幼少期
第1話 とある男の誕生
僕、エクスはとある小さな町にある家に生まれた。
僕はその家でパパのエドワードとママのエマと暮らしていた。僕が2歳になると妹のエシルも生まれ、家族は4人になり、また賑やかになった。
僕は何も考えず、楽しくその4人で暮らしていた。
しかし、僕が5歳になったある日、パパとママが暗い表情になり、僕にこんなことを言った。
「エクス、パパもママもお前を絶対に捨てたりしないからな」
僕はパパの言う内容をほとんど理解できていなかったが、こんな表情のパパもママも見たことがなく、なんとなく良くないことが起こるような予感がした。
パパがそう言った後、エシルも連れて4人で白い大きな建物に行った。
その中で、僕は見たこともない格好をした人に透明な丸いモノに触れるように指示された。僕は良くわからず、パパの後ろに隠れたが、パパに促され、僕はその指示に従った。
僕はパパとママに見守られながら、その透明な丸いモノに触れた。
それは冷たく、ひんやりとしていた。
そんなことを考えていると、その見知らぬ人が口を開いた。
「残念ですが、この子には経験値増加の恩恵があります」
「うそっ……」
ママはそう言い、泣き崩れた。声を殺していたが、泣いていることはわかった。パパもママを支えながら、悲しんでいるのがわかった。
ただこの時僕は、どうしてパパもママも悲しんでいるのかわからなかった。それはエシルも同じだったようで、僕もエシルも混乱していた。
その後、家に帰ってきた。
家に帰ってきてからも、ママは泣き続け、パパはそばに寄り添っていた。僕とエシルはそれをそばでただ見ていることしかできなかった。ママは泣いていたが、ずっと「エクスは絶対に守るから」とそう言い続けていた。パパもそれに頷いていた。
ママが泣いていたのはその1日だけで、その後は今まで通りの生活に戻った。その後、唯一違ったのは、勉強をするようになったことだ。四則演算や読み書きなど、僕はパパとママからそれを習った。僕は読み込みが早かったのか、勉強には苦労しなかった。
そのせいで家族で遊ぶ時間は減り、僕は退屈であった。それはエシルも同様のようだった。でも、僕がそれらをできるようになるとパパもママも喜んでくれたから、勉強は続けることができた。
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