第19悪 最悪の7聖天使 (上編)

 あれから、1ヶ月たって修業が終わり皆が集まる。

 皆は、各々強くはなったものの、やはりそわそわして落ち着かない。

 無理もない、これで最後となると緊張もあるのだから。

 この世の中の、問題をほとんど解決できるかもしないと思うと、それは重大な責任がある。

 そんなことを考えていると、私達はルシルトが居た場所へと着く。


「お前ら大丈夫だろうな!」


「私は、大丈夫ですよ! 四神さん」


「俺も大丈夫だよ。それより、女の子達! 俺とイチャイチャしよ!」


「しねぇーよ! 堅石少しは、緊張感を持てよ!」


「そんなことより、四神さん私と愛を育みましょ!……グ……グヘへ」


「育まねぇよ!」


「あああん! それよりおねぇさんと一緒に、個人授業しましょうよ~四神く~ん!」


「しねぇーつってんだよ! どんだけ俺としてーんだ!」


 本当に、この人達で大丈夫なのだかろうか……世界を任せて。

 なんか、心配になってきた。

 しかし、よくこの状況でそんな滅茶苦茶な行動できるなと、感心するやら呆れるやらである意味余裕があって凄いと思う。

 緊張は、そのためほぐれていき安心する。

 だけど、やはり最後だと思うと少し心臓のバクバクが止まらない。

 自分だけがそう思っていても、仕方ないので覚悟を決める。


「皆様、お集まりましたね。それでは私と戦いましょう……と言いたいところですが」


 皆の場の空気が、凍りついた。

 そりゃあ、そうだ。

 なんせこの状況で、そんな前置きはされても正直困る。

 ルシルトを倒せば終わるのだから、そんなよきょうはいらない。

 その空気をルシルトは無視して自分の話を進める。

 こんな状態で、平気で良くいられるなと敵ながら関心するやら、呆れるやら。


「皆様には、私と戦ってもらう前に。戦わなくては、ならない者が居ます!」


 パチんと指を鳴らすと、何故か宇宙空間にいつの間にか瞬間移動していた。

 こんな事が実際にあるなんて、信じられないと驚くばかり。

 だが、目の前で起きてることは現実だ、信じる他ない。


「おい! ルシルト! 俺達を元の空間に戻せ!」


「それは、出来ませんね。これから戦ってもらう相手は、宇宙で能力を発揮出来る者達なので。残念ですが、ここで皆様には戦ってもらいましょう……それでは、紹介します! 月の天使、ツクヨル、火の天使ホムラ、水の天使シーアクア、木の天使シンボク、金の天使フクトミ、土の天使サンドリ、そして最後が日の天使のプロメスです!」


