第20悪 最悪の7聖天使 (下編)
私は、あれからも色んな攻撃を試していたが、全く持って効かない。
しかも、平気な顔をしていて腹が立つ。
「もう! どうすればいいんですか!
四神さん!」
「そんなもん俺に聞くな! 俺の方も大変なんだ! お前が、自分で考えろよ! インフィニターだろ!」
私は、四神にそう言われたので、仕方なく自分で考えてみるも、なにも思いつかない。
それからも、色々してるみるもなにも事態は好転することはなかった。
その間相手は、月の光を集めて銃で打って攻撃してくる。
「私の月光末梢ガンをいつまで避けられるかな!?」
私は、必死に避けるしかなかった。
月を破壊する威力だったので、一撃でも食らったら一溜りもない。
それに、喰らったら体は月のように粉々に砕けちるのは明白だろう。
とりあえず力を跳ね返そうと、鏡をカウンターの力で作り、なんとか光を跳ね返す。
「そんな事をしても無駄よ! 私の月光抹消ガンは、どんな物でも破壊する!」
そんな事を言ったって、もうやるしかない。
そうしなければ、月のように私の体が破壊され、二度と元には戻らない。
そう思っていると、ある事に気が付く。
それは、月を破壊すればするほど光の攻撃が弱まっていくこと。
これにかけるしかないと思い、私は月ほどの鏡を作り光を跳ね返し、その光が当たったためか月が跡形もなく破壊された。
「よくもやってくれたわね!! もう許さない! このトールムーンハンマーであなたをぶん殴ってあげるわ!」
月の天使が私を月の形をしたハンマーを振り回して攻撃してくる。
今にも私の頭が叩かれるのではないかと思えてきた。
焦る私は、何かいい案がないかと、模索していると月の欠片を見つける。
それを集めて、私もその物質を知識で分析し。
天使が使ってる、月の物質で出来たハンマーを全てのカウンターの力を使って作る。
とりあえず出来たが、ちょっと形が天使のハンマーより変だがやるしかない。
明らかに、凸凹していて不恰好であった。
相手のハンマーに、自分のハンマーを振り回して同時にタイミングよくぶつけた。
すると天使のハンマーは見事に砕け、自分のハンマーが相手のお腹に当たり、勢いよくそのまま月の天使はぶっ飛んでいく。
「ぐは! そんな事ってあり!? あり得ないでショーー!!……バタン!」
月の天使は、ぶっ飛んでいきそのまま遠くへと飛んでいき、着地したところで倒れて気絶する。
私は、とりあえず勝ったが四神は苦戦していたようだ。
まあ、無理もないようで辺り一面、溶岩のようなマグマしかなかったから。
「四神さん! 私、やりましたよ! 後は、四神さんだけです!」
「うるせぇ! 分かってる!」
四神は、素っ気ない言葉で返す。
しかし、あの人が苦戦しているのは可笑しい。
あんだけ、キツイを修業していたのにと、四神の修行をしていた内容を思い出す。
火の中にずっと居たりする修業や、マグマの上を通る修業もしていた。
おまけに、違う修業もしていたのを荒れに聞いたのにも関わらず教えてはくれない。
なんで、すぐ倒せないのだろうと疑問しかない。
「悪かった! お前に、この力を使わなかったのはよ!」
「ほほ~、どんな力だ。私にも見せてみろ! この7聖天使最強の俺に!」
あれは、闇のカウンター。
明らかに、前の事があったので私は止めるように叫ぶ。
「その力を使っちゃダメですよ!! 四神さん!」
「大丈夫だ……ハァハァ……あのときより使いこなせる……何故なら、もう! 闇を克服する修業は、ほとんど終えたからな!」
四神が言うと、左半分だけ体が黒くなり、闇のオーラをまとっていた。
前とは、様子が違うようで意識はあったみたいだ。
「そんなバカなぁ!! 人間が……闇を克服することなんて決して出来ない!」
