第5悪 最低な生徒(前編)
あれから、四神の言っていたことを考えていた。
本当に、自分のやっていたことは正しいのか?
間違いないのかと。
本当にやるべき事は何なんだろ、この気持ち。
それは、モヤモヤしていて何となく気分が晴れない。
なんでここまで考えないといけないのだろう。
別に、四神の言ってることなんて、なんの根拠もないことなのにと、昨日の事を思い出し悩んでる内に授業が始まっていたようだ。
その後も、ずっと長い時間考えたせいか、最後の授業のホームルームが始まっていた。
自分は、貴重な時間を余計な物の為に、無駄に使ってしまったのだと後悔する。
この授業だけは、内容を聞いていなかったためか、話をして何かを決めているのは分かるのだが、全くそれ以外は分からずじまいで着いていけない。
私は、蚊帳の外どころか全く、何一つ把握してないため、何をしているのかさえ、さっぱり分からない。
「皆! 僕は、皆の可能性に満ちた才能に期待している! 立候補者はいるか!?」
どうやら、まだ委員会を誰にするかのか、決まっていないらしい。
本当に、このクラスの人は~はあ~とタメ息混じりに聞いていると、不思議な事に皆は自分の時とうって変わって、その人の意見には賛同していた。
内容は、ほとんど同じなのにな~と疑問に思うも、それはすぐにわかった。
自分が、持ってない物をこの人は持っているからだと。
「あいつが、決めるんだったら文句ねーよ!」
「そうね優等生で、皆の人気者の委員長が言うことだし」
それは、圧倒的人気とカリスマ的な魅力と信頼関係だ。
その為、どんどんと委員会の皆の役割が決まる。
だが、一人だけ違った。
それもそのはず。
その男は、最低最悪な男、四神我流であったから、その人気と魅力にも圧倒されなかった。
おもいっきり、その教壇に立っている優等生の方を、睨み付けてデカイ声で文句を言う。
「何で、そんなめんどくせーことしなきゃいけね~んだ! ゴラぁ! てめぇらでやってろ!」
優等生は、そんな四神の発言聞いて、苦笑いをしながらなんだこの人と、違う惑星の住人でも見るかのような表情をしながら、渋々呆れながら説得する。
「まあ、仕方ないよ皆やっているんだし君だけやらないってわけにも」
「そんな事聞いてねぇんだよ! 無意味だって言ってんだよ!」
「じゃあ君は、簡単でやり易そうな、作業が少なくて負担がない、そう言う係にしておくよ」
四神は、悩んだ挙げ句簡単だったらと、それでいいと納得してしまった。
委員長は、緊張していたのか額の汗をハンカチで拭き、良かった~と一安心したみたいだ。
「これで、決まったかな? これで、終了でいいね?」
委員長が言うと、皆誰一人として文句もいわず疑問に思わなかった。
意義なしと皆は言い、納得していて誰も反抗する者などいない。
私の時にも、そうしてくれれば良いのにと本当に感じる。
私がどんな話をしても、誰も耳を貸さないので、本当にやるせない気持ちなる。
そんな最中、四神がそんな私のそぶりを悟ったのか、ぼそっと皮肉めいたことを小声で言う。
「お前は、偽善ばかり言ってウゼェからだろ……少しは場を読んで、行動するあいつを見習えよ……」
そう言う発言が聞こえたが、私は四神の方に顔を向けて納得するのが嫌だった。
なんか、同意してしまったら負けたような気がして悔しいのと、そんな事をこの最低最悪な男にいったら、なんか凄くバカにされると思って。
この人、本当にこうゆう時にだけ、積極的で腹が立つな~と思い、母が毛嫌いしていたことを理解する。
そう言う立場になると、分かるんだなと人の立場に経って考えることが、重要なのだと感じた。
そうゆうやり取りをしている内に、時間はあっという間に過ぎて、学校の下校時間となった。
「何であいつあんなに協力的じゃないのよ」
「ほとっけ! あいつ怒らせると何をする分からないんだから」