 私は、驚いた。

 上手に1週間分の天使が居ることに、まさに神業と言ったところ。


「皆様をそれぞれの星に、移動してもらうとしましょう」


 ルシルトとが、そう言い終えると黒い渦が出現して、私達がその渦に吸い込まれそうになった。

 なんとか、渦に飲み込まれまいと岩とかにしがみつくが。

 なんとか、その渦の勢いに逆らっていはいたものの、抵抗もむなしく私達は吸い込まれっていった。


「いた、た、た……ここは何処ですか?」


 私が、質問をするも誰もそこには居ない。

 だが、何処からか声が聞こえてきた。


「おい! 大丈夫かよ!」


 声がする方向に顔を向けると、そこにはモニターがあり、四神や皆が写っていた。


「どうなっているんですか、これ!」


「俺にも分からん。ただひとつ言えることは、こいつらを倒さない限り、ここには出られないってことだ」


「ご名答だよ、四神くん!」


 何処からか、ルシルトの声がするも、見渡す限りそれと言った人物は何処にも居ない。


「今から君達には、そこの天使達と戦ってもらいます。勝てたら、私と戦えますよ。ただし! 一人でも負けたら、あなた達は私と戦う権利はありません」


「上等じゃぁねぇ~か!」


「やってやる!」


「愛ちゃんやります! 四神さんの愛の為に!」


「やりますわよ。必要としてくれたあの人の為に! ああん!」


「問題ない、戦闘を開始する!」


「俺もやる! 女の子達の幸せの為に!」


 それぞれ皆、戦闘体制に入ったみたいだ。

 私は、月の天使が相手だったが、この天使どうやら普通の攻撃では効かないようだ。

 先程から、修行で教わった色々な武器を作れる、創造のカウンターの力で使って試して見るも、相手にダメージを与えられない。

 地面も、月の凸凹になって歩きずらいし。


「私には、効かないわよ。その程度の武器の攻撃」


「なんで効かないですか! 可笑しいですよ!」


「私は、宇宙の物質で出来ているもの。だから、あなたの作った武器の攻撃は……絶対に効かない!」


 そうだった。

 私のカウンターは創造のカウンター、自分が知っている物しか作れない。だから、この人に、何ひとつダメージを与える事は出来ない。


 ならばと思い、私はカウンターの力を使って透明な箱の中に閉じ込めた。


「どうなってるのこれ! これを今すぐ解除しなさい! 聞いているの!」


 私は、無視してモニターの方が気になったのでそちらをみる。

 すると、そこには鉄矢が写っていた。

 どうやら苦戦しているらしい。

 周りは、炎でおおいつくされていた。


「私の計算は、正しいはず」


「それりゃそうだろ! 俺の火は、特別! かなり温度が高い火をを使える! だから、どんな鉄をも溶かしてしまう」


 よくみると、モニターは他にもあって違う映像も見てみると。


「俺の石の再生能力も限界だ……はぁはぁ……」


「あはははは!僕の砂嵐はあなたを削れるのです、そして再生能力を失ったが最後、あなたは、全身細切れになるのです!」


 どうやら、もう堅石も限界らしい。

 再生能力が追い付いていなかった。

 辺りは、砂一面だった。


「私の毒が効かない所か吸っている! どう言うことなのよ!」


「僕の能力は、毒の耐性があってね。その程度の毒は効かないよ。残念だったね」


 毒を放ったが全くに効かなかったようだ。

 逆に吸われいって、力がどんどん失い、紫は疲弊していく。 

 周りは、どうやら木々が一面に生い茂ってるみたいだ。


「私の洗脳愛攻撃効かない。しかも私のファンまで奪った!」


「フン! 人間にとって愛なんてそんなもんだよ。残念だったね! それにしても驚いた! まさか人間達を君の愛の力によって洗脳するとは」


 愛は、アイドルみたいな格好をしながらも汗をかき、険しい顔で言う。

 どうやら、あのカウンターには人を惹き付ける効果があるみたいだ。

 だけど、それは金のカウンターの力の前では無意味らしい。

 辺り一面、金で出来ていて眩しい。


「どうやらあいつら苦戦中らしいな」


「あなたも人の事を言えなくて。私に攻撃が全然当たっていませんよ……フフフ」


「クソ! なんで、てめぇに雷の攻撃が当たらねぇんだ!」


「それは、私が水その者だからですわよ。残念でしたね……クククク……」


「チッ……」


 荒の、戦ってる場所は水しかなく、それ以外は何もなかった。

 そうして皆は、なかなか上手くいかず、苦戦している。

 だが、そのときだった、皆が一斉に反撃を開始する。


「私の計算は、間違っていなかった。必ず油断すると思ったよ」


「なに!」


 鉄矢は、手を外し巨大な水の鉄砲を装着する。

 そのまま水をぶっかけと思ったら、鉄砲を取り外し元の手を取り着ける。

 その手で、刀を持ち一瞬で斬り込む。


「何故だ~! 何故負ける~!」

 

