第21話 ルール説明
「それでは早速、Dランク帯トーナメントを開始いたします!」
「えー、今回のDランク帯トーナメントの出場者は128名となっております」
「ルールは簡単。対戦相手を戦闘不能にするか、どちらかが降参するか、また中央のステージから落とせば勝ちとなります」
「ただし、回復不能の負傷を負わせたり、対戦相手を殺したりした場合、犯罪者として投獄されてしまうので気をつけて下さい」
「相手の自爆等により死亡した場合は罪には問われませんのでご安心ください」
「それでは決闘をお楽しみください!」
そんな表とは違う裏の戦いも始まっていた。
「ははっ、今度こそ!これで俺は貧乏生活を脱出するんだ!」
そう暗闇で1枚の紙を持って呟いている男がいた。
「それを外したら、どうするつもりですか?」
「?!」
男は誰も居ないと思っていたため、そう声をかけられて驚いた。
「黙ってないで答えてください。それに返答次第では今後の生活を覚悟していただかないといけませんので」
「なっ!それはどういう意味だ、ナティ!」
「アシル、どうもこうもありません。それは今持っているギルドの全資金で手に入れたモノですよね?」
「そ、そうだが」
「それなら、もしその予想が外れたら、どうやって生活するつもりですか?」
「ふんっ、そのことなら心配ない!エクスがDランク帯のトーナメントで負けるとは思えないしな。それに今回の大会の優勝候補があの聖騎士なら、エクスが負けるとは思えん」
「確かに、あの聖騎士にはエクスは負けませんね。しかし、1回戦のあの少年には負けるかもしれないんじゃないですか?」
「それは…確かにそうだが」
「はあ、まあ、もう買ってしまったモノはしょうがないです」
「そうだろ」
アシルは自分に問題はなかったと誇らしげにそう答えた。
「もし、外したら明日からアシルは覚悟していてくださいね?」
「は、はい」
アシルは笑顔でそう言うナティに恐怖を覚えながら、何とかそう答えた。
「そもそも、アシルはなんでそんな賭けまでしたんですか?エクスが優勝するだけでもかなりの額の賞金が出ますし、そんなリスクを負う必要があったんですか?」
そう、アシルは優勝予想を行い見事予想を的中させることができれば、賞金を獲得できる賭けに挑んでいたのだ。それでエクスに対して全資金を賭けていたのだ。
「だって、エクスの優勝はほぼ確定だし、それならより儲かるかなって、思って買っちゃった」
「買っちゃったじゃありません!本当にエクスが負けたらどうするんですか?」
「それは…その時考えれば良いだろ」
「はあ」
ナティはアシルのそんな答えにため息が出てしまった。
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