四月十日 ~感想~
四月十日。
この日はとても嬉しいことがあった。
本山らのが久しぶりに動画投稿をしたのだ。
体調不良によりしばらく動画投稿を控えていた為、コラボ配信などを除けば実に二ヶ月ぶりだった。
内容はラノベニュースオンラインアワードという、毎月行われているラノベ人気投票企画の結果発表だった。
この頃から気になった新作を紙で買うようになっていた私は、本山らのが読上が得ていく入賞作品を見ていて「これ読んだな」、「これは面白かった」などと考えていた。
そうして彼女が入賞作品を紹介し、投票に添えられたコメントを読み上げていく中で、ふと気になるものがあった。
この感想、どこか見覚えがあるような……。
動画の再生を一度止め、字幕を見る。
一から十まで完全に同意できるその感想は、私が投票する際に書いたものだった。
私が読んで好きだった作品が入賞したことは勿論だが、偶然でも本山らのに感想を読み上げられてもらえたということがとても嬉しかった。
いつもこの企画の結果発表動画で彼女は感想を読み上げていたのだが、そのことを忘れていたので感想を読まれたときは本当に驚いて喜んだ。
私はそのことをTwitterでつぶやいたが、後になってから少しだけ後悔した。
私の感想が読まれたと言うことは、読まれなかった人がいるわけで。
その人が、まるで自慢のような喜びツイートを見たときにどう感じるだろうか。ひょっとしたらその気持ちには嫉妬や怒りが少なからず混じっているかもしれない。だから今度からは気をつけなければ。
そう考えていたのだが。
その数日後、本山らのが投稿した別のラノベニュースオンラインアワード結果発表動画で、またしても私の感想が読み上げられた。
このとき読み上げられた感想は、ラノベニュースオンラインさんの投票結果発表のページにも掲載されていて、まさか読み上げられるとは思っていなかったのでまたしても驚いた。
とても嬉しくなって、結局またつぶやいた。後悔とはなんだったのか……。
本山らのにコメントを読んでもらうために投票をしてコメントを書いているわけではないが、それでも読まれることをついつい期待してしまう。
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