第3悪 最低な夫婦の人生(前編)
あれから、私は、あの男のことばかりを考えている。
本当に最低最悪な男だった。
二度とあの様な人間とは関わりたくない。
人間関係や、人の気持ちを一切考えないで、何もかも自分の考えている事が正しいと思い、自分勝手に行動するような男とは。
実際に、四神は正しくなんかない。
本当は、自分が正しいなんてあの男は言ってないけど。
学ぶ部分は、あの男にはあったが、絶対にあの男のようにはなりたくない。
自分の正義を曲げることになるから、あの時の文の気持ちを考えると。
そう考えていると、先生が教室に入って来て話をし始める。
「今日は、転校生を紹介するぞ! 入ってくれ」
先生が言い終えると、ある人物が教室に入ってきた。
信じられないことに、そこには絶対に今会いたくない人物……私の関係をズタズタにした……男がそこにはいた。
本当に最悪だ、これ程ろくでもないことは今までに起きた事はないのだ。
だけど、そんな私の話しは無視されたかのように、事は進んでいく。
「今日から転校してきた
私は思わず声を上げて言ってしまう。
それは、私の心の中にある、何かが反応していたのかもしれない。
「あ~! 昨日の! 性格とか口が悪くて平気で人の人間関係をズタズタにし、人の気持ちを踏みにじる。最低最悪な男!!」
そう自分は、言ってしまったのだ。
こんな事を言う予定はない。
だけど、我慢ならなかたんだ。
私は、やはり四神と言う男のことは絶対に許せない。
その後、四神と言う男はじ~とこちらを睨み付けてくる。
仕方ないので、とりあえず間違いましたと言い、一旦その場を収め、黙り込む。
終始睨まれていたが、顔を反らしあまり関わらないようにしていた。
面倒だったから。
本当に、この時最悪な気分だった思う。
私にとっては、四神我流と言う男はろくな人間じゃない。
「四神我流だ!! 調子乗った馬鹿が居たらぶち殺す!」
皆一瞬、四神の気迫に唖然として黙るも、その後慣れたのか騒がしくなり、各々自分勝手に言い、四神を非難することを平然と言い始める。
本当に止めておけばいいのに。
絶対、ろくなことにならないのに……この人達は……はぁ。
「な~にこわ~い!」
「今時不良とかだせぇ~」
「それ言えてる~あははは!!」
「俺は、最強で強いぞ~なんちゃって」
「それ最高!! クソ笑える~! と言うかうける~!」
クラスメイト各々が、四神をバカにしている。
明かに、本人を煽って怒らせていた。
その為か、今にも怒りが爆発しそうな雰囲気を醸し出していた四神。
顔は、既に眉間にシワを寄せていて、真っ赤で周りから煙をだしそうなそんな表情をしている。
今にも、爆発しそうな爆弾のように。
しかも、ずっと怖い鬼の形相で周りを見渡し、色んな人達を睨み付けていく。
「皆静かに……とりあえず四神くんの席は、あちらね」
先生は、私の席の隣を指差し四神は大人しくそこに座る。
チッと舌打ちをし、先程と同じで機嫌は良くないみたいだ。
そして、渋々仕方なそうに授業を受けている。
その後も、皆の私語は収まらず。
授業のチャイムが鳴り終わっても、皆ひそひそと小声で喋る。
各々言いたい放題言っていて、四神の方をこそこそ見ながら小さい声で話している。
「怖くない、あの人~」
「そうだよな~、アイツなんかヤバイよなぁ」
自分らが、この人を煽ったにも関わらず。
平気な顔をして、そんなことよく言えるな~と思うが、四神とは出来るだけ関わりたくないので、私は極力関わらないようにじっと動かないようにしながら黙る。
そう、私が思ったのもつかの間。
四神はまた周りを見渡す。
どうやら、先程言っていたことが未だに気にしていたのか、クラスの中の人達の顔を再び見渡し、誰に怒ろうかと目で追っている。
まあ、どうせ先ほど不良とか、色々言われたから怒ってるんだろうな~と。
「何だ! てめぇら! 何か文句あんのか! ゴラ!! そう言えば俺に不良とか言っていた馬鹿がいたな~!! どいつだ! 出てこい!」
四神がそう言うと、先程こそこそ話しをしていた人達も黙り、四神の方を見ながら自分らがそんな事をいっていないと、各々が伝えていた。
「俺じゃないぜ!」
「私も違うよ!」
皆は、自分が言ってないアピールをする。