「それに、逆らった人間がボコボコされたところを見ただろ……」
皆ぼそぼそと、四神に嫌悪感を示して、文句や愚痴を言いながら帰る。
それを聞いていたか、聞かずかは分からないが。
四神は、自分の事を悪く言っていた生徒達を睨み付ける。
「おい!! 何かようかぁぁ!! あああん!?」
「なんでもないよ!……えへ……えへえへ……」
皆一同、苦笑いで誤魔化し四神の怒りをかわして、ボソボソ話ながら帰っていく。
その後も、四神は睨み付けて皆は困惑していたが、正直言って今回はクラスの人達が悪い。
その光景を見ていると、四神が私のところに近づいてくる。
「おい!」
「何ですか?」
「またお前の家行くぞ」
「何でまた私の家なんですか!?」
恥ずかしいそうに、照れているのか四神が耳を真っ赤にして、事情を話すが言い訳のように聞こえた。
「しょうがねぇ~だろがぁ!! 俺の家は、他の奴らがいるんだから!!」
あ~そう言うことねと、何となくチャラい神がよういした家へ、帰る事が嫌な理由がわかった。
四神と言う男は、他の人が家に居ると落ち着かないらしい。
しかも、気になってしょうがなくなり、休めないようだ。
「まあいいですけど……今日は、親いないので」
笑顔で答える私だが、多分顔は少しひきつっていた思う。
だって、この人が毎日来ると思うと、余計な事をしそうなのであまり来てほしくない。
かなりの確率で、厄介ごとに巻き込まれそうになるから。
「そいつは、良かった! これで面倒な奴がいないからな!」
そう言ったら、さっさと四神は私の家へ行こうとする。
だから、私は四神をひき止める。
だって、来て欲しくなかったので。
「待ってください!」
叫ぶもその声は、無視され四神は歩いて行く。
どうやら、この人は人の話をまともに聞かないらしい。
「早くいくぞ!」
何故か、道中私より早く歩き、私の目の前へいた。
私を置いていくかのような、足の速さで突き進んでいく四神。
なんでこの人は、自分勝手に何時も人の事を考えないで、迷惑をかける行動をとるのだろうと考えてみるも、情報が少なすぎて全く持ってその理由を想像できない。
「ところで、あの後神様に連絡したんですか?」
その顔は、呆れていた。
それが、至極当たり前の様な顔をしながら。
明らかに、私の事を小馬鹿にしたような態度で見下していたと思う。
「連絡なんてするわけないだろがぁ!! そもそも、あのエロ神の奴。自分の置かれた状況すら分からないらしいからな。それに、あのバカがそんな芸当出来るわけないだろ。電話の態度で分かれよ」
ちょっと、四神の言動にはイラついたが。
まあ、しょうがないな。
だって、本当に頼りないもの。
本当にどうしようもない神だと思い、四神と一緒に呆れていると、いつの間にか家に着いたようだ。
その後、自分の家かのように四神は堂々と入ってくつろぐ。
私の家なのに、普通にそんな態度で入るもんなのかな~人の家って。
本当に自分勝手で、常識がない人だな~と。
あれこの人鍵持っていたかな?
疑問に思い、手を見てみると手のなかには鍵があり、それを強く握っている。
数秒驚いて、意識が飛んではいたものの。
私は、つい鍵を持っていたことに突っ込まずにはいらない。
「ええええ!! 何で私の家の鍵持っているんですか!?」
「あ~これは、神に貰ったんだ」
「いやいやいやいや! それ! 犯罪ですよ! 軽くやっちゃいけないことしないでくださいよ!」
また四神は、面倒臭そうな表情で。
本当にこいつは、物分かりが悪いな~という、顔をしながら睨み付ける。
しまいには、怒鳴りつけてきた。
「良いだろ! 別に! お前の親には、家へ入るは許可をとってあるんだしよ!」
なにこの人、本当にいい加減で人として常識もないのにも、あきたらず。
犯罪まがいの事をやって、反省すらしないの!?
