第5話 なろうタイトル、とは(後編)

 これは出版業界も同様の問題を抱えています。

 平置き本なら、まだ表紙で主張できますが、棚に陳列されてしまうと、数センチ×十数センチの背表紙でしか、アピール出来ないのです。


 ですから、タイトル付けには多くの人が非常に悩みました。

 例えば、『テールエール戦記』。これだけでは、一体、どんな作品か、サッパリわかりません。ギャグなのか、シリアスなのか。リアル戦記なのか、超人戦記なのか。剣と弓の古典戦記なのか、銃火器を使う近代戦記なのか。ファンタジーらしいが、魔法はあるのかないのか。情報が少なすぎます。

 これ一つだけなら、タップして詳細を調べてもいいですが、実際には『〇〇戦記』『××伝説』『△△物語』『◇◇興亡記』……etc、という状態。 こんなのがズラっと並んだ日には、いちいちタップして詳細を見るのもダルくなってきます。


 しかし、なろうは少しだけ、違いました。

 誰かが、ソレに気づいたのです。


  作品タイトル ※100文字以内


 なんという事でしょう!(本日2回目)

 なろうは、タイトルに100文字も使えるのです! そして、タイトルであれば、100文字全部、きちんと表示されるのです!


 かくして、『なろうタイトル』は誕生しました。

 『あらすじが表示されないなら、タイトルであらすじを語っちまおう』という、対なろう検索システムとも言うべき、なろう特化型広報戦略の産物です。



 余談ですが、カクヨムはカクヨムで別の問題を抱えています。

 作者作品一覧やTOPのピックアップで、キャッチコピーが強調されすぎて、『タイトルが目立たない』んです(苦笑)

 幸い、カクヨムは携帯検索でもあらすじの一部が表示されるので、『なろう』ほど影響はありませんが……『カクヨム用キャッチコピーテンプレ』なるものが開発されるのも、時間の問題かもしれませんね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る