そんな中、ある一人の男子生徒が声をあげる。
黙っていれば良いのに、絶対にろくなことならないだろうと思い、もう知らないと思ったが、そのクラスの男の子の方に、私は視線を向ける。
「……俺だよ……だってお前転校生の癖に生意気だからさ!! それに、大してかっこよくもないしな! それに、俺の方が顔もいいしな!」
うわぁ。
この男子生徒、火に油を注いだよ。
私は絶対に知らない、どうなっても。
そう、私はことから背けるように、そっぽを向き逃げる。
「ああん!? なんだと!! ゴラぁ!! そんな事言われる、筋合いがねぇからだよぉ!! お前らのルールなんて知ったこっちゃねぇーんだよ!! それにそんな事聞いてねぇ!! 後……お前の方が顔がいいだと!! お前はぜってぇやるさねぇからな!! 後であっちの教室まで来い!! 身の程って奴を教えてやるよ!!」
そう言い終えると、その男子生徒と四神は、別の教室へ一緒に歩いて行った。
だがその後、四神が先に出てくると、
ニヤニヤと薄気味笑いを浮かべている。
あの表情から察するに、あの男子生徒は四神にろくなことをされてないんだろうな予想できたので、哀れみを感じた。
そして数分後、四神に文句を言った男の生徒が帰ってきたが、顔がボコボコで目が腫れていて、見るも無惨だった。
やはりあの四神だから、そう言うことをやるのは分かっていたが、そこまでやるのは想定外だったから、正直流石の私も引いてはいたが。
その後、暫くして四神のニコニコ不適な笑みを浮かべているのは変わらなかった。
少なくともこの場に居る人達には、恐怖と言うものを見せつけられたと思う。
少しでも、四神に逆らったらろくでもないことになると思い、皆は緊張を漂わせて沈黙状態。
だが私は、何故か四神はそう言う事をやらかす事は予想できたみたいだ。
前の時、それ以上に酷い事をされていたから、慣れていたみたいだ。
だが全く、その成長に喜びはない。
それよりも、これ以上四神が問題を起こさないか内心ヒヤヒヤしていた。
「てめぇらぁ!! 調子に乗ったらこいつみたいになるからな! 後、くだらねぇ事を言ったらぶっ殺す!!」
そう言うと四神は、また楽しそうに不適に笑う。
不気味な表情を、こちらに向けながら。
皆は、そんな状況を見て引きつった顔をするしかない。
それはそうだ。
こんな危ない人に逆らったら、ああなると言う見本を見てしまったのだ。
そうならない方が可笑しい。
あんな、あられもない姿なるのは、誰だって嫌だろうからさ。
だが、私はそれより文の事で苛立っていた為か、四神がこちらに向かってきても、不思議なことに全く動じない。
その最中四神が声をかけてくる。
全くもって声はかけられたくないが、見ると文のこと思い出して、イライラするので。
「ところでブス眼鏡!」
その言葉は、実に人を馬鹿にする暴言で、腹が立ってはいたが、こう言う人だと理解して。
私の名前を四神に教えてあげた。
「
「間違えた、偽善者眼鏡」
もう!
この人は!
なんて失礼なのだろかと思うも、改めて仕方がないのでまた名前を言ってあげた。
「朝日ですって!」
「お前の家に行くぞ!」
「はぁ?」
お前は、何を言ってるの?
本当に意味不明だった。
この男は分かっているのか。
私が、四神の性で大事な友達を失って傷付いたことを。
そう思うも四神には全く伝わらず、そのまま話を無理矢理進めてきた。
本当に非常識な人だ。
始めて会って間もない人の家へ行くとか、どう考えたら、そう言うこと思考になるのだろうか。
私は溜め息をつき、仕方なくなんで行くのかを聞いてみることにした。
「なんで、四神さんを家に招き入れなければいけないのですか?」
「どうでもいいだろ! そんなことわ! いいから! さっさとお前の家に案内しろ!」
もう仕方ない。
この人は、こう言う人なのだろうと諦めて、家へとついていくことをなくなく承諾することにした。
それから学校へ出て、暫く歩く。
長い道路を歩いて、30分くらいすると家へ着くが、いまだに納得できない。
しかも、私はちょっと不安だったようだ。
母と四神が会ってしまったら、どうなるのかと思い……なんかとんでもない事になるような気がする。
祈るしかない。
神に!