「そんな物は、お前らの常識だろが! 勝手に人を決めつけてるんじゃねぇ!」
私も驚いた。
あの闇に飲まれていた四神が、それを克服するとは。
これで、ルシルトにも勝てるんじゃないかと思えてきた。
「だが、全部じゃね! なんせ、修行の時間がほとんどなかったからな! その場しのぎのやり方しかできなかった! だから! 即効でかたを、つけさせて貰うぞ!」
四神は、日の天使に突進して向かっていき、日の天使も太陽の力を使い反撃するが、闇の炎の力の方が強かったためか、焼かれて全身を闇の炎に包まれて、丸焦げになっていた。
「バカな……こんなことがあってたまるか………ハァハァ……天使が人間なんかに敗れるなんて……」
「それが、お前らの力の限界だ! 所詮お前らはその程度の奴らでしかねぇ! だから、俺に負ける! 自分の力も信じずに、神なんかに従っているからだ! 神に勝とうと思わないお前らなんかに……俺がやられるわけないだろ! 所詮、神の奴隷の存在にでしかねぇんだよ!! お前ら、天使は!!」
「そうか……だから……負けたのか……ぐばぁ」
日の天使は、焼かれていき黒い灰となって消えていった。
真っ黒の灰になって、跡形もなく。
「さぁ、やったぜ……ルシルトさっさとこの空間から俺達を出して、俺と戦いやがれ!」
「良いでしょう!」
何処からともなく聞こえたが、ルシルトは周りを見渡しても見当たらなかった。
「ですけど、この空間から出す訳にはいきません。私の居る所に皆さんをお連れしましょう」
そう言うと、黒い渦が再び出てきた。
凄い勢いで私達を吸い込む、それも台風並みの力の吸い込みで。
「……四神さん……吸い込まれます!……」
「きゃぁぁ~!」
「吸い込まれる~! あああん!」
「おい!……こらぁぁ!!」
「まぁ……予想通りだ……」
「どんなってるのー!!」
「いったいどうなってやがるんだ……これは!」
皆が一斉に、黒い渦に吸い込まれていく。
気が付くと、目の前にルシルトがおり、宇宙の銀河系の中にいた。
そこには、ブラックホールらしき、でっかい黒い渦がそばにあった。
それも、地球ひとつ包み込めそうなくらいの。
「皆さんお集まり、頂けましたね。これから、皆さんと私は、戦いますが。このダークネスホールを皆さんの星にぶつけます……そのダークネスホールが当たると、その星は悪薬と同じ作用が人に働きます。ですが、私を倒せばその力が無くなり。地球の皆さんは元に戻ります。ですから、皆さんの力で私をやっつけて止めて見せてください……フハハハ!」
「お前、何を!」
四神は、ルシルトを止めようとするも、人くらいの大きさをしたダークネスホールを出して攻撃してきてくる。
不覚にも、それに当たってしまう四神。
「ぐばぁ……なんだよこれわ……うわああああああ!!」
「四神さん! しっかりしてください!」
それに当たった四神は、精神崩壊して意識を失ってしまって話すことも出来なかった。
それは、ぼーっとしていてほとんど生きてるかも分からないそんな状態だ。
「もうすぐですよ! もうすぐ!!」
後ちょっとの所で、地球に黒いでっかい渦が迫ろとしている。
「止めろぉぉ!」
皆が、一斉にかかるも、ルシルトの攻撃を止めない。
「ダークネスシールド!」
皆が、ルシルトに攻撃をするがだしたバリアーで跳ね返されて、吹き飛ばされて倒れていく。
そして……地球も黒い渦に飲まれる。
「な~んだ、何も起こらないじゃん!」
「そうですよね! 何も起きるわけないですよね!」
私達は、安心しきっていた。
だが、不気味にルシルトそんな私達を嘲笑っている。
どうやら、余裕しゃくしゃくで何かあるようだ。
「フハハハ! それは、どうかな! このモニターを見たまえ!」
その出てきたモニターを見てみると、黒い化け物が町中を荒らし破壊し尽くしていた、それに、闇の力で化物となった者が人を殺していた。
