第29悪 四聖神王と最悪な死闘(悪の国王と海の王編)

 俺は、何か宇宙空間に飛ばされていた。

 だが、そんなことはどうでもよくて皆と離ればなれになったのが問題だ。

 そう考えていると、天王星の神カイシンがさっそうと現れる。

 はぁ~とため息をつき、ゴミを見るかのような目と上から物を言う。


「なんですか……あなたですか……戦う相手は……はぁ……」


 いかにも、失礼な言い方と態度で俺に物を言ってくるから、本当にコイツら神は嫌だなぁ~と思い俺は言う。


「なんだよ! なんだよ! 良いじゃねぇか! 俺でも!」


「あなたみたいな、下品な人と戦うとか私の名に泥を塗ることになりますし、それにあなたは一番弱いでしょ……そんな相手と戦うとか、一生の恥ですよ! 本当に……」


 本当にコイツらは失礼だ。

 俺だって、本当はこんなことしたくない。

 だけど、やるしかないこの世が終わるって時に、自分だけやらないってわけにもいかないから。

 まあ、本当の事を言うと、女の子の為って言うのが俺にとっては本音だがなあ。

 俺は、一気に決めようと、カウンターの力を使いダイヤモンドの刀で攻撃する。

 しかし、神にとってはお見通しのようで扇子で、俺の刀のれんげきを受け止める。

 しかも、余裕の表情で。


「本当に単純ですね~と言うか、バカのひとつ覚えと言うか……フフフ……」


「バカにすんな! 俺だって、インフィニターのはしくれ、ある程度の力ぐらいある!」


「確かに、威勢だけは一人前のようで……フハハ……」


 本当に、コイツらの態度はいつ見てもムカツク。

 それに、今度こそ攻撃をするようで、手を前に出し何かを呟く。


「私に力を貸しなさい! 奴隷の人間どもよ! 契約に従い、今ここに現れよ!」


 そう言うと、地面が光輝きだしてそこから人が沢山現れ、俺の方へとのろのろと歩き向かってくる。


「どう言うことだよ! これって!? なんで急に人が現れて、人がお前に従うんだよ!」


「気が付かないのですか……私の力に……あなたも鈍い人ですね~まあ、教えましょう……ここで、私に殺されてなんで負けたのか、分からずに未練を残し。あの世にさまよられても、気分を悪くするだけですし……それは、私の力は人を従わせる事ができ、何時でも契約を交わしている人間だったら、呼び出せる能力! それが私のもつ神の力! 絶対服従!」


「ふざけるな! 人の自由を奪い、従わせるそんな神が、居ていいはずがない! 俺は、あんたを倒すよ! 人を自分のおもちゃとしか、考えてない奴らがこの世を支配したら、どのみちろくなものじゃなくなる! だから絶対にあんたを倒して……インフィニターの仲間と共に、この戦いを終わらせる!」


 それは、俺の本心だった。

 だって、このままいくとコイツら神に寄って女子も、みんな不幸になるから。

 それに、生きていた時にあった彼女のような運命を背負い、ろくでもない目にあう、女の子を二度と生まない為にも。


「意気込みは、良いですが……それだけでは、私には勝てませんよ……それに、あなたはもう人に囲まれています……もう逃げ場なんて、ありませんから……フフフ……」


 確かに、俺は大勢の人に囲まれていた。

 正直、女の子にも囲まれていたから、俺は嬉しかったが、そんな事を思っている場合じゃなかった。

 俺は、ひとまず走って逃げる。

 だって、このままカウンターの力を使っても無駄に人を殺してしまうだけだ。

 そんな事はしてはいけない。

 この人達は何の罪もない、それに誰かが悲しむことになる。



 俺は、必死に逃げるも、また追い付かれる。 

 走ってもまた追い付かれ、それをひたすら繰り返す。

 それを見ているカイシンは、ニヤニヤと不気味な笑顔を見せる。

 その表情は、いかにも操られている人達をバカにしている。


「ふざけるなー!! なんだよ! 俺だけでいいだろ! なんで、罪もない人にこんなことするんだよ!」


「はぁ? 君は何を言っている? どうせ、後でゼウスシス様が殺すのだから一緒だろ?」


 俺は、ムカついた。

 こんな人の命を命と思わない神に、そしてその人達を憐れむ。

 こんな事を、されてるのに何も出来ない人達に、そしてカイシンを絶対に許すことは出来ない。

 だから、倒す絶対にだ!



