第22悪 男の最低最悪な過去と堕天使(最悪な過去編)

 突然光だしたと思ったら、誰かの部屋にいた。

 そこには、机と椅子本棚と男が一人いるだけだ。

 どうやら、運ばれてここに連れてこられたらしい。


「初めまして、私はラクエルです幸せを呼ぶ神です!」


「で……その神様がなんだ。笑いに来たのか」


「いえ、違いますよ。あなたに選んで貰おうかと、天国に行くかそれとも生き返るのか」


「別に天国だろうと地獄だろうと連れて行け、もうどうでもいい……」


「あ! 言うの忘れていましたけど、あなたの彼女さんが最近ここに来たそうですよ」


 俺は、血相を変えて神を問いただす。

 アイツが居ると思い、いてもたってもいられなかった。


「そいつは、今どこにいるんだ!」


「ああ、その人なら天界の上階にいるかと」


「分かった行ってくる!」


「ちょっと待ってください!」


 右手で、俺の肩を掴んで止める神。

 そんなことに、構っている場合じゃないのに神はしつこかった。


「なんだよ……」


「あなたじゃ無理ですよ。流石に天使なんですよ。一緒にいるのは」


「どうすれば、そいつからあいつを奪いかえせる」


「そうですね~同等の力を持った何を使えばどうにかなるかと~」


「分かった。そいつを探して使えばいいんだな」


「でも、そんな物ないですよここには」


 う~んと、俺が悩んでいると、神の部下の天使が入ってきた。


「ラクエルさん! 例の薬を処分しに来ました」


「悪いね。これなんだけど頼める」


 ラクエルは、机の引き出しから黒い薬が入った、ビニール袋を取り出して、部下に渡そうとしていた。

 ラクエルが、部下に渡した瞬間、俺はその袋を奪って、一目散に走っていく。


「ちょっと! 待って! その薬は……」


 俺は、必死に走る。

 その途中で、道が分からない所は住人聞き、数時間くらいかかり、やっとたどり着いた。

 そこには、天使がいた如何にも怪しい仮面を被り、何かを知っていそうな雰囲気だった。


「おい! お前! ここ最近来た。咲美と言う女を知らないか!」


 天使は、ニヤニヤと不気味に笑い答える。


「まあ、知っていますよ。あなたに教える気は、ないですけど……あはは!」


「教えろ! じゃないと、力づくでも聞きだすからな!」


「良いでしょう……掛かってきなさい!」


 俺は、右手で天使を殴ろうとするのだが、その天使は嘲笑いながらそれかわす。

 そして、俺の腹を蹴る。

 俺は、体がぶっ飛んでいき、ゲロをはいた。


「この程度で私に挑もうとするとは、片腹痛いですね」


 ニヤニヤしながら言う。

 俺は、もうあの手しかないと薬を飲む、すると力が沸いてくる。


「お前は、これでおしまいだー!」


 俺は、また右手で天使を殴る。

 それが効いたのか、ちょっと顔が赤くなっていた。


「やりますね……だが、私の策略にはまりましたね……フフフ……これで、あなたは普通の人間じゃなくなりました」


「嘘つけ!」


 俺はそう言うが、段々と黒い化け物のような体になっていき、黒い霧に包まれる。


「どうなって……いやが……る」


 俺は、意識を失った。

 その後、あのラクエルとか言う神が、俺の力を抑えこみ、薬を使った罪により俺は今日罰せられる。

 神界の法律で。


「被告は、悪薬を使った罪により。地獄無期懲役を言い渡す。よって今から地獄送りにする。」


 裁判の様なものが、そこでは行われていて、その判決で地獄送りと俺はなった。

 そして俺は、暫くたち地獄に送られた。


「まあ、しょうがないね。とりあえず悪薬の副作用が抑えられるまで、地獄で暮らして貰う。本当は天国行きなのに、残念だ」


 そう神が言った後、俺は地獄に連れていかれた。

 そして地獄で、900年近くすごしていった。

 それから、あらゆる罪人と戦った。

 くる日も、くる日も、暴力沙汰と殺し合いばかりを地獄ではさせられた。

 地獄では、強いものが上なので仕方がない、そういうルールだから。

 俺は、度重なるろくでもない戦いにより、いよいよ強くなっていた、そこにいると言うドラゴンを見付けて、倒せるほどに強くなっていた。



「良かろう……お前に私の力を託そう」


「ああ、強かったぜ。お前はこの地獄の中で一番な」


 そうして、ドラゴンに力をもらい、カウンターを得た。

 もう、悪薬の力を抑えるだけの力を持てるようになっていた。



 そして数年後、あの最低最悪な戦争が起きようとしていた、まだそれを知るよしもなかった。

 そして俺は、再び咲見を探し続ける。




「うう……うう……悲しすぎますよ……四神さん。大切な人は襲われいなくなり、死んでいくなんて……ぐずぐず……しかもやっと助けられると思ったら。今度は、天使が邪魔をしてきて、悪薬を使ったせいで、悪薬の副作用で苦しみ。それを900年耐え続け、克服しドラゴンと戦って勝ち力を得るなんて、頑張り過ぎですよ……ぐずぐず……」