母と鉢合わせになりませんようにと!
手の平を合わせて、願った。
「そんなこと、どうでも良いだろ! 入るぜ!」
四神は、自分の家のように自然と鍵を使い、ドアを開けて入る。
「なんで……鍵持ってるんですか!!」
「うるせぇ! そんなことは、どうだっていいだろが!」
正直どうでも良くない。
だって私の家だからね。
普通に、人として最悪でやっちゃいけないを行為してるから。
そう考えていても、四神には無駄なので、とりあえず一緒に家へ入る。
一応母が居ないか、調べてみる。
私が先頭で歩いて確認する。
何故か、母親が居た。
どうにか、四神のことは隠さなくてはならない。
それは、ろくでもないことが起きるような予感がしたからだ。
「どうしたの? なんかあったの?」
「お母さんこそ、パートじゃないの?」
「いや~暇でね、ほとんどこの頃やることないのよ~」
母は笑っていた。
だが、四神の姿が見た途端、血相を変えて、眼光が鋭く眉間にシワを寄せていた。
さらに怒り、鬼のような形相に変貌した。
それは、とてもこの世ものとは思えない。
「ごめんどうしても行くって、聞かないから。本当にごめんなさい!」
「あなたは悪くなっいて、分かってんだけど……この男だけは嫌!! 絶対ムリ!」
さらに母は、表情が一段と悪くなり今まで見たこともないような、怒りの顔を見せる。
それは、本当に母が嫌いなゴキブリを見たときの目のようになり、段々と目がつり上がっていく。
「いいじゃね~か、前みたいに仲良くしようぜ~助けてやったろ」
四神は、ゲスなセリフを吐きゲスな顔で、こちらを笑いながら見ている。
どうやら母の知り合いらしい。
まあ、どうせこの男のことだろう。
ろくでもないことを母にして、このように嫌われているのだろう。
この人は、本当に人の気分を害する発言や行動をしたりするので、正直母の気持ちは痛いほどわかる。
自分勝手で、そしていい加減なその振る舞いは周りを苛つかせる。
本当に、そんなことはしないようにしてほしいセツに願う。
はぁ~と私がため息をつきながら、四神の方を見るが何も反応はなかったので、諦めた。
「さっさとそいつを追い出して!!」
「おいおい! 一緒に戦場を生きてきたよしみじゃね~か。仲良くしようや!」
母は、ドアを閉めると共に、おもっきり四神の手を蹴るが、ドアから手を離さなそうと頑なにしない。
断固として、四神は家へ入ろうとする。
母は、それを阻止しようとする。
この光景を毎日見るのかと思うと、私は憂鬱になる。
だが、四神は諦めない。
いよいよ、母は暫く経って折れたのか、はぁ~溜め息をつきながら渋々家へ入ることを許した。
「ちっ! あなたも入れてあげるわよ、この史上最低最悪なクズ男!!」
母はもちろん、機嫌は良くない。
何故なら、その表情からは怒りしか感じないからだ。
四神がいる間、その嫌な空気がながれていた。
四神は、本当に厄介者だし災いしか呼ばない。
まだこの人から比べると、他の疫病神や貧乏神の方が、まだましに思えてきたぐらいにはだ。
それほど、迷惑な人だと私は思っている。
「ところであんた何でこの世いるのよ」
「それは、こいつが指輪から呼びしたからな、地獄に戻れないから、仕方なくだ!……それに、こいつの力のせいで元の魂の状態に戻せねぇからな……戻れねぇんだよ……」
四神はそう言った為、私が何故、このような事態を招いてしまったのかの経緯を話した。
母は、私の方に顔を向けて必死に聞く。
「雫! あなたは、指輪からこの男を呼びしたの!?」
「そうです……すみません……」
「なんてことしてくれたの!……どう言うことか説明してくれる」
怒りにみちた母は、更に今まで見たことない顔になっていく、まるで般若像みたいだ。
これ以上母を怒らせると大変な事になると悟った私は、今までの経緯のことを全部説明する。
四神が言っていた、私のカウンターの力せいで、あの世に帰れないことは初耳だったが。
必死に謝り、どうにか母の怒りを静めた。
