第31話 討伐依頼 2
それから、どんどんと調査をしていった。しかし、日が暮れる頃まで調査したが、ゴブリンの巣を見つけることはできなかった。
そして、ここまでの間に10体ものゴブリンを倒していた。倒していくにつれてレベルの上がり方が悪くなっていったため、エーシェとルクセンは暗くなっても更にゴブリンを狩ろうとしていた。それは前が見えなくなるくらいまで続き、帰るのも危険になったため、その日はそこで野宿することになった。
夜を明かす間は交代で見張り、朝を迎えた。
普段と違う環境での睡眠であったため、全員休息は十分でなかったが、前日の続きでゴブリンの巣を見つけるために移動した。
ゴブリンを討伐しながら、調査を続けていくとゴブリンが洞窟らしき穴に入って行くのを見た。
「アレってゴブリンの巣じゃないか?」
「どうだろ?」
「それなら、中に入ってゴブリンの巣か確認しよう」
「そうだな」
このときエクス達には観察するという選択肢はなく、突き進むか引き返すしか頭になかった。それに初の討伐依頼で依頼以上の成果をあげたかったため、引き返すなんて選択はそもそもなかった。
洞窟の中は暗く、数メートル先も見えなかった。そのため、辺りを明るく照らす「ライト」のスキルを持っているルクセンとエーシェが前を歩き、その後ろをエクスが着いていく形になった。
洞窟は一本道で先に進むとゴブリンに遭遇したが、1体だったため特に苦労することなく、ルクセンとエーシェで対処が可能であった。
そのため、エクス達はどんどんと奥へと進んでいった。
しばらく進んで行くと今までは前からしかゴブリンが現れなかったのに、後ろからゴブリンに襲われた。
不意打ちを食らったものの所詮はゴブリンのため、エクスでも何の問題も無く倒すことができた。
エクスは後ろからゴブリンが現れたことを不審に思った。
「なあ、ここまで一本道だったよな?」
「そうだったと思うけど、それがどうかしたか?」
「なら、なんでゴブリンが後ろから襲ってくるんだ?引き返した方が良くないか?」
エクスは嫌な予感がし、2人に対してそんな提案をした。
「それは単に外に出ていたゴブリンが帰ってきただけでしょ?」
エクスの提案に対してエーシェは考えすぎと言わんばかりにそう言った。
「そうだろ。それにここまで来たんだし、奥まで確認した方が良いだろう」
エーシェの発言に肯定するようにルクセンも引き返すことに反対のようだった。
「確かにそうかもだけど……」
結局、エクスは2人の意見に納得することはなかったが、2人を引き止めることもできなかったため、2人に着いて行くことにした。
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