そう思うと、自然とため息がでてくる。
四神はと言うと、そんな私をお構い無しに、自分の家かのように茶を入れ棚から菓子を出して食べる。
その振る舞いは、まさにクズ男そのもの。
生まれてこの方、そのような行いをするものは一人も居なかったので、正直いって引いていた。
そう思っていると、テレビからとあるニュースが流れた。
「ニュースです! 昨日○○銀行で強盗がありました。犯人は、悪薬を使っていたため顔は分からず。身元も不明です……」
私の正義の心が騒いでいた為か、四神にこの問題を解決するように話をする。
「四神さんインフィニターの仕事ですよ!」
私がそう言うも、四神は嫌そうな表情を浮かべながら。
てめぇが、なんで俺に命令してんだよと言う一点張りで、話にならず。
しかも、怒っていたのか、ずっと私の顔を睨み付けながら怒鳴る始末。
「はぁ~!? 何で俺がやらなきゃいけないんだよ! お前もインフィニターだろがぁ! お前がやればいいだろ! お前が!」
私は、そんな四神に脅しをかけるごとく、まさに、この男がやる様な事をやり返す。
「お母さんに言いつけますよ!」
「チッ! 仕方ねぇーな! やるよ!」
私は、この瞬間初めて四神に勝った事が嬉しかったのか。
思もわず、ガッツポーズをする。
お母さんやったよと、心の内で喜びながら。
そんな私の行動が、ムカついたのか。
四神は鬼の形相で、私を睨み付けくる。
しかし、その顔は震えていて、必死に歯を食い縛り血管が浮き出るほど耐えていた。
その後も、四神が悔しそうに歯を食いしばり渋々私の言うことをきいていた。
そして向かうのだが、四神は違う道に進む。
なんで、そっちに行くのか疑問に思った私は、そのことを指摘する。
「そっちじゃありませんよ!」
私がそう指摘するも、四神は呆れた顔で。
なんで分からないんだよ、やれやれと小馬鹿にして呆れ返る。
「ちげぇよ! まず悪人を見付けやすくするために、神アイテムを手に入れる必要があるだろ!」
「何でそんな物いるんですか?」
私は、疑問に思ったことを口にする。
当然の事だ。
そんなものを手に入れなくても、犯人を探した方が速いからだ。
「バ~カ。そんなんで見つかるんならな! 苦労しねぇぇんだよ! 大体、悪薬を使った悪人ってのは本来。力を使わない限り、分からないもんなんだよ! そんなことを、イチイチ確認しなくても。今までの出来事を考えてみれば、分かるだろ!」
その言い分は、滅茶苦茶だったのだが仕方なく四神に従い、その神アイテムがあるであろう店に行く。
なんでこの人、イチイチ人をバカにしないと会話出来ないのかな~と思いながらも目的地に進む。
そして、暫くして神アイテムがあるであろう店につき、店内の中に入って商品を見る。
中は、商品がところ狭しと並んでいて、そこには私と四神しかいない。
「いっらしゃい」
そう思ったら、ヒトデのような形をした、生物が店のカウンターの、入口から出てきてを挨拶する。
なんだろうこの生物は、そう考えてみるも全く分からない。
だって、こんな生物今まで見たことないから。
そんな最中、四神は何も疑問を持たず、話しを進めていく。
「じじい~アイテムあるか?」
私は、動揺しながら聞く。
それもそうだ。
この男、その生物とやらを父親と言っている四神に。
そんなことが現実に、あり得ることなのかと。
「この人って、どう言う生物なんですか? それに、何でヒトデでみたいな体してるんですか!? 答えてくださいよ! 私! 凄く気になります! 四神さん!」
なんだか、面倒臭かったのか話をはぐらかすように、適当に返す。
「はぁぁ!! いちいち説明しなきゃならないのかよ! しょうがね~なこいつは、俺のじいさんで、四神大地って言うんだ!」
それは答えではあったが、私が聞きたいのはそこじゃない。
それじゃあ、ほとんど私が聞いていた質問には答えられてないので、もう一度きく。
「いやいやいやいや。そうじゃなくって何でヒトデのような形してるんですか!」
「はぁ~!? そんなもん知るかよ!」
まあどうせ知ってても、この人は答えたがらないから、面倒臭さがって言わないのだろうと。
そう思っていると、ヒトデのような者が、いかにも鼻の下を伸ばして、スケベそうな顔で喋ってくる。
ナンパな、やつみたいだ。
「そこの彼女! 可愛いね! わたくしとデートしませんか!」
「おい! そんなことより! さっさとアイテムよこしやがれ!」
四神は、じいさんの胸ぐらを掴む。
その表情は、何時にもなく怒っていて、イライラしていたようで、歯もくいしばっていた。
「わかったよ~そんな怒らないでくれ。な! これだろ、はい!」
四神は、会計すませてよく分からないもよを買ったようだ。
私は、どんなものを買ってきたかわからなかったので、とりあえず四神に聞く。
「何を買ったのですか?」
私は、首を傾けながら言うと、四神はどんなものを買ってきたのかを、渋々説明する。
「これが悪人を見つけるアイテムだ! その名も……悪人レーダーだ!」
そのまんまじゃんと、心の中で思いながら四神の方に顔を向けると、顔からは血管が浮き出ていて今にも爆発しそなくらい真っ赤なって怒っていた。
そんなに、怒るようなことなのかな。
そう思うも、この人だけはそう言う常識が通用しない。
だから、私は四神が怒鳴り付けてくるまえに、これ以上その話をするのを止めにした。
だって、詮索したら暴れて手がつけられなくなると思ったので。
店を後にして、目的地へと四神の後ろを着いていくように歩いて行った。
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