棚の、封印を勝手に解いたことも許してもらえるように。
「そういうことだったの~それじゃ~仕方ないわね……クズ最低男働けよ!」
「何で、てめぇの言うこと聞かなきゃならないんだ! ああん!?」
「やれ!」
「ちっ! わかったやればいいんだろやれば!」
半ば、四神はヤケクソのような返事をしたが、案外嫌そうには見えなかった。
だが、私が笑顔を四神に向けている、と何故か不機嫌になる。
なんでこの人、こんな事で機嫌が悪くなるんのだろう。
本当に人の幸せが喜べない哀れな人だな~と思い、四神の方をまた見るも、今度は睨みつけてきて血管が浮き出ててきた。
なんだか、偉く怒っていたので、余りこう言うことはするのは止めておこうと誓う。
怒らせると面倒だから。
その瞬間、突然テレビからニュース速報が流れてきた。
内容は、この近くで殺人事件が起きたというもの。
目撃者の話では、近くには殺された夫の妻しかおらず、見ていた人いわく、妻が出てくるところしか見ていないというもの。
「あ~! この人あの人だわ!」
母は、どうやら知り合いのようで、私達に説明する。
「今どこにいるんですか!」
「たしか、スーパーにいたわ~」
「分かりました! 四神さん行きますよ!」
「はぁぁぁ!! 行くわけないだろ!」
相変わらず四神は、空気を読んでいないし、やる気もないようだ。
「てめぇ一人で行けや! お前もインフィニタ-だろうが! それに、一人のインフィニターが行けば充分だろ!」
やるのが、面倒臭いからこんな発言をするのだろう。
でも、このような発言を母が許す事もなく、ゴミを見る目つきで、まるで犬かなにかに命令するような口調で四神に言う。
「行け!」
「ちっ! 行けばいいんだろ行けば!」
四神は、母には逆らえないのか、言うことを渋々をきく。
何かあったのだろうと思うも、これ以上詮索したら、暴れだして何を仕出かすのか分からないので止めた。
そのとき、母が思い出したかのように四神に言う。
「ところで最低グズ野郎。神様には、連絡はしたの?」
「あ~忘れてた今から連絡する」
四神は、電話のような物を取り出して、おもむろに電話をかける。
「それ何ですか?」
「あ~これは、神ホンと言って神と通話できる機械だ……って! お前に話す必要ないだろ! あ! もしもし……おい! エロ神!」
四神は、神ホンと言う機械を電話のように、ボタンを押して、ピーと鳴ったとおもったら、その後神と連絡をとる。
「何だよ~エロ神って酷くな~い」
電話越しでも分かるくらいのチャライ男の声だ。
それに、話し声を聞くだけで腹が立ってくる。
こんな人は、初めてだ。
「そんな事よりどうなってるんだ俺の体わ!」
「う~んまあ、そこに居る彼女のカウンターの力でなったものだから~基本戻すことは、出来ないよ~」
「さっさと戻して地獄に行かせろ!」
「まあ~力の期限が切れればいんじゃないかな~」
「何時だ! いつ切れる!?」
何時にもなく真剣に言う四神。
何時もそうだったら、良いのにな~と思うも通じないであろうなと思い、悲しくなった。
だが、私の思いは虚しく、チャライ神との電話に集中していて、私のほんの少しの思いもやはり、伝わらなかったようだ。
「大体~1年は、かかるね~」
「ふざけんな! 元に戻せ!」
「まあ、なっちゃったものは仕方ないし~とりあえず四神くんの親の代わりの人と、家は用意するように言っておいたから、そんじゃあね~後はヨロシクね~バ~イバ~イ!」
「おい! 待て! 余計な奴らは、いらねぇーよ!!」
「おい! 待てって!」
チャラ神は四神の話しを無視し、しかも神ホンの通話は切れていたようだ。
「あのクソ野郎! エロ神のくせに!」
悔しそうな表情を浮かべる、その後私の方に顔を向ける。
「まあいい行くぞ!」
「はい!」
そう四神は言い、私と一緒に家を後にしてその現場へと向かうために、歩いていった。
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