アシルの期待
「いやぁ、凄まじい新人が入ったな」
「そうですね。レイに同年代で勝てるのは私たちでも手に負えなくなってきたエクスだけだと思ってましたからね。レイに勝てるのがそのエクスの妹というのはどこか納得してしまいましたけど」
「確かにな。あのエクスの妹と言われれば、レイに勝ったのもわかるよな」
アシル、ナティ、ルアは新人のエシルについて話していた。
「そう言えば、去年は誰も入ってこなかったから今年も心配してたけど、ほんとに良い人材が入ったよな」
「ええ、それは本当によかったです。今年も誰も入らなければ、何か対策を考えないといけなかったところでした」
「まあ、そういう意味では2年前にエクス、エーシェ、ルクセンの3人が同時に入ったのは奇跡だったよな」
「そのうちの1人がとてつもない化物になるなんて同時考えてもなかったですからね」
「本当だよな。というか、どうするんだよ。下手したら数年後にはドラゴン討伐とかして、Sランクなってたりしてな」
「数年後というより、もう今年中には倒してそうだよな。すでにBランクのモンスターは一撃で倒しているわけだし、このままの速度でレベルアップしていったら、数ヶ月後には実現してそうだな」
「どうでしょうか?まだ経験は足りないですし、ドラゴンとかは今年中に倒せるようになるかもしれないですけど、ランクは上げられないと思いますよ」
「そうだな。まあ、上がったとしてもB2くらいかな」
「そうだな。今もすでにC1になってるし。というかそもそも2年でC1にまでランクを上げていることを考えるとかなり優秀なんだよな」
「確かに。トップギルドに居たレイのランクがB5だからそれに迫っているってだけですごいのに、スキルもないことを考えるとありえないよな」
「そうですね。それにこの1年だけを見れば、他の人のランクも皆、Cランクになりましたし、かなり順調に成長してますよね」
「まあ、それでもこのギルドに入りたいって言う人はいないんだけどね」
そういうと3人は気を落として暗くなった。
「そう言えば、最近不穏な動きがあるの知ってるか?」
「それって魔王復活の話ですか?」
「そうそれ!」
「なんか胡散臭い話だけどな。魔王なんて御伽噺だろ?それにそんなに強かったなら倒すことなんて出来なかっただろうしな」
「それに魔王が復活してももしかしたら、エクスが更に化物になって魔王を倒してるかもしれないしな」
アシルが言うとナティもルアも冗談として捉え、笑った。ただ、心のどこかでは倒してしまうかもとも思っていた。
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