まさに、悪薬戦争と言う本の書いあった内容がそのままの起こっている。
まるで、魔王が支配した後のファンタジー世界みたいなものは、私にとってそんな現実を受け入れられなかった。
「これが、貴方達がいた今の地球の姿ですよ! なんと醜いことでしょう、人と言うのは……あははは!! ほとんど、野獣みたいですよ」
そうルシルトが言うと、四神は意識を取り戻していた、なんとか起き上がった。
多分、もう四神の体は限界寸前で、震えている。
「大丈夫なんですか! 四神さん!」
「ああ!……大丈夫だ!……はぁはぁ……それより、あいつを……倒すぞ!」
四神は、そう言いながら真っ直ぐ、ルシルトの元へ突っ込んでいく。
だが、ルシルトはそんな四神を見逃す訳もなく。
技を、また繰り出すを準備する。
「闇のカウンタースイッチオン! 50パーセントダークネスホール!」
「無駄です! その程度の技、私にかかればね~! 本当の私の力を見せてあげましょう」
ルシルトは、四神の技を避けて、ダークネスホールを手の中に作り出し、それはどんどんとでかくなってくる。
そして、星のサイズくらいの大きさになったら、それを四神の方に放つ。
「四神さん!! 避けてください!」
私の発言も、虚しく。
四神は、その星のサイズのダークネスホールに飲み込まれる。
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
「いい忘れていましたが、このダークネスホールに飲み込まれると、心の闇が開放されます。悪薬を使ったときと、同じように心が闇に染まる副作用が出ますから。それも10倍くらいにね……あははは!」
不味いと思い、四神にカウンターの力を使い、闇の力を抑えようとするも、既に遅かった。
私の技は全く効かなくなっていた。
四神は、もう悪人化してしまっていたのだ。
「グオオオオオオ!」
四神が、黒い化物の姿で叫ぶ。
そして、ルシルトの方へと、一目散に突っ込んでいく。
「無駄ですよ! ダークネスホール!」
ルシルトは、四神に技を繰り出すが、四神はそれを動じずに向かっていく。
その為、どんどん傷が増えていくので痛々しくて見ていられなかった。
このままでは、四神は死んでしまうと思うも、私にはどうすることも出来ない。
「どうしましょう……」
私がそう呟くと、皆が一斉に立ち上がり、そして、それぞれ四神を助ける方法を提案する。
「どうするも! こうするも! ねぇ!」
「私達が助けましょうよ」
「こんなあの人は、私の好きなあの人ではないもの、当然よ! ああん!」
「皆さん! やりましょう! でもどうすれば……」
「とりあえず、これを使ってみることにする」
荒れのポケットから、小型のライトが出てきた。
「神アイテムは、通常の道具とは異なる使い方が出来る。特にこれは、人の心を取りだし、その心に入ることが出来るアイテムだ! これで、アイツに一発かましてやれば、目覚めるだろ!」
「分かりました。やりましょう!」
私達は、四神の闇の心を封じ込める為に、神アイテムを使う。
それぞれの思いを胸に、四神を止めるべく。
「ついでに言うと俺は、やらないからね……」
「私も、もう限界だから無理だ」
「あなた達には、聞いてませんから」
堅石と、鉄矢は共に弱音を吐いていた。
本当にこの人達は、頼りないなと思う。
だが、私達は諦めるわけにはいかない。
こんな状況だとしても、四神は四神だ、どんなことがあっても、助けるんだ絶対に。
そう……四神に、今まで助けて貰った恩を返すために。
そして、私の地球を救うためにも、ルシルトを倒して世界を元に戻すために。
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