 どうやら、他の人も反撃したみたいで、次々と新しい技を使う。


 堅石もダイヤモンドのハンマーを持ちながら、攻撃していた。

 それは、相手にきくみたいで、逃げていたが追い込まれて堅石は土の天使にハンマーで攻撃する。


「止めろ……止めろ……止めろ! 止めろ! 止めろー!!」


「ダイヤモンドブレイカー!」


 土の天使が、ハンマーで頭をぶっ叩かれる。

 衝撃が強かったのか、近くの地面が割れるほど。

 それと同時に、天使が口から泡を吹いてパタンと倒れる。


「何故だ! 僕の体が毒まみれに!」


「残念だったわね。あなたの中和されない弱点の部分に毒を入れたわ。もう終わりよ」

 

 紫は、毒を新たに生成して追い詰めていた。

 そして、愛も金の天使の力を上回ったのか、また洗脳して味方が増える。


「何故だ! 人間なんて金の事しか頭にないのに!」


「全ては、愛なのです!人は、愛によって出来ているのです」


「ぐわーー! 人に飲み込まれるーー! 何でだー! 所詮、愛なんて偽りの物でしかないのに!」


 皆、決め技や台詞を決めて、どんどんと敵を倒していった。

 それは、形勢逆転と言ってもいい。


「俺の計算は、間違いない!」


「ダイヤモンドは、全てを砕く! そして女の心もね!」


「私の毒は、どんな物でも溶かす。あの人の心も溶かしたいわ……あああん!」


「私の愛は、誰物でもないあの人の物なんだもん、四神さん!……グへ……グへへ」


 それぞれ四人が、新たな修行で得た力で天使を倒すのだが、まだ倒していない者達も居た。


「あああ! 腹が立つ! 仕方ないあいつにチェンジだ!」


「なんですって!」


 荒れは、サングラスを外す。

 すると優しそうな女性へと変わった。

 それは、天候晴の姿だった。


「じゃあいきますよ~天候を晴れにします」


 隅々まで青空になり、太陽が姿を見せる。

 だが、何処か様子が可笑しくて、蜃気楼がたっていた。


「なんだと思ったら。大した事ないじゃないの……オホホ! びっくりしたわ」


 その為、日が照り返し温度はどんどん上昇する。

 それも、灼熱のような気候になっていく、何もかも蒸発する。


「熱い、熱い、熱い、熱い、熱いわよ!どうなっているの!?」


 どんどんと、水星の水がなくなっていき、荒の立っている場所からは、凸凹になっている地面しかなかった。

 それと共に、天使も体を覆っていた水もなくなる。

 そして、体は乾燥しきって、白目になって暑さで意識を失っていく。


「私は……もう限界……バタン!」


 水の天使は、熱中症で倒れた実に恐ろしい女だと、晴に思った。

 四神が、ようやく恐れていたことを理解した。

 本当に恐ろしい者とは、こう人だと意外な人だった為、私は驚いきを隠せなかったが。

 何か、とんでもない場面を見てしまった。

 より残酷で、酷い光景なためか。

 私は、この瞬間を一生忘れられないであろうと思う。



 それもつかの間、私の透明な箱を天使が破壊していた。

 自分の天使の力を使って。

 あの箱は、なかなか固い物質で出来ていはいたが、私の戦ってる天使の力は、他の者と違って特別に強いみたいだ。


「もう許さないわよ! あなたを月の光で倒してあげる!」


 そう言うと銃を取りだし、こちらに向けて発射する。

 かろうじて避けるも、月の光を放つ銃は、威力が凄まじく放った光が当たった、月の一部も欠けていた。


「どうやって倒すのですか、こんなの!」


 私の言葉は、虚しく。

 月の中で声が響くだけで、誰も反応する者もいなかった。

 本当にどうやって倒せばいいんだ、正直言って何も検討もつかない。

 実際に倒せるのかと、何か倒せる手段がないかと考えてみるも、そう都合が良いことが考えつくわけがない。

 私は、大量でてきた汗を拭きながら、なんとか今はその場をしのぐことしか出来ずにいた為。

 何とか、光を弾いて攻撃を防ぐに手一杯だった。

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