第2話 エシルの評価
そんな勉強漬けの生活がしばらく続き、僕は7歳エシルは5歳になった。
すると僕が5歳になった時と同じでまたパパとママは暗い表情になっていた。そして今度は僕だけを家に残し、エシルを連れ、3人でどこかに行ってしまった。おそらくは前と同じで白い大きな建物、教会へと行ったと思われた。
僕は3人が帰って来るまで、勉強をして時間を潰していた。
しばらくして3人は帰ってきた。
ただその様子に僕は驚いた。
「エシル、お前は俺たちの宝だ!」
パパはそう言いながら、エシルを持ち上げていた。その隣ではママがいた。ママはまた泣いていたが、僕の時とは雰囲気が違うのがわかった。悲しんではおらず、喜んで泣いているようだった。
その日は、家ではありえないくらい豪華な食事になっていた。僕とエシルはまたその喜んでいる理由がわからなかった。
ただ、僕の時とは違う様子に僕は少しだけ嫌な気持ちになった。
その日からパパとママは僕からどんどん離れていき、エシルにいろんなことを教えていくようになっていた。
その1つが魔法だ。
僕はそれを見た時、興奮した。だって何もないところから、火が出たり水が出たり、星は目の前の光景が理解できなかった。でもだからこそ、興奮した。
それから、僕はパパやママに教えてもらえるようにねだった。
しかし、パパもママもあまり乗り気ではなかった。でも僕の根気に負け、最後は教えてくれるようになった。
僕はエシルが簡単に魔法を使えるようになっていたから、僕も簡単に使えるようになるだろうと思っていた。
しかし、どんなに頑張っても魔法が使えるようになることはなかった。
僕はそれが悔しくて、誰も見ていないところでひたすら練習を続けた。
でも1月練習を続けても魔法が使えるようになることはなく、僕の心は折れてしまった。
ただ、エシルよりも劣っているという現実を受け入れることができなかった僕は、エシルのいないところでパパに頼み込んだ。
「パパ、魔法以外でエシルに勝つにはどうしたら良い?!」
そう頼み込むとパパは驚いていた。でもすぐに優しい表情になり、こう言った。
「エクス、別に無理をする必要はないんだ。お前はお前のできることをすれば良い。別にエシルに勝つ必要なんてないんだよ」
そう言われたが、僕は納得できなかった。
「やだ!エシルだけには絶対に負けたくないんだ!」
「わ、わかったよ」
僕の根気に負け、パパは了承してくれた。
「ほんと?!」
「ああ、でも厳しいぞ?それでも良いのか?」
「うん!エシルには負けたくないから!」
そして、パパが教えてくれたのは、体を鍛えることだった。
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