「確かにそうですね。自分も本当に悲しいと思います。そして、こんなに頑張り続けて努力している方は、いないと思います……次の方も見ますか……本当に最悪な……ところですけど……」


「見ますよ! もちろん! 四神さんを助けなきゃいけないわけですし」


 皆も頷き、もうひとつの最後の過去を見ていく。

 


 俺は地獄の罰を終えた。

 その時は、歓喜していはいたが、地獄の起きた事を思い出すと、一瞬で喜びが冷めていき、ひとまずあの世を後にする。

 ただ、このままでは俺がいた世界に行けないとつたえられたので、死ぬ前の体を神に作って貰い、あの世の中をさ迷い続ける。

 自分は、咲見の奴を助けてやれなかったので、今度こそ見付け出し救ってやると誓う。

 俺は、ひとまずこの世に続く道を探していた。

 なんか光っている場所があるなと思い行って見ると、突然誰かの家に移動していた。

 そこは、一般的な家でどうやら二階にだったらしい。

 そこの、二段ベッドがある部屋にいた

 だが、そこには少女が一人おり動揺している。


「誰なの!?」


 この少女は、誰と思い逆に質問する。


「お前こそ誰だよ!」


「あんたこそ誰よ! 私の名前は、朝日朝顔あさひあさがおほら言ったわよ! あんたも言いなさい」


「俺の名前は、四神我流……」


 暫く俺と朝顔は、沈黙していたのをといた。

 だが、早く天使を倒して咲美の居場所を聞き出さなければ、急がないといけない。


「ちょっと待ちなさい! 行くき!」


 外に行こうした、俺を朝顔が何故か止めた。


「ああ、行かなければならないからな。あいつを探さないといけねぇ」


「外は、危険なのよ! 分かってる! 外は危険なの悪薬を使って暴れている人達がいるのよ!」


「分かってる! そんなこと……だけども俺は、行かなければならねぇ。あいつを助けなきゃ!」


 朝顔は、真剣な顔をして言うのだが何処か寂しそうにも見えた。


「ちょっと待って! 私も行くわよ!」


「なんでお前が行くんだよ」


「外は、危険なの! 丸腰のあなたじゃやられるわ」


「お前だって、丸腰だろ!」


 朝顔は、焦りながら身支度を済ませる汗を流しながら。


「それは、違うわよ。ちょっと待ってて!」


 朝顔はそう言い、とある物をタンスの中から取りだし持ってくる。


「これは、創造のカウンターなの。これがあればある程度のインフィニターとも、戦えるわ」


「残念だったな、俺もカウンターを持っているドラゴンのカウンターをな!」


 朝顔は、驚きを隠せない顔をしていた。


「そんなカウンター見たことないわよ! 何処にあったの!」


「それは……そんなことより行くぞ!」


「分かったわよ! 詮索はしないわ! 行くわよ!」


 朝顔と共に外へ出ると、辺りは真っ暗で黒い化け物が殺しあっていたり、その化物によって人が殺されていく。

 それは、この世の物とは思えない、地獄みたいな光景だ。

 でも、俺はそんな奴らを押し退けて、無視し咲見を探す。

 そんな俺を見て、朝顔は冷たい目と言葉を俺に向ける。


「あんた、それでも人なの!」


「ああん!? なんで助けなきゃならない! ふざけるな! こいつらの面倒もなんてみきれるか!」


 何かに着けて、奇麗事を言い反論し正義面するこの女は本当に気にくわない。

 こんな奴の言葉を気にしている場合じゃないと思い、人の多そうな広場に行ってみる。

 すると化物の後ろに、咲美がいた。


「おーい! 咲見!」


 だが、咲見は俺の声が聞こえず立っていてぼーと前だけを見つめていた。

 どうやら意識がないようだ。



 その時、沢山の化け物が俺達に襲いかかってくる、朝顔を盾にし退ける。


「ふざけるな! 私を何だと思っているの! 絶対に恨んでやるんだから!」


 その言葉は、何処か寂しく悲しく見えた。

 朝顔も、誰一人いないこの町にいたから、寂しくなったのだろう。

 だけど、俺にはそんなことは関係ない。

 咲見を助けるのに、精一杯だった。

 俺は、次々と襲ってくる化け物を薙ぎ倒し、どんどん俺の方に来るが、避けて通っていく。

 暫く経ったら、ようやく咲見のもとにたどり着く。


「咲見! 俺だよ! 俺! 四神我流だ!」


 だが、まだ俺の声は咲見には届かなかった。

 茫然と立ち尽くすばかりで、何も言ってくれないし答えてもくれない。


「諦めましょ……しょうがないわよ」


「そんなことねぇ!……そんなこと……うぅ……そんなことあるわけねぇ!……うぅ……」


「しょうがないじゃない!……ここまでして無駄だったら諦めるしか!」


「だから! 諦めねぇって言ってんだろ!」


 朝顔に、顔をビンタされた。

 顔が叩かれた所がじんじんとしてきた、俺のほっぺは赤くなっていた。


「……え?」


「あんたもこんな所に居たら、死んじゃうわよ!……だから、言うこと聞いてよ……私も……親がこの化け物に……殺されたの……ぐずぐず……化物に……ぐずぐず……あなたまで、失ったら……私……本当に一人ぼっちじゃない!……ぐずぐず……」


 俺は、泣いている朝顔を無視して、咲見のもとに歩いていく。


「知るかよ……そんな事」


「あなたを見た時から、好きなのよ!……だから、私と一緒にいて……頼むから……一人に……しないで……ぐずぐず……」


 朝顔が言っていることが、本当かは分からない。

 だけど、俺は朝顔の顔を見ることもしなかった。

 もう一度、咲見に話し掛けるが反応はない。

 ようやく、咲見が話し始めたがそれは意外な言葉だった。


「この世には、クズでろくでもない人間ばかり、こんな者達死んじゃえばいいんだわ! この世から居なくなれぇー!!」


「……咲見?」


 俺は、動揺していた。

 まさか、あの人の事を思っていて優しい咲見が、こんな事を言うとはとてもじゃないが思えない。

 俺は、その現実の光景を見てると悲しくなってきた。


「そうだ! 人間どもを恨め! そして滅びるのだ!」


 突然、仮面の天使が現れて、そう言い始めた。

 やはりあいつが、『咲美を操っているのか!』と思い俺は、天使の男の方へと向かっていく。

 だが、カウンターの技も発動したにも関わらず、以前のように俺は腹を殴られ膝をつく。


「……なんで……以前のように……倒せないんだ……」


「それは、あなたが弱いからですよ。だから、負けるのです……フハハハ!」


 不気味に笑う、天使の男。

 俺はムカついて、立ち上がりそいつに向かっていく。

 もう一度、仕掛けるも返り討ちにあう。


「無駄無駄無駄無駄! 本当にあなたって無駄な事がお好きなんですね……」


「しょうがねぇ……使うしかねぇ! あの闇の力を!……一瞬で使って勝てば、俺はあいつを取り戻せる!」


 俺は、闇のカウンターの力を使おうとする。

 だが、朝顔が来て止める。


「止めておきなさい! 元に戻れなくなるのでしょ! そんなことしたら、また酷い目あうわ!」


 朝顔は、どうやら何か察したらしくて、闇のカウンターを使うのを止めていた。


「……ああ……分かってる……はぁはぁ……だが、倒すしかなねぇんだ……じゃなきゃ、あいつを救えねぇ!」


 俺は、闇のカウンターの力を使ってしまった。

 一時的には、意識はあり天使の男を倒そうするも、攻撃をまたもやかわされて攻撃を喰らってしまい倒れる。


「後……もう少し……」


 俺は、意識を失いつつある。

 そして完璧に意識を失い……そして、数時間たって意識は戻るのだが俺はボロボロ。

 しかも朝顔も、ボロボロだった。


「何があったんだよ! おい!」


「あんたが化け物になって……暴走したのよ……どんだけ……抑えるのに……苦労したと……思って……バタン!」


 朝顔は、倒れた。

 どうやら、俺の闇の力を抑えるのに全能力を使ってしまったらしい。


 そして、そんな俺達を天使は見て笑う。

 バカにした、そんな態度で。


「あなたのような弱い人と相手にしても、無駄なだけです。ですから、もう行きましょう咲見さん……」


「……ええ……」


「……咲見……おい!……咲見!……帰って来いよ! 帰って、俺に説教してくれよ……おい!……ぐずぐず……頼むから……戻ってきてくれ……」


 俺の思いはむなしく、咲見には届かなかった。

 咲美と天使の男は、空に飛んで消えてしまった。

 俺は、泣くことしかできない。


「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょーーーーーーーー!」


 俺は、闇の力を使った副作用で黒いオーラをまとってしまう。

 悪薬使った訳でもないのに、化け物なってしまい、その後は地獄に送られたらしい。



「ううぅ……酷すぎますよ。こんなの……ぐずぐず……」


「だが、これが現実だよ……たとえ、悲しくても、それはだけは変えられない……」


 私は、決断した。

 四神をその闇から、救うおうと、そして咲見という少女を見つけようと。


「だから! 四神さんを更生させる必要があるんじゃないですか! これ以上咲見さんと四神さんのような、人を生まないように! そして、絶対に私達が救ってみせますよ!」


「分かった……君達を僕の本体の心のいる部屋に連れて行こう」


 誠実な四神に連れてこられた場所は、とある教室だった。

 そこには、四神が一人で泣いていた。

 その姿は明らかに、いつもの四神ではない暗い感じがした。

 もう立ち上がれないかもしれない、そう思わせるほど落ち込んでいて、膝や手をついて表情が暗かった。

 そんな、雰囲気を四神から伝わってきた、そして私はそんな四神を見ながら憂鬱な気分になる。

 何とか、四神の心をどうにか出きるものかと考えて。

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