を語った

その時もし夢ではなく想いを伝えていれば

それが不確かで曖昧なものでも

この想いにその時終止符が打てたかも知れない

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