ギルド発展編
第30話 討伐依頼 1
エクス、エーシェ、ルクセンはこの日、初の討伐依頼へと赴いていた。初の討伐依頼のため、エクス気にしすぎというほど入念に準備をしていたが、エーシェ、ルクセンはエクスに比べると少し準備は不足していた。
「エクス、まだ着かないのか?」
ルクセンは初めての討伐依頼だからか、少し落ち着きがなかった。
「まだだよ。そんな油断してると危ないぞ?」
エクスはそう注意の言葉をかけた。
「大丈夫だよ。こっちには、あのレイに勝ったエクスがいるんだし、ゴブリンの討伐くらい余裕よ」
「エーシェの言う通りだよ。エクスがいるんだし、そんな危険なことなんてないよ」
しかし、エーシェとルクセンはエクスに絶対の信頼を置いているのか、注意をまともに聞いてはいなかった。
「はぁ…」
今回の依頼は討伐と言ってはいるが、実際には調査がメインである。最近ゴブリンの活動ぎ活発になってきたため、ゴブリンの巣ができたおそれがあるため、それの有無を調べることになっている。とはいえ、早期にゴブリンの巣を壊した方が安全のため、ゴブリンを討伐した数、ゴブリンの巣を破壊すれば、更に報酬は増える。
「グギャア!」
そんな緩い空気感で進んでいると、物陰からゴブリンが襲ってきた。
「いやぁああ!」
ゴブリンはエーシェに狙いを定めて襲ってきた。
いきなりのことだったが、エーシェはゴブリンの動きに対応して、攻撃を弾いた。
ルクセンもすぐに戦闘態勢に入り、ゴブリンに応戦していった。
一方のエクスは2人に完全に出遅れてしまい、戦闘に参加できる頃には、すでにルクセンとエーシェがゴブリンを討伐していた。
「エクス、何が危ないんだよ?俺たちだけでも倒せるじゃないか」
「うぐっ」
エクスはルクセンに痛いところを刺されて何も言えなくなってしまった。それに、いきなり襲われたことに何も出来なかったエクスは自分自身が恥ずかしくなった。
「そうだね。これなら、ゴブリンの巣の方も殲滅できそうだね」
「ああ、確かに。それにゴブリン一体倒すだけで5レベも上がるなんて、本当にこれなら余裕だな」
「それに、これで報酬も増えるんでしょ?」
「確か、そうだったよな」
「それなら、調査だけじゃなくてゴブリンの巣も殲滅しちゃおうか」
「そうだな!」
そう言ってエーシェとルクセンだけで話がどんどんと進んでいってしまった。しかし、何も出来なかったエクスは2人に意見はできず、そのまま2人に着いて行くことしかできなかった。
しかし、この判断が後に大変なことを招くことになるとはこの時は知る由もなかった。
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