 そう思い、俺は神の力を使う。


「君の力では所詮、素早い攻撃や素早く動く事は、出来ないだろう……それは、調査済みですからね~諦めるんだな、そしてその者達と一緒に、死ぬがいい……フハハ!」


「そんなの! やってみなければ、分からないだろーー!!」


 俺は、カウンターの力を全力で使う。

 すると、人を避けてカイシンの所へと素早く向かう。


「ばかなぁ~!! そんなことあるわけない!あんな、底辺な人間が神の力を持っていて。それを操れるなど! そして、やられるなんて~!!」


 俺は、素早く動けるようになっていた。

 やはり、神の力は凄いと思いダイヤモンドの刀を構える。


「まて! 止めろ! おい! 人間達よ!

私を守れ~!!」


 だが、カイシンの声も虚しく俺の刀さばきが素早かったのか、どんどん斬られていく。


「止め……止めろぉぉ!」


 そして、跡形もなく斬られて姿も一切消えてしまった。

 その後、操られていた人達は徐々に消えて居なくなった。


「本当に恐ろしいぜ! この力! そんなことを、言っている場合じゃない! 急ぐ! 仲間の女の子のもとに~」


 俺は、ルンルン気分で雫ちゃんと天候ちゃんの待っているところを目指す。




 私は、宇宙空間に来ていた。

 だが、誰もいない……まあ、そんなことは別にいい。

 それより、これじゃあ面倒くせぇ事をしなきゃならない方が問題だ。

 そんなことを思っていると、四聖神王の一人ポセノインが現れる。


「私の力は、海のあらゆる生物の力を使う事が出来る! 私に、あなたは勝てない! 諦めて、降伏するんだ! お嬢さん!」


 私は、ムカついた。

 なめられていたからだ。

 しかも、じじいは上半身裸の筋肉ムキムキで、槍を持ち変なジャケットを着ていたから、余計にこんな奴に負けたら恥だと思った。


「私を、なめているだろう……たが、しかしそんな君の目は節穴なのだろうなー……だが、容赦はしない! 一気にいかせて貰う!」


 そう言うと、カイシンはその星の水からサメのような形の物を作りだして、それを私に放つ。


「いけ! 我が水の生物よ! その未熟者に鉄槌を下すのだ!」


「くっ!……これは……きつい……」


 サメは、私の方に牙を向けて噛みついてくる。

 私は、それを必死にカウンターの力を使い防ぐ。

 まあ、そのときはまだ良かった。

 玄武の能力、ガードシェルがあったから。

 これが、無かったら私は倒されていた。


「ぬ~! 君はやるようだが……だんだんと、力がなくなってきているように、見えるが……」


 そう、だんだんと私のカウンターの力は抜けていく。

 それと、甲羅のガードの範囲も小さくなっていく。

 ヤバイと思っていたら、あることを思い付く。

 それは、この甲羅のガードも攻撃に使えるのじゃないのかと言うことだ。

 早速、玄武の能力を攻撃に加える為に刀に神の力を注ぐ。


「そんなことをしても、無駄だ! それに私の攻撃は、これだけじゃない! くらえぇぇ! 海王ホーリランス!」


 すると、槍をカイシンが光のごとく速さで投げてきた。

 私は、受け止めるも凄い強い力だったので、押し負けそうになった。


「見たか! これこそが、私の真の力! 海王の神聖ランスだ!」


 私は、ふざけすぎだと思ったが、口には出来なかった。

 それもそのはず、そんな事に集中していたら槍に押し負け体を貫かれてしまうから。


「くそがぁー!! うおおお!!」


 私は、カウンター全ての力を刀に注ぎ込む。

 槍の力に、漸く押し勝ち弾き返す。


「ばかなぁ~!! そんなのない! 私の力は無敵だ!」


「残念だったな! これで、お仕舞いだ~!!」


 私は、そのまま槍を力で弾き飛ばし、カイシンのいる所に走って向かい構える。


「槍を戻れー!」


 槍が、カイシンの所に向かうが私はその前に斬る。

 そして、カイシンは真っ二つになり消えていった。


「ああ! 疲れた! はぁはぁ! もうしねぇからな……戦いわ」


 私は、ちょっとだけ休み雫達がいる場所に向かうのだった。

 あの四神が、ちゃんと修行してこれるかは心配だったがな。

 まあ、正直言って今回の戦いは、何が起こるのか